わんわん！　雪中お年玉＆お年賀争奪戦！｜リアクション

わんわん！　雪中お年玉＆お年賀争奪戦！

　智依子は目についた小さめの雪だるまを潰しに向かいました。
（これなんか壊しやすいから、スカが入っていそうなイメージがするよね。でも、それを逆手に取って意外に高価そうな品や1万円入りのポチ袋とかが入っていそうな気もする。あくまでもカンだけど）
「ママー、がんばれー！」
　と、楓の応援が聴こえてきました。
（体は冷えるけど、楓が応援してくれてる。頑張らなきゃ）
　熱い思いを胸に、智依子は目の前の小さめの雪だるまをシャベルで黙々と解体するのでした。
「あっ、何かでてきたわ！」
　息をはずませてポチ袋を開けた智依子ですが。
「ママ、おたから見つけた？」
　嬉しそうな楓に、苦笑して首を振ります。
「おしるこ券……まあ、こんなものよね。それでも体が暖まるのはありがたいわ」
　智依子はかまくらへ向かい、熱々のお汁粉を食べたのでした。
「楓の笑顔も見られたし、元気が出てきたわ」
　

（わかっちゃいたけど寒いなぁ。運動量多めにして耐えるしか無いかなぁ）
　寒さに震えながら、英二はスコップをふるいます。
「とりあえず堅実に小さめの雪だるまをどんどんスコップで解体して行く方針で行こう」
「負けないよ～！」
　ののこは寒さに頬を赤くしながらも、元気に英二の隣の雪だるまを崩していました。
（野々さんとの勝負の判定は別にしても、食べ物をゲット出来たら嬉しいな）
　そう思いながら、英二も雪だるまを崩していくのでした。
「あっ、あった！」
　ののこの崩した雪だるまから、ポチ袋が出てきました。
「わー、一万円かなあ？」
　目を輝かせたののこでしたが。
「がーん、５円だあ」
　すぐにしょんぼりするのでした。
「どんまい……あっ」
　英二が崩した雪だるまの中から、袋がのぞいていました。
　急いで開けると、お団子が出てきました。
「食べるべし、って書いてある……？」　
「いいなー、食べちゃったら？」
「そうだね……はずれじゃないといいけど」
　ののこに勧められ、恐る恐る食べてみると。
「おいしい」
　どうやら当たりを引いたようです。
　ちなみにハズレはわさびいっぱい入りでした。
「よーし、私も頑張るよ！」
　ののこは張り切って雪だるまを崩しましたが。
「今度こそ！　……がーん！」
「また５円？」
（神様へのお賽銭だとすると、５円が多くなるのかな……？）
　英二はふとそんなことを思うのでした。