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昼寝をする愛娘の顔を見て、
梓 智依子
は幸せを噛みしめていた。
もう5歳。目を離せばすぐにでも小学生になってしまい、夢も見つけて邁進していくのだろう。
いつまでも手元に置いておけるわけもない、娘は
梓 楓
として生きていく。ただ愛でられる人形でないことは、わかっていたはずなのに。
(そのあと、私には何が残るのかしら)
今さら過去を悲観するつもりはなくて、楓を産んだことも間違った選択をしていないと自信を持って言える。
ただ、その宝物を手に入れるために捨てたものが、智依子には多すぎた。
「…………」
じっとしているから考え込んでしまうのだろう。上着を羽織って庭に降り、少し手入れでもしようかと智依子は所々に生える雑草に目を向ける。夏ほどではないにしても、軽く身体を動かすには丁度良さそうな茂り方だ。
最初は無心に抜いていた智依子だったが、土の匂いに触れるとここであった様々な記憶が蘇った。
夏に楓と水鉄砲で遊んだこと、秋に焼き芋がしたいと楓が落ち葉を集め始めたときには慌てて止めて。それから確か、この家に来たばかりの頃――祖母に、花壇の一角で花を育ててみないかと誘われたんだ。
(あのとき、確か)
智依子は断った。誰が敵で味方かもわからなかったあの頃は、与えられる優しさが打算かどうかもわからず、乳飲み子だった楓の世話にもほとほと参っていて。
余裕などあるわけない、とはいえ気分転換にと誘ってくれたのだろう祖母には申し訳ないことをした。季節が合うなら、今からでも一緒に育ててみないかと声をかけたいところだけれど。
(……今さら、かしらね)
あのとき、祖母が勧めてくれた花はなんだっただろう。
少しスッキリした庭を眺め、智依子は小さく息を吐いた。
よく寝ている楓を起こさぬように、智依子はおやつに何を作ろうかとキッチンへ向かう。
かぼちゃのおやき、にんじんのパンケーキ……ほうれん草の蒸しパンもいいだろうか。残り野菜とレシピを確認しながら、買い足した方が良さそうな食材のメモを取る。
ならついでに、スーパーの広告もチェックしてしまおうか。テーブルの隅に置いていた朝刊とチラシの山からめぼしいものを抜き去ろうとして、智依子は思わず手を止めた。
――指導実績あり 高校生ダンス部、大会出場決定。
どうやらダンススクールのチラシのようで、入門者は年齢別に、中級者からはスキル別にクラスを振り分けているらしい。
と言っても今の智依子には関係がないし、楓にも習い事として始めさせるには少し本格的すぎるだろう。
(でも……)
もし、楓が1人で留守番が出来るくらい大きかったなら? もし、今からでも感覚を取り戻せるなら?
本当に関係ない、興味がないと思うなら、こうして手は止めなかったはずだ。
(今さらよ)
天秤にかけられた夢を振り切り、目先の愛のために未来を塗りつぶした。代わりに手にした宝物があるのだから、もうそれでいいではないか。
それでも、いつかは。羽根があることに気付いた宝石は飛び去ってしまう。
それすら無くしてしまうとき、ちゃんと見いだせているのだろうか。
生きていく意味を、自分の価値を。
何も疑わずに明るく生きていたあの頃と同じだけの情熱を、手にしているだろうか。
「また、始めるの?」
「え」
祖母が嬉しそうな顔をしている。
それはそうだ。孫がどれだけ打ち込んでいたのかも知っていて、イベントで時折踊ってみせると喜んでくれたから。
「……わからないわ」
だからその顔を曇らせないように、言葉を選んだのかもしれない。
迷っているから、そう答えたのかもしれない。
ただ智依子の中で、『絶対に』選ばない道ではないということ。もう1度本気になれるのか、趣味として留めたいのか、そういう明確なものが見えているわけではなくて、もっと単純な答え。
「ダンスは今も好きだから」
紐付くように悲しい思い出はある。
けれど好きなものを好きだと言うこと、踊りたいと思うリズムがあることに、蓋をしてはいけない気がした。
(思い立ったが吉日、っていうものね)
いつだって、何度だって始められる。
芽吹き咲いて、いつかは枯れる。でもその花は――種を落とし、また芽吹くから。
「ねぇ、今は花壇に何を植えているの?」
取り戻すのではなく、また新しく始めればいいのだと、智依子は笑った。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
浅野 悠希
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年10月21日
参加申し込みの期限
2023年10月28日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年10月28日 11時00分
参加キャラクター一覧
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