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星降る夜に見た夢は
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「もしもし、あ、珪さん? おはようございます。はい、駅前で待ち合わせですよね? ふふっ、忘れてませんよ。はい、今日も楽しみにしてますね」
朝から彼の声に耳をくすぐられ、何とも幸せな始まりだ。
綾辻 綾花
は微笑む。今日は大学も休みだし、彼とゆっくり過ごせるだろう。
今日のデートは寝子ヶ浜海浜公園へ向かう予定で、
早川 珪
の希望だった。綾花としても寝子島図書館やスポーツセンター、映画村や森繁美術館など行ってみたいスポットは多々あるが、今回は彼の要望を汲むことにした。まあそれも悪くない。これから幾度だって行く機会はある。永い時を二人、この先も共に歩んでゆくだろうから。
休日のシーサイドタウン駅前は混み合っていた。家族連れ。カップル。かしましい女の子たち、チャラついた大学生の一団。休めないスーツ姿のサラリーマンも。
寝子島は人種の坩堝とも言える。多様な人柄や身なりの人々が集うという意味でもあり、文字どおり日本人に留まらず、世界中からあらゆる人間が集う場所でもある。今も見ていれば夫婦であるらしい若い黒人男性と日本女性が熱い抱擁を交わしているし、サリーを纏う中東系の女性やフランス語を話す旅行者、中国系だろう団体客などがひっきりなしに駅前を行き交う。なぜそうなのか、綾花には分からないがともかく感ずるのは、誇らしさだろうか。綾花も愛する寝子島に、こんなにも多種多様な人間たちが集い、親しみ馴染んでいる。島の魅力を精力的に国内外へと発信し続ける熱血町長の努力が故だろうか。まるでここが世界の中心となったかのようだ。英語や第二外国語の講義をもう少し頑張ろうかな、と思う。
なんとはなしにいい気分で街を眺めていた時のことだった。
「あれぇ、彼女一人?」
「待ちぼうけ? すっぽかされた感じ?」
「え? いえ、待ち合わせを……」
「若い子が一人ぼっちとか良くないよ、不健全だよ!」
「俺らと遊ぼうよ、な! な!」
こういった強引かつステレオタイプな輩は漫画の世界にだけ生き残る絶滅危惧種かと思いきや、案外と現実にしぶとくのさばっている。平穏無事が常の寝子島にあっても時おり出没する、というより彼らは関東圏からわざわざ遠征してきた暇人たちらしい。
「い、いえ。私、人を待ってますから……こ、これから、彼氏が来るんです!」
「ウソつけよ、ずっと一人だったじゃん」
「誘われるの待ってたんでしょ? 分かるよ~、一人は寂しいもんね」
「じゃ、どーする? カラオケ?」
「おっけー」
「あ、や、ちょっと……!!」
ぐいと手を掴まれた瞬間に背筋を耐えがたい悪寒が走り抜け、頭には赤いランプが回転し警鐘が鳴り響く。このままずるずると引きずられて、個室密室などに連れ込まれようものならいかなる顛末が待っているか、綾花にも容易に想像がつく。しかし恐ろしくて、手足が痺れて、助けを求めようにも声が出ない。
「このへん店とかあんま知らないんだよね、どっち行く?」
「テキトーに見つけたとこでいーよ、あっちとか」
「んじゃ行こかぁ」
「へえ……僕の彼女を連れて、どこへ行くつもりだい?」
少し、怖い声が聞こえた。いつもの穏やかで優しい彼よりも幾分低く、やや震えていた。
「……珪さん!」
珪の怒りは静かで、落ち着いて見えて、綾花には頼もしく、そして不埒な輩に対しては竦み上がる程恐ろしく見えたらしい。彼らは蜘蛛の子散らすように早足で去っていった。
海浜公園の空は清々しく澄んでいた。
「はー。空気がおいしいですね」
「うん……本当に大丈夫かい? 嫌な思いをしたよね。日を改めても」
「いいえ。ぜんぜん」
確かに恐ろしかったし、嫌な気分も味わった。しかしこれが案外、珪の普段と違う一面を見られて嬉しく思っている自分もいる。彼があれほど感情を表に出したのは、他ならぬ綾花のためだろう。そう思うと抑えがたく胸が熱くなった。
穏やかな寝子高の司書教諭。しかし一たび恋人に危機が降りかかれば、彼はそれを跳ねのけるべく立ち上がる強さをも持ち合わせる。それが綾花の心と足取りを躍らせ、先ほどの剣呑な一幕とそれに伴う暗澹とした気分はすっかり吹き飛んでしまった。
「ふふ。あんな顔で怒るんですね、珪さんって」
「いやぁ。あまり見せたくないものだけどね」
「でも……カッコよかったです」
彼の腕を取り、絡ませる。その温もりと想いの迸りを全て内に取り込まんとして、強く胸へ抱き込む。彼はほっとした顔で笑い、綾花の頬へそっと唇を寄せた。
欧米からの旅行者か、堀の深い顔を緩ませた老夫婦とすれ違いざま、会釈を交わした。仲睦まじく、何十年とああして寄り添ってきたのだろうか。互いにこの人だけと見い出し、時を共にしてきたのだろうか。その姿を眺めて、私たちもと綾花は思う。
人種の坩堝、世界中から多様な人々が集う寝子島で、たった一人。彼と出会った。
奇跡に等しい巡り合わせ。何ていう幸運だろう。好きになったのが、こんなにも素敵な人だなんて。
「ああ、あったあった。ここのキッチンカーのクレープがすごく美味しいって評判でね。綾花と一緒に食べてみたかったんだよ」
彼は腕をそっと離すと、綾花の肩を抱いた。その力強さにもちろん、綾花は身を任せる。
「わあ、美味しそうですね! 珪さんはどれにしますか?」
「そうだなぁ。それぞれ違うのを選んで、半分ずつ食べようよ」
「賛成!」
いちごとチョコと生クリームのご機嫌なセッションを二人、堪能する。誰にも邪魔されず、二人だけ。もちもちの生地と幸運をぱくり頬張る綾花の笑みは、クリームもかくやととろけた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
網 透介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年09月27日
参加申し込みの期限
2023年10月04日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年10月04日 11時00分
参加キャラクター一覧
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