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星降る夜に見た夢は
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街は変わりゆく。君といつか見た風景も、やがて尽きぬ熱量がもたらす変動に埋もれて失せてしまうだろうか。
君よ、と
ハルキ・イエハナ
の思索は深まった。
一人街を歩く。孤独に間を保てず外出したが、すぐに仕事が恋しくて仕方がなくなる。それを振り払うように歩むうち、没頭した。
星ヶ丘地区はひっそりと静まっているが、活気に乏しいわけではない。閑静な、などと枕詞を添えればニュアンスも伝わるだろうか。住人には品があり落ち着いていて、その体現か家々や店の並びも整然としてがちゃがちゃと雑多な広告やチラシが踊るでもなく、頭上をやみくもに張りめぐらせた電線が這うわけでもなく、実に平坦なそぶりで寝そべっている。
思い出すのはあの洋菓子店だ。白く洗練された店構え。やわらかい照明のあたたかさと応対してくれたスタッフの心地よい笑顔。甘すぎずさっぱりとして、タルト生地の食感も楽しいモンブランの味わい。栗の風味にとろけた君の笑顔。
角を曲がると、店は失せていた。正しくは看板が挿げ替えられピザ店となっていた。足を止め、ガラス戸の向こうで忙しく立ち回るスタッフらをぼんやりと眺める。シーサイドタウンの駅前にもある宅配ピザチェーン店で、最近星ヶ丘にも出店してきたらしい。
しばし見つめた。そのうちハルキは、微笑んだ。街は変わりゆく。動脈硬化を抑制するには流動的であり続けなければならない。これも悪いことではないだろう。かまどを覗くアルバイト店員の額に浮き出た汗は少なくとも、美しく見えた。
君は悲しむだろうか。それとも同調してくれるだろうか。
ねこでんに乗り、旧市街へ向かった。通りがかりによく目にする駄菓子店が昨年の暮れに店を閉じたと聞いた。そう何度も入ったことはなく、店主と顔馴染みというわけでもなかったが、何とはなしに見かけて記憶に残っていた。
店は空き地となっていた。ならした土の上には早くも生命力の強い草たちが自己を主張し始めて、緑がかっている。
ハルキはやはり、ふと笑みを浮かべた。少ない小遣いを真剣な顔で駄菓子選びに費やしたり、店先に置かれたレトロなゲーム機を夢中で操る子どもたちの顔を思い出したので。彼らがやがて大人となりこの空き地を、あるいは新たに建てられた何らかの建物を見上げながらかつての面影へと思いを馳せる時、彼らは沈んだ表情を見せるだろうか。それともやわらかい懐古の情にとらわれ、ハルキのように笑むだろうか。
いつか並んで歩いた風景を思い出し、君はどんな顔を浮かべるだろう。
駄菓子屋跡を離れ、ハルキは歩き出す。旧市街にはもう一つ、大切な場所がある。
参道をゆっくりと登り、赤い鳥居をくぐって境内へたどりつく頃には日が傾き始めていた。金色に染まる寝子島神社の社殿の趣きはえも言われず美しかった。鎮座する狛猫たちと御社殿に敬意を払い、二礼二拍手一礼。いつも君が世話になっているから、と頭を垂れる角度は自然深くなった。
常に街は変動してゆくが、こうして変わらないものもある。物事を動かし続ける熱は必要だが、ふとそれに疲れた時は永遠普遍のものに人は安堵するのだろう。現代人には曖昧な神などという概念をふと思い出し(一部の寝子島住人にとっては未だ身近で鮮明だが)、足を止め拝むことで初心へ返る。そうした瞬間もきっと、人間には必要なのだろう。
ハルキの口元は緩んだ。
シーサイドタウンの夜闇の下、あえて路地裏を選んで歩く。日の光を失った街は、しかし月明かりには頼らず自律し、己を発光させ始める。瞬くネオン、遠くビルの合間から覗く電飾看板の極彩色。そのまぶしさや鮮やかさが楽しい。
街は生きている。あらためてそれを実感する。常に動き続け、昼のみならず夜までも熱を失うことはない。時に寝子島神社へ赴き自身を見つめ直す余裕のある者もあれば、ルームランナーの上を走り続けるように足を止めない者もいる。そうした者たちが、街を活かし続ける。だから失われてゆくものもあるが、言わばそれは新陳代謝なのだ。古い細胞が死に絶える代わり、新しい細胞がくまなく活力をみなぎらせ、神経を張りめぐらせる。古きと新しきは交代を繰り返しながら、この寝子島という世界を形作り保ち続ける。人の営みと、何ら異なるところはないのだ。
あのモンブランの味を、ハルキはいつまでも寂寥と共に思い出すだろう。しかし新しいケーキ屋の斬新な味がハルキを魅了することもあるかもしれない。レトロ懐古ブームにあやかって再び生まれた駄菓子屋で、新たな商品がヒットを飛ばすかもしれない。誰にも分かりはしないのだ。
喪失は新しい出会いと同義かもしれない。極論に着地した自分を少し笑い、君よどう思うだろうかと問いかけながら、ハルキは軽い心で自宅へと戻った。
つれづれなる時の最後に、玄関の鍵が回転する音をハルキは聞いた。有意義ではあったが寂しさの満ちる一日もようやく終わりだ。
「やあ、おかえり。今日はどんな一日だった?」
ハルキは心よりの笑みを浮かべ、尋ねた。
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あとがき
担当マスター:
網 透介
ファンレターはマスターページから!
網です。
ご指定いただいたイラストをもとにリアクションを描写する、というお話でした。
文字どおり夢のようなお話から、どちらかといえば現実的なお話もありましたが、いずれも夢です。
ただ、夢は正夢とも言いますし。いつか現実に起こることなのかもしれません。やっぱり起こらないのかもしれません。
ともかくも、目が覚めてああ、いい夢見たな。と少しでも思っていただけるようなものになっていれば、幸いです。
それでは、また次回に。
網でした。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
網 透介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年09月27日
参加申し込みの期限
2023年10月04日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年10月04日 11時00分
参加キャラクター一覧
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