this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
星降る夜に見た夢は
<< もどる
1
…
2
3
4
5
6
…
10
つぎへ >>
記念日は忘れず怠らない。
八神 修
のポリシーであり、いささかの不安の現れでもあり、彼女への敬意と感謝の発露でもある。なにしろ遠距離恋愛というやつは度し難くもどかしい。電話口に時おり声を聞き、その瞬間には安堵と満足を覚えるも通話を切った直後にはもう寂寥に囚われる。
とはいえ互いに、上手くやっているとは思う。少なくとも修に不満はない。違う方向を向きそれぞれに夢を追い、尊重し合い共感し合いながら過ごす日々もこれが案外、悪くはないものだ。彼女がその成果を口にするたび、修の自尊心までも満たされる思いがしたものだ。
「ごめーん! 道が渋滞しちゃっててさ~、タクシー動かなくて。待った?」
「いや、ちっとも。久しぶりだね、あおい」
「うん、久しぶり! 修君!」
一年経っても背は伸びていない。メイクが濃くなったり、新しい友人に同調するまま尖ったギャルファッションに身を包むでもない。あの時のままの
七夜 あおい
がにこやかに、青い瞳で修を見上げていた。
「あはは、久しぶりの修君だぁ。なんかおかしいね、あはは」
「そうかな? どこか変だったかな」
「そういうのじゃなくて……あはははは!」
恋人となって一年。離れて暮らすようになり一年。あおいは何だかよく笑うようになった。他愛のないことに笑い、修にはよくわからないツボにはまり、こうしてたびたび油断し切った顔を見せる。寝子島は穏やかな土地柄だが、家族から長女にかかる期待や責任を無意識に重く感じていたのかもしれない。そこから解放されのびのびと羽を伸ばし、それでいて自らの意思で歩み始めた彼女の真っすぐな思いがきっと、心弾ませているのだろう。
そしてそんな彼女を間近にこうして見つめていられるのは、修にとっても幸福なことだ。
「あはは、新宿で待ち合わせるのも久しぶりだね。今日はどうしよっか? 特に予定も決めてなかったねー」
「そうだなぁ。とりあえず……少し小腹が空かないか」
「うんうん。何かお腹に入れよっか、あ! クレープ屋さん発見♪」
今日はイブで人通りも多く、それを見越してキッチンカーも駅前にいくつか止まっている。客も列を作り盛況のようだ。二人もその一部となり、クレープを買った。トッピングがあふれんばかりのゴージャスなクリスマス仕様を、一口ずつ交換して楽しんだ。
「美味しいねぇ、修君」
「ああ。美味いな」
「それにしても、綺麗だなー」
駅前広場に飾られたツリーはこれでもかとぎらぎら瞬きいささか装飾過多だが、まあそれもいい。おかげで彼女を照らす光も二重三重と深みを増すから。緑や青みがかって輝く横顔を長め、修は甘いいちごを頬張った。
「寝子島はどう? 変わりない?」
デートも終わりに差し掛かると、あおいは決まってそう尋ねた。己の決断を後悔するわけではなく、長く暮らした第二の故郷への愛着が故だろう。気になってしまうらしい。
「特に変化はないよ。いつもの寝子島、変わらぬ寝子島。時々、妙なことに巻き込まれるのもね」
「あはは、寝子島の醍醐味だよね」
ろっこんを操ることもなくなったあおいの笑みは快活で、そして少し寂しそうだ。
「この前なんか、
ソラ君
と一緒に……何というか。奇妙な異世界で、怪物退治をしたよ」
「ええ? あの子、役に立った? またぶちぶちぶーたれてたんじゃない、何で俺がこんなこと~とか言って」
「いやいや、とても協力的だし機転も利くし、助かってるよ」
「ほんとかな~?」
そんな報告をしてやるのも、こうして会う時のお決まりとなった。彼女の弟や寝子島に息づく神なる奇態、奇矯な現象の話をするたび、どこか彼女はやわらかくなってゆく。その顔を間近に見つめることが修の楽しみともなっていた。
あおいにとって、遠き過去と思ってほしくなかった。修の暮らす場所、魂の置き所、懐かしき寝子島はいつでも彼女の帰りを待っている。いつだって受け入れてくれる、そう思っていてほしかった。
「……たまには様子を見に来るのもいい」
「あー、うん。そうだよねぇ。そうなんだけどねぇ」
困ったように眉を寄せ、あおいは頭をかく。その後に言葉は続かなかった。あの穏やかな気風に再び浸ってしまえば、もう戻れないかもしれない。安穏として優しくて、そんな場所だからこそ、頑張る理由を見失ってしまうかもしれない。そんなふうに言いたげで、しかし彼女が口にすることはなかった。
不器用なままだ。彼女のそういうところは。修は苦く笑った。
「まあ、気が向いたらな」
「うん。そのうちね」
これが今の、二人の距離感。互いに近づくことを願いつつ、それぞれに目指すもののために距離を置く。少しもどかしく、そして心地良くもある。
いつか望む夢を手に入れたなら、その時はと修は思う。彼女はどうだろう。
「ふふ。幸せそうだねぇ」
幾人も行き交うカップルたちを眺めて、あおいはふと修を振り返り、満たされてとろけた笑みを見せた。
<< もどる
1
…
2
3
4
5
6
…
10
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
星降る夜に見た夢は
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
網 透介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年09月27日
参加申し込みの期限
2023年10月04日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年10月04日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!