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星降る夜に見た夢は
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風の吹くまま気の向くまま。旅人は異郷を行く。見たことのない風景、見たことのない生き物。初めて出会う人々と、あたたかな触れ合いもあればその逆、刃を突きつけ合うトラブルに見舞われることもある。心穏やかな体験も、身の竦むような一幕も、その全てが大切な旅の物語の一編なのだ。
少なくとも、砂塵をかきわけ進む
八十八旗 信彦
はそう考えている。危険な怪物に捕食されかけたことも一度や二度ではないし、盗賊に蛮族、奴隷商やら何やらに追われることは茶飯事だ。それでも旅のさなかに出会うあらゆるモノが心に刻まれ、満ち足りてゆく。それが旅を続ける一番の理由だった。
「ようやく砂が晴れたか。おお、こりゃすごいな!」
「旅人さん、乗ってくかい?」
明るく緑色の空が広がり、雲を裂いて舞い降りたのは翼持つドラゴンとそれを駆る若い娘だった。知った顔に少し似ているかもしれない。故郷で自分を待つ恋人か、あるいは友人の面影か。金色の髪をなびかせ、砂にまみれた顔で笑んだ。
「ラクダもなしに砂漠を渡るのはオススメしないよ。ここらにはサンドワームも出る。オアシスまで乗せてってあげるよ」
「悪いね、じゃあお言葉に甘えようかな」
少女は信彦を湖畔に沿って広がる街へ連れて行った。この世界において水は貴重で、ここでは水量豊富に見えるが湖は雨季の名残りであり、乾季を迎えれば周辺の集落や隣国までも交え水の奪い合いが勃発するのだという。信彦は深くうなずいた。旅を続けてきた彼には良く理解が及ぶ。個々人が何かを欲し、その十分な対価を持たぬなら争いが発生するのは自明の理だ。幾度もそんな光景を目にしてきた信彦はプロの旅人であり、彼が一つ所へ留まらぬのは無用な紛争や闘争に巻き込まれぬためでもあった。
オアシスに残る澄んだ水に数枚の銀貨を支払い、少女は信彦へコップ一杯をご馳走してくれた。
「いいのかい、水は貴重なんだろう」
「そうだけど、交易街だからね。旅人に水の一杯も飲ませられなきゃ、名が廃るってものさ」
そう言って自身は革袋の茶褐色の水をあおり、翼を休める竜にも飲ませてやる。オアシスに寄り添い暮らす者は多く、その全てをつつがなく満たすのは難しかろう。少女の苦労が見て取れた。
と、その時だ。
「ヒャッハァー!」
「ん? 何事だ……?」
「やばい、砂賊団だ!」
砂塵の風を帆に受けて進む砂船に乗り、ほうぼうを荒しては略奪の限りを尽くすという彼ら砂賊団は、街へと乱入するやいなや特徴的な曲剣を掲げて人々へ斬りかかり始めた。そうして脅しつけては商店の店先に並ぶ食料を根こそぎ奪い、民家へ押し入り金品を巻き上げ、牛や鳥たち、竜や砂虫といった家畜までも引っ張ってゆく。やがては湖へとやってきて、ポンプを仕掛けて水を大きな砂船のタンクへと吸い上げ始めた。
信彦は少女に手を引かれて物陰へ飛び込み、その顛末を見つめている。
「何てこった、全部持っていくつもりか! この街に警察はいないのかい」
「以前は王宮から派遣されてきた衛士たちがいてくれたけど、よその国で水の奪い合いに忙しいらしくてね。今はこのとおりのザルさ……ちくしょう」
歯噛みする少女の目が、かっと見開かれた。その視線の先には、ほとりの樹に手綱を預けていた彼女の愛竜の姿があったのだ。
「あいつまで連れていかれてたまるか!」
「おおっと、待ちなよ!」
飛び出そうとする少女を押し留める。不満そうに眉を寄せる彼女へ、信彦はウィンクしながら言った。
「ま、俺に任せておきなよ」
「ちょ、ちょっと、何する気さ!?」
信彦は旅人である。それもプロだ。荒事そのものは得意ではないが、その解決法には長けているのだ。
「待ちなよ、君たち!」
「ああ~ん? なんだおめぇは?」
いかにも剣呑かつ屈強な賊どもを前にして、信彦が一歩も退くことはない。彼が懐へ手をやると賊たちは身構えたが、意に介さぬまま彼の持つ唯一つの武器を取り出した。
一枚の、黒光りするカードだった。
「この街の人々の命、財産、水も全て、言い値で買おうじゃないか! この輝くブラックカードでね!」
「なんだそりゃあ?」
「あれ、ご存じない? 世界中どこへ行っても使える、セレブリティのためのスペシャルなクレジットカードだよ。ほら、いくら欲しいんだい? 君たちの望む額で……」
「ふざけんなよ小僧、そんなもんが金になるか!」
「あ、あれー!?」
ぼかっとぶん殴られて、信彦はあっさり地に沈んだ。賊たちは構わずポンプを脈動させ水を吸い上げていき、視界の端には落胆する少女の顔が目に入る。
「やれやれ、まったく。砂漠暮らしは気が早くていけない」
それでも、彼はやはり旅人だ。それも数多の世界を渡る、掛け値なしのプロなのだ。
「お、おい、なんだこりゃ!? あいつのぶらっくかーどとやらから……」
「水だ!? 水が湧いて出てきたぞ!」
「うおおおおお!?」
支払いは既に終わっている。ブラックカードからはとめどなく水が湧きだし、砂賊たちもその船も押し流してゆく。それだけではない、水は湖へと流れ込み、その面積を広げてゆく……どんどん広がり、あっという間に大海となって砂漠を覆い尽くし、それでもなお途切れることはなかった。
気づけば水しぶきに濡れた少女が竜と寄り添い、こちらを呆然と見つめている。
「さっきの一杯の、ほんのお礼さ」
再びのウィンクに、彼の白い歯が輝いた。
鼻提灯がぷくりと大きくなり、弾けて目が覚める。
「ああ、そうか。つまりこの砂漠を満たすために必要な水量を算出する計算式とはむにゃむにゃむにゃ」
街一つを救ってみせたのだ。それに正月だ、もう少し惰眠を貪っても構うまい。信彦は新年初めの二度寝を堪能した。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
網 透介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年09月27日
参加申し込みの期限
2023年10月04日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年10月04日 11時00分
参加キャラクター一覧
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