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睦み月に願うこと
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どうして
あんなこと
をしたんだろう。
出かける準備をしていた
綾辻 綾花
は、手を止めて小さく溜息を吐いた。
後悔があるかと問われたら、それとは少し違うのだけど……上手くいかなかったというのが、単純に悲しい。
(今日は、あんなことのないようにしなきゃ。……私は、生徒だから)
言い聞かせる度に、胸が痛い。変えようのない事実であるはずなのに、あと数ヶ月という時間で終わることを名残惜しんでもいいはずなのに……それだけでは嫌だと思ってしまっている。
(でも、迷惑はかけたくないから)
好んで使っていたショルダーバッグから、小さめのハンドバッグへと中身を移し替えよう。そうすれば、すくなくとも距離感を間違えない。そう思ってバッグを開いてみるけれど、やっぱり……手を繋げないのは寂しい。
手が止まった綾花をじぃっと見ていた
クロワ
は、それを遊びの合図と思ったのだろう。ぎゅむぎゅむとバッグに身体を押し込み、賢明にもがいている。
「クロワ! これは空き箱じゃないですよ」
困ったように抱き上げても、にゃあんとひと鳴きするだけ。もしかしたら、クロワなりに元気づけようとしてくれたのだろうか。
「……大丈夫ですよ」
あの日はちょっぴり泣いてしまったけれど。まったく気にしてないと言えば、嘘だけど。
くよくよと悩み引きずらないこと、それが自分の長所だと思っているから。
「お留守番、お願いね!」
だから、いつものようにいかなくったって。
それがまだぎこちないものでも、心が塞ぎきってしまわないように、綾花は笑ってみせるのだった。
その日の綾花が何か違う。
早川 珪
がそう感じたのは、彼女と待ち合わせてすぐのことだった。
最初は思い過ごしかと思ったし、クリスマスの一件で彼女も『適切な距離』を見いだしたのかと思った。
でも、そうじゃないと確信したのはウィンドウショッピングをしているとき。
「あの服、珪先生に似合いそうですね」
マネキンに駆け寄る綾花の両手は、しっかりとハンドバッグが握られていた。片手でも持てそうな、重い荷物が入るとも思えない小さなそれ。いつもはショルダーバッグなことが多いのになと、ファッションポイントなら褒めてみようかと考えていたのだけれど。
「珪先生の好みじゃなかったですか?」
「逆だよ。衝動買いはいけないなって、一呼吸置いてたところ」
「ふふ……あっ、珪先生! あのアドトラック、来週公開のにゃんこが主役の映画ですよ」
くるくると話題を変えてはしゃぐ様子は、いつもと変わりないようにも見える。それでも、こうして校外で会うときに「珪先生」と呼ばれることも、2人の間を冷たい風がすり抜けることも……ここ最近は、なかったことだから。
「……寒いね」
トラックが見えなくなってしまうまで目で追っている綾花の隣に並ぶけど、やっぱり必要以上の距離は埋まらない。
それをただ手持ち無沙汰だと思っているのか、寂しいと感じ始めているのか。わからないほどの朴念仁ではないけれど、そうするように線を引いたのは、間違いなく珪であるのに。
(どうすれば、君を守れたのかな)
正しいとか、守らなければならないとか、それは確かにあるのだけれど。
そればかりを押しつけて、思いやれなかったのではないかとも……珪は少し後悔をしていた。
暖をとるために日向ぼっこ中の猫と戯れ、茶房でひと息。
ミニサイズのぜんざいと、2口ほどのわらび餅とみたらし団子がついたセットは、身体を温めつつ小腹も満たした。
「珪先生はお汁粉派ですか? それともぜんざい派ですか?」
「うーん、そこまで気にしたことはないけど……お汁粉なのに粒入りって書かれてると気になるかな」
食の好みは煩いほうではないものの、そういった表示は気になってしまう、ということだろうか。
「じゃあ、お雑煮の好みとかも特にないですか?」
「……作ってくれるの?」
大人な笑みをせず、素直な少年のように珪が言うから。前のめりで返事をしそうになった綾花は、暗示をかけるように一呼吸おいた。
(私と珪先生は、生徒と先生……)
それが寂しくても、彼に迷惑のかけない関係。思わず心の痛みが顔に出そうになったから、綾花は慌てて困ったように笑って見せた。
「地方によって違うって聞くので、珪先生の好みがわかれば……ですけど」
普通の生徒は、先生に手料理を振る舞わない。普通の生徒は、先生の家になんていかない。
他の先生と同じように珪と接すればいいだけで、珪が困らないようにすればいいだけなのに。
……それは、こんなに難しかっただろうか。
「どの地域も特色があって美味しかったからな……ほら、引っ越しが多かっただろう? 郷に入れば従えって、その土地の文化を体験する機会に恵まれることは多くてね。綾辻さんは、関東の味?」
「えっ? は、はい。しょうゆベースのお出汁で、切り餅とか鶏肉とか」
これは、生徒を気にかけてくれているのだろうか。それとも、綾花に興味を持ってくれているのだろうか。
(わからない……けど私は生徒だから)
特別に思ってはダメだと言い聞かせるのに、珪は優しく微笑んでくれる。
「そういう変わらない家庭の味っていいよね」
まるで「いつか食べてみたいな」と言ってくれているようで、胸が締め付けられるように苦しい。
どうして好きでいることが、こんなに辛いんだろう。
「……にんじんは、普通のがいいな」
唐突な呟きに、綾花は俯きかけていた顔を上げる。
ただ珪は好みのお雑煮というよりも、引っ越しのたびに変わっていったお雑煮を思い出して、理想のお雑煮を心に描いているようだった。
「洗い物が大変になるらしいけど、お餅は焼かずに煮込むのも美味しかったし……ストーブの上で温め直すのもわくわくして」
楽しそうに話してくれるということは、作ってもいいということだろうか。
彼に近づく速度さえ間違えなければ……手を伸ばしてみてもいいのだろうか。
冬の夕暮れほど急がずに、月が満ちるのをのんびり待つように。ゆっくりじっくりと進めていけるはずだと。
(……思ってて、いいですよね?)
今はまだ、手を伸ばすのを躊躇うほどにとても遠い月だけど。
春がやって来ても朧月にならないほど、ずっと綺麗なままだから。
今は静かに見上げていようかと、綾花は珪の話に聞き入っていた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
浅野 悠希
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
NPC交流
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年09月29日
参加申し込みの期限
2023年10月06日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年10月06日 11時00分
参加キャラクター一覧
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