異世界浸食！『焚書官かく語りき』｜リアクション

異世界浸食！『焚書官かく語りき』

　戦いの後。
　秘密図書館での英魂召喚の儀を見届け、ラッセル達は現実の寝子島へと帰る事ができた。
「へぇ、これが『雪蛍』か」
　放課後、ラッセルは寝子高の図書室で図書委員に本を探してもらっていた。
「君、運が良かったねぇ。最近人気で、なかなか返って来ないんだよ」
　図書委員に礼を言い、外に出る。
　一月の寒気に身を震わせ、ラッセルは戦友に思いを馳せた。
　
　蒼は、自宅のベッドで『焚書官かく語りき』のガチャに挑んでいた。
「三毛澤か、八村か……来てっ！」
　石が虹色に輝き、ぐるぐると回る。
「こ、これは確定演出！？」
　光の中から現れ、制帽をとって会釈したのは八村虎之助だ。
「ふふっ、貸りたんだよね『魔法使いの帰還』。さて、育てよっと」

　紫はというと、『虜囚列車』を再読することにした。
　猫田爪彦はゲームの中では友情を取り戻せたが、現実の彼はどうだったのだろう。
　――そんな事を考えながら、最初の頁を繰った。

「ふぅん。コラボメニューあります、か」
　蒼留人は、商店街のカフェで『焚書官かく語りき』のポップを見つけて立ち止まった。
　ゲーム内の文豪たちをイメージしたドリンクとフードメニューを出しており、限定コースターをプレゼント中だという。
「コースターの為に、あいつを誘ってもいいな。２枚もらえるし」
　ルームメイトの顔を思い浮かべる。

　――そう。
　後ろめたいから、ではなくて、コースターの為なのだ。

このページにイラストを設定する

あとがき

担当マスター：陣杏里
ファンレターはマスターページから！

皆さまこんにちは。

最近『切ない喪失の物語が読みたい』と思って新しいスマホゲームを始めてみた陣　杏里です。

ご参加の皆様には、ゲームや文豪につきましてノリノリのアクションをお送り頂きましてありがとうございます。
熱いの、ギャグ、知性派とばらけて頂き、楽しく執筆できました。
お楽しみいただければ幸いです。

ご参加の皆様、お読み下さった皆様、ありがとうございました。
陣　杏里でした。

↑ページトップに戻る