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Happy birthday, dear Lynx.
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【おわりと、はじまりへ】
ほろ酔いおねえさんに彼もほんのり顔を赤くする、喜色満面の夜を経て。いよいよ冬も深まり、寒気がぴりりと身に染みる朝、綾花は待ち合わせ場所へ向かって駆けておりました。
シーサイドタウンの路地を小走りに抜け、駅前広場へ出ようか、といったところで。
「おや? そこ行くお嬢ちゃんは、この前の。いや奇遇だねぇ」
前方、裏路地の出口に据えられた、サテンのクロスがかけられた机。そこに腰を落ち着けた人影の発した声が自分へ向けられたものと、綾花はしばし気づきませんでした。
「……? えっと。こんにちは?」
「やだねこの子は、昨日の今日だってのに、覚えてないのかい?」
そんなふうに言って不敵に笑うのは、黒いニットワンピースに黒いショールを羽織った、褐色肌に金色の髪を流した若い女性です。身なりはともかく雰囲気はなんだかギャルっぽい? メイクもばっちりでお肌ぴちぴち、ハタチかそこらに見えますけれど、物言いはなんだか老成しているようにも感じます。
少なくとも見覚えはなく、綾花が戸惑っていると、
「あのグラスにスカーフは気に入ってもらえたかい。まあ気に入ってもらえただろうさ、あたしの見立てで、あんたが想いを込めて選んだんだから」
なんてことを言うのです。
「え。え?」
会ったことはないけれど、確かにどこか見覚えがあるような。ないような……。つるぎにプレゼントした、あの素敵な冷感グラスを購入したのは、ちょっと不思議な雑貨屋さんでしたけれど。
目の前の女性の黒い装い。魔女の家のような雑貨店。黒いローブのおばあさん。
「……もしかして、『たそがれ屋』の」
「そうそう。思い出してくれたかい」
「え? でも、あの時はおばあさんが……あれ?」
店主さんの、お孫さん? あるいは若作りの娘さん? あの時、あの場所にいたのでしょうか。姿は見えなかったけれど、例えば階上や階下にて綾花らの話す言葉を聞いていたのでしょうか?
けれど言われてみると、気がついてしまうと、なんだかおばあさんとこの女性の印象が重なって見えてくるのです。よく似ているような気がしてしまうのです。綾花はすっかり、混乱してしまいました。
「あ、あれ? でも、おばあさん……え?」
「まあ分からないのも無理はないよ。女は変わるもんさね。そうだろ?」
どうにも、煙に巻かれている気分。
ふと見れば、机には揺れるろうそく。女性は手にしたタロットカードを手なぐさみに繰り、開いたり閉じたりしています。ちらりと垣間見えたのは、法王のカード。
「占い師さん……なんですか?」
「こっちが本業でね。雑貨屋は趣味と実益を兼ねた……まあそれはいいさ。ところで、彼氏とはどうだい? 仲良くやっとるのかい」
「え? あ、いえ、彼氏では……!」
珪のことを言っているのだと思い当たり、綾花の頬はぽわわと赤く灯ります。それで、ちょっとした混乱と疑問は吹き飛んでしまいました。思えば寝子島には、もっと不思議なこともたくさんあるわけでして。そりゃあもうひっきりなしなわけでして。
「ま、なにかの縁さね。もしこの先、おふたりさんが行く道に迷ったら、あたしを尋ねるといい。助言くらいしてやれるだろうさ。ま、そん時ゃ……ちょっとした対価をいただくことになるかもしれないがね」
意味深な言葉を述べたきり、女性は机に目を落としてタロットを操るのに没頭し始めたので、綾花は首を傾げつつ。待ち合わせの時間が迫っているのに気づき、女性へひとつ小さく頭を下げ、小走りにその場を去りました。
「ああ、綾辻さん。こっちだよ」
「よーッス、綾辻ちゃん!」
駅前広場にもはや馴染み深い顔ふたつを見つけて、綾花は駆け寄ります。休日の今日は、三人でランチです。日々の中、こうしてふたりと過ごす時間も当たり前になってきました。
「おはようございます! 珪さん、今そこで、たそがれ屋の方と会ったんです」
「ん? タソガレヤ?」
「ほら、つるぎちゃんのプレゼントを買ったお店だよ。なんだか変わったところでね」
つるぎも興味深げで、今度案内してあげるのも良いかもしれません。
「あのおばあさん、元気にしていたかい。面白い店だったし、また覗いてみようか」
「あ、はい。そうですね……」
おばあさんというか、娘さんというか。先ほどの出会いをなんと表現したものか迷っていると、
「綾辻ちゃん。んっ」
とつるぎの強調する胸元。今日の彼女はデニムの上下にベージュのロングコートという出で立ちで、その首にはピンクのカーネーション柄のスカーフをゆるく巻き、リングで留めてありました。
「あ! 着けてくれてるんですね」
「あんまりこういうの、慣れないからさぁ。ちょーっとむずがゆいんだけど……けど悪くないよ、オシャレするってのもさ」
照れくさそうに、けれど楽しそうに。そんなふうに言う彼女は、出会った頃からすこうしずつ、変わっているようにも思います。珪さんを通じ、綾花と触れ合うことで、彼女も良き刺激を受けているのかもしれません。もちろんそれは綾花にとっても、同じことですけれど。
「さて、なにを食べようか。希望はあるかい」
「わたしはなんでもオッケー! 綾辻ちゃんの好きなモンでいーよ」
「いいんですか? そうですね~……なにがいいかなぁ」
楽しく迷いながら、ふたりと街を歩きました。
1月。新しい年です。人は変わり、取り巻く環境も変わり、新しい出会いもあることでしょう。現に綾花はこの春で寝子島高校を卒業し、暮らし慣れた猫鳴館を出て、新しい住まいに移ることになるはずですから。
今年もきっと、いろんなことがあるでしょう。現実で綾花の生活も一変するでしょうし、またしても寝子島に起こる、目の覚めるような変事に巻き込まれるのかもしれません。あるいは珪との関係だって、いくらか歩みを見ることができるかも? 劇的な変化が訪れるのかも……?
この1年は、変化の年になりそうです。大切な友人の胸元で風に揺れるスカーフはきっと、その幸先よく素敵な先駆けとなることでしょう。
「ん? どったの綾辻ちゃん?」
にか、と笑う彼女を、綾花はまぶしく見つめました。
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あとがき
担当マスター:
墨谷幽
ファンレターはマスターページから!
墨谷幽です。『Happy birthday, dear Lynx.』、リアクションをばお届けいたします~。
綾辻さんとつるぎさんの付き合いも長くなってきましたね。こんなふうにお誕生日までお祝いしていただけるなんて! 彼女も大喜びのようでしたよ。
珪先生とのイチャイチャももちろんありつつ。1月11日の誕生日、新年早々のすがすがしい寝子島を描くシナリオとして、新しい出会いなどについてもすこうし、盛り込ませていただきました。今後の墨谷のシナリオにも登場する、かも?
綾辻さんもらっかみ!タイムの今年に卒業ということで、いろんなことが大きく動く時期だと思います。その中の一編でも、また墨谷に描かせていただけるなら、光栄です。
それでは、今回もプライベートシナリオにご指名いただきまして、ありがとうございました。
次回のシナリオでもお待ちしております~。
お疲れさまでした!
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
プライベートシナリオSS(500)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
恋愛
NPC交流
定員
1人
参加キャラクター数
1人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年09月25日
参加申し込みの期限
2023年10月02日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年10月02日 11時00分
参加キャラクター一覧
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