this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
Thank You for Loving Me
<< もどる
1
2
3
4
5
…
16
つぎへ >>
飛びすさった忍者の手に氷の剣が生じる。氷柱(つらら)ではない。絶対零度の凶暴なる刃だ。
対峙する炎の忍者は、じりじりと距離を詰めたかと思いきやおもむろに仕掛けた。裂帛、鎖のついた苦無(クナイ)を投じたのである。
「Get over here !!」
交差する氷と炎。
うなる拳。砕ける刃。
勝ったのは炎の忍者だった。
「お前を殺すために俺は蘇った……!」
炎の忍者が覆面を取る。なんと恐ろしい! 彼の素顔はなかば白骨化しているではないか。
同時に忍者は口から吐き出すのだ。地獄の業火を!
これぞ究極真拳――。
以上、竜司がまゆと鑑賞したアクション映画『究極真拳フェイタルコンバット』のクライマックスシーンである。
格闘ゲームを原作とする映画らしいが元ネタはふたりともわからない。それでもストーリーは単純だからOKだ。魔界と人間界のファイターによる激アツバトルを描いているのだ。全編にわたって血と脳漿が飛び散り、雷と炎、氷と龍が駆けめぐるすばらしくチャイルディッシュな作品(でも残虐表現が半端ないのでR15+指定)ではあるが、格闘シーンの完成度の高さもあって竜司としては大いに気に入った。
だが異様なまでににダンサブルなエンディングテーマを聴きながら、竜司は急に不安に襲われたのである。
まずい。これ、全然デートムービーじゃない。
エクストリームすぎて逆に陰惨さはないとはいえ、腕がちぎれたり真っ二つになったりするグロシーン満載、血しぶき大サービスのたっぷり感、はっきり言って観る人を選びそうだ。というか、選ぶ。
結局、迷ったすえに竜司がチョイスしたのはこの映画だった。他にもみっつ選択肢はあった。だがひとつは俺様系のイケメンがクラスの地味女子に言い寄る青春映画で『なんかやだな』と思いパス、もうひとつはシリーズ物アニメの三作目だったので『これまでの観てないしなあ』と外し、ラストは骨董品を鑑定するおじいさんのドキュメンタリーで『渋すぎるよな』と避けたのだった。派手そうだしこれでいいか、と決めた結果がこのブラッディカーニバル、たしかに派手ではあるものの、好きな女性といっしょに観るのはどうかと冷静になったのである。
しかし心配は不要だった。
「おっもしろかったねー!」
劇場を出たまゆは飛び跳ねそうなほどのニッコニコぶりだったのである。
「フウマがカッコよかった!」
とおっしゃる。なおフウマというのは炎の忍者の名前だ。ハリウッドでも活躍する日本出身の俳優が演じており、アクションのキレも台詞まわしも、たしかにほれぼれするほどの快演ぶりだった。
「血まみれなのイヤじゃなかったっすか……」
おそるおそる竜司が訊いたが「ノー・プレブレム」とのことである。
「あそこまで極端だとほとんどギャグじゃない?」
平然とまゆは言い、本当に楽しんだらしく劇場でパンフレットとアクリルスタンドまで買ったのだった。
結果オーライ!
ああやっぱ、まゆさんは最高だ。
滑り出しが快調だったおかげか、竜司とまゆのデートはその後もスムーズかつ楽しく進行した。
喫茶店で休憩して、映画の感想に花を咲かせる。それから買い物だ。「これとかどーよ?」とまゆにジャケットを選んでもらったり、「赤ペンが切れたのよねー」というまゆの文具さがしに付き合ったり。
「記念写真撮ろうか」
まゆの提案でプリントシール機に挑戦もした。入れる文字はもちろん『初デート記念』だ。
絵に描いたようなキャッキャウフフじゃないか!
我が身にそんな日々が訪れるとはよもや思わなかった。それも、憧れつづけたまゆと。こんなに嬉しいことはない。
あなたがいてくれたから今の俺がいる……本当に感謝しています。
心のなかで竜司は告げた。
冬ゆえ暮れるのが早い。夕焼け空のもとまゆは、すこしはにかみつつ言った。
「竜司くん。せっかくだし」ちょっと間をおいて彼を見上げる。「大観覧車、乗らない?」
「もちです! 乗りましょう」
「よかった。あたし乗ってみたかったんだー」
「乗ったことなかったですか? 寝子島シーサイドタウンの観覧車」
「いやもちろん乗ったことならあるよ。でも、恋人と乗るのははじめて……」
なーんて言っちゃったりしてね! と照れ隠しなのかコミカルに告げてうつむくまゆに、竜司はもうたまらなくなり両の拳を握りしめた。
そうでもしなければ、また涙があふれそうだったから。
やがてまゆは顔を上げると、黙って片手をさしだした。竜司も黙ったまま彼女の手を取った。
指を絡め合う恋人つなぎ、ごく自然にそうなった。観覧車にむかって歩き出す。
そういやさ、とまゆは言った。
「観覧車が頂点にのぼったところで、キス……とかするんだよね、カップルって」
ええっ!?
魂が龍と化し滝を逆流して天に昇ってしまいそうだ。竜司もその話は知っている。観覧車を提案されたとき、ありえるかもとは漠然とながら考えていた。だが初デートだし期待していたわけではない。
だからまさかまゆから切り出されるとは夢にも思っていなかった。たちまち顔面瞬間沸騰、心臓は爆発寸前だ。
「あ、は、はい、そうらしい、ですね」
ガチガチに緊張しつつこたえると、あにはからんやまゆはこう言ったのである。
「でも観覧車で初キスしたカップルは別れる、って都市伝説も聞いたことがあるんだよねー」
そういえばそういう話も聞いた気がする。デートスポットあるあるというやつだ。
だったら俺たちはやめときましょうか――残念な気持ちもあるがあと半分はほっとした気持ちでそう告げようとした竜司だったが、言葉は出ないままに終わった。
「……だから、観覧車は二回目にしよっ」
まゆは告げて背伸びして、竜司の唇に自分の唇を重ねたのである。
観覧車が投げかける長い影、その合間に竜司とまゆは体を重ねている。
ひとつになったふたりの影も、長い。
ほんの数秒だが、このときたしかに世界は時間を止めた。
「まゆさん……まゆさんっ」
動き出した時間のなかで竜司がやっと言ったのは、
「絶対に幸せにします!」
短くも純粋な宣言だった。
<< もどる
1
2
3
4
5
…
16
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
Thank You for Loving Me
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
定員
5人
参加キャラクター数
5人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年09月13日
参加申し込みの期限
2023年09月20日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年09月20日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!