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心をこめて、詰めこんで
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【遠くて近くの】
しばし別行動を取ることにした。ペンとインクのセットはウォルターからのプレゼントとして、柚春もなにか別のものを贈るつもりだ。懐事情から先ほどの店で選ぶのは難しいから、もう少し手頃な文具店も覗いてみることにする。
ウォルターの薫陶を受け取るならば、高いものが必ずしも良きものとは限らない。値段は指針となるがそこに本質が伴うか否かは柚春自身が判断せねばならない。
それにやっぱり、大切なのは心だ……思いがあればなんでもいいというわけではなく、思いによって良きものを見い出そうとする心持ちを大切にすべきだ。無論、失敗して空虚な代物をつかまされることもあろうが、それによって見識が深まることもあろう。
「よしっ」
……といってあまり気負うのもよろしくはないから、ウォルターのラフなところも見習いつつ、あくまでいつもの自然体で見定めることとする。
(星ヶ丘ってやっぱり、不思議なところだなぁ)
後ろ手を組み、石畳の軽い踏み心地を確かめるようにゆっくり、歩む。旧市街の趣き深い眺めやシーサイドタウンの現代的な景観と比べ、星ヶ丘のそれはいささか異質だ。地中海風建造物が多く並ぶハイソなエリアでありながら、あまり気取ったふうでもなく、まさにイタリアの風のようにからりとしているのが魅力だろう。ウォルターもこんな土地柄を気に入り、定住を決めたのだろうか。
白くまばゆい光を浴びながらに、目線はあちらこちらへ。探すのはもちろん文房具屋さんだ。
昨今昔ながらの、いわゆる町の文具店といったものは徐々に姿を消しつつあるのが時勢の流れだが、しかし近頃は都心部などにいくつも高級文具店がオープンし好評を博しているという。広くてモダンな店舗に、ちょっと高級志向な品ぞろえ。日用品にもこだわりを持ち、個性を演出したい現代人の嗜好にマッチしたらしく、古きも新しきも含めて文具が飛ぶように売れているのだそうだ。大型店舗も次々と建ち、老舗文具店にもリニューアルオープンの風が吹く。幅広い文具を扱う店もあれば、前衛的・個性的なブランドショップも多くあった。
(あ、素敵なお店発見)
そこへいくと星ヶ丘地区にあってはマイペースというか、時勢などどこ吹く風であるようだ。訪れたのは先ほどの店から2ブロックほど歩いたあたり、流行とは真逆のレトロでこじんまりとした店構えが素敵な店で、いわば星ヶ丘流の『町の文房具屋さん』といったところか。天然木だろう浮彫の看板もまた素朴ながらしゃれている。店名は『BROWN TABBY』、いわゆるキジトラ猫のことだ。
木製で小窓のついた扉を押すと、からからと鐘が小鳥の歌うような声を発した。
「いらっしゃいませ」
「あ、どうも」
にこやかな笑みに会釈を返す。髭を整えた清潔そうな身なりの若い男性だった。きっとこの店の二代目、三代目店主といったところだろう。なかなか渋めのイケメン……まあ、ウォルターにはちょっと落ちるだろうか。
(なんてね……)
「ごゆっくり、ご覧になってください。質問はなんでもどうぞ」
「あ、はい! ありがとう」
比べてどうする。このところは心の内、なにかとウォルターを引き合いに出しては比較対象にしてしまう。無論ほとんどは彼の圧勝である。時おり敗北を喫するのは、彼の不器用とか無精とか、柚春ならば容易に目をつぶってしまえるところばかりだ。
(ああ、もう。好きだなぁ)
火照る頬は店内をあたためる暖房のせいとしよう。今はメアリのプレゼントだ。
並ぶ品々をぐるり見回す。探すといっても実のところ、大筋で決めてはいた。ウォルターがペンとインクをプレゼントするなら、それを存分に走らせるための白いキャンバスが必要だ。つまり、ノートはどうだろうか?
小奇麗な店の内をしばしめぐると、ノートが平積みされているコーナーを見つけたが、柚春は目を白黒とさせてしまった。ひと口にノートといっても実に多種多様であり、よく見るキャンパスノートにちょっとおしゃれなリングノート。革製のカバーが格好よいビジネスノートに、装丁と中の罫線の定型を自由に選べるもの。付箋とセットになったもの、キャラクターもの、有名デザイナーが装丁をデザインしたというやたらに美しい表紙が目を惹くもの。変わり種としては、和紙製のノートなんてものもあった。
目移りしてしまう。ウォルターが選ぶだろうアンティークペンで綴るにふさわしい、メアリに似合うノートはどれだろうか?
「ノートをお求めですか」
すっかり迷っていたら、見かねたのか店主が声をかけてきた。ウォルターには少しばかり及ばないが、聴きごこちよい低音ボイスだ。
「あ、はい。プレゼントに……お屋敷のメイドさんに贈りたいんです」
「ふむ、なるほど」
えっお屋敷? メイドさん? と目を丸くして尋ね返さないあたり、彼も星ヶ丘の住人ということか。しばし考えるそぶりの後、店主は小宇宙めいた品物たちの並びから一冊を取り上げ、柚春へ勧めてくれた。
「こちらなどいかがでしょうか」
「あ……」
これだ、と思った。直感した。老舗文具店の二代目または三代目、さすがの慧眼だ。
柚春は迷うことなく品物を決め、購入した。クラフト紙に『THANK YOU』のレタリングフォントが記されたタグ付き、やわらかくあたたかみある包装にリボンも添えてくれた店主に礼を告げ、ほくほく顔で店を後にした。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
プライベートシナリオSSS(600)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
NPC交流
オールジャンル
定員
1人
参加キャラクター数
1人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年09月15日
参加申し込みの期限
2023年09月22日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年09月22日 11時00分
参加キャラクター一覧
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