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心をこめて、詰めこんで
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【心をこめて】
言ってみれば小市民である。頻繁に繰り返される両親の転勤に忙しない幼少期を過ごしたが、それも日本における一般的、通俗的な社会に属するがゆえのことだ。生活に困窮することもなくさりとてうなるほど資産家の家柄でもない。
つまり
稲積 柚春
の生活に、使用人という存在があったことはこれまでになかった。
ウォルター・B
に恋をし、全てを一足飛びに越えてゆくような猛アタックが功を奏して彼と通じ合い、しばしば自宅へも訪れるようになってからのことだ。しゃららん、と鳴るような、漫画や映画かなにかでしか目にしたことのない慇懃な仕草で一礼する
メアリ・エヴァンズ
の姿に、柚春は感銘を受けたものだ。
きたる12月26日、英国流に言うところのボクシング・デーに彼女へなにか日々の礼を表す一品を贈りたい、というのがその主人たるウォルターの相談ごとだった。紳士の家柄に連なる者としての自覚と責務、とかなんとかはあまり関係がないと彼は言う。あくまで個人としてのウォルターが、メアリにいかに世話になっているか、感謝しているかというところが肝要なのだ。こう見えて彼はまあズボラなたちであるから、メアリの献身的な仕事ぶりなくして星ヶ丘のブラックウッド邸は回らないし、そもそも来日してすぐにも路頭に迷っていたことだろう。
「で、まずはどこに行くの?」
「以前に見かけて、気になっていた店があってねぇ」
風を切って疾走する、艶めく濃紺色のスポーツカー。柚春はその助手席に収まっている。換気のため少し開けたサイドウィンドウから吹き込む風がなびかせる彼の頭の黄金色や、前方を見据える凛々しく青い瞳を間近に眺める。柚春の特等席、享受する特権である。
「文房具屋さん?」
「そう、なかなかオシャレで良さそうなお店でね」
ウォルターが全幅の信頼を寄せる彼女へのプレゼントを選ぶにあたっては、ふたりの間で幾度となく相談が交わされた。前提となるのはウォルターの持つメアリの情報、いわく『彼女が欲しがりそうなものリスト』だ。
ひとつ、若い頃のメアリはどうやら、写真を趣味としていたらしい。
「写真かぁ、どんな写真を撮ってたんだろう?」
「さぁねぇ、僕は見たことないよ。ずいぶん昔にそう言ってたのをちらっと聞いたくらいだし」
「プレゼントにするなら、新しいカメラとか? ちょっと趣味としては高価というか、今のメアリさんが欲しがるかどうか」
ひとつ、メアリは児童文学を自身で執筆してみたいと考えているっぽい?
「趣味としていたらしい、とか考えているっぽいとか、曖昧だなぁ」
「メアリはあまり、自分を語らないもんでねぇ」
「どうして自分でも書いてみたいと思ってるって分かったの?」
「いやぁ、そんな気がしただけ。以前になにか書き物をしてるところを見たことがあるし。中身は教えてくれなかったから、そういうことかなって」
「曖昧だなぁ……」
ひとつ。メアリはキッチンに新しい調理器具を入れたいらしい?
「これは僕たちが勝手に判断していいことではないような」
「そうだねぇ。フライパンだの包丁だの、いきなり使い慣れないもの渡されても困るだろうし」
「う~ん。結局メアリさんが今欲しいものは分からない、と」
「そうなるねぇ」
いまいち頼りにならない主人であった。まあ別のところでハイスペックを発揮する万能教師たる彼なので、時に抜けているところもあるほうが親しみが湧くというものだろう。と、柚春は思うことにする。
「ふふふっ」
「なんだい、なにかおかしかった?」
「ワットっていつもすごく要領も手際もよくてかっこいいのに、メアリさんが絡むとダメなんだなーって」
眉を寄せて憮然とした彼に、そんなところも可愛くて好きだよ、と告げれば彼はふいとそっぽを向いてしまった。
残念ながらウォルター情報がいまひとつ的外れであったので、今日はブラックウッド邸で昼食をいただくのを機に、さりげなくメアリへ探りを入れようと試みたのだが、敏腕メイドさんは今日も冴え渡る手腕を大回転させており料理に給仕にと忙しく、チャンスは訪れなかった。この上はふたりでどうにか推測し、彼女の喜ぶような品をぴたり選び出すほかあるまい。なかなかに高難度ではあるが、ウォルターはもちろん近頃は柚春もすっかり世話になりどおしな彼女を労うため、気合を入れてミッションへ臨むこととする。
星ヶ丘の午後、輝きに満ちる白い街並みが視界を流れてゆく。軽快なエンジン音が高級感ある革張りのシートを通じて背に響く。心地よい震動だ。なにより彼の隣をこうして独占していることに昂揚した。
「最近はインスタントカメラがリバイバルブームで若い子に大流行、なんて聞いたけど。メアリさんの求める写真って、きっとそういうものじゃないって思うし」
「うん」
「大がかりな調理器具は無理だし、第一メアリさんの必要なモノが分からないから。こじんまりとしたキッチングッズを贈ってもね……それに、あんまり高いものはメアリさんも恐縮しちゃうと思う」
「うんうん」
「だから、僕なりに考えたんだけど」
これはなかなかの思いつきであると、そんな予感があった。メアリに似合い、メアリに喜んでもらえそうな、そんなプレゼントだ。
怪訝そうなウォルターに、柚春は朗らかに相好を崩して言った。
「ペン、はどうかな?」
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
プライベートシナリオSSS(600)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
NPC交流
オールジャンル
定員
1人
参加キャラクター数
1人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年09月15日
参加申し込みの期限
2023年09月22日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年09月22日 11時00分
参加キャラクター一覧
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