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どうしたの、と紗月はたずねた。
食事中、さじをもったまま、ぼんやりと理緒が天井を見上げていたからだ。
「イブの思い出にひたってたの」えへへと照れ笑いして理緒は言う。「まだ夢見てるみたいな気分だよ」
うっとりとした口調だ。ナイトクルーズのことを思い出しているのだった。
なんとか年末モードにソフトランディングしたとはいえ、紗月と理緒の忙しさが頂点に達したのは先週だった。だからクリスマスイブに時間を作るためには、解けない知恵の輪を万力で外すような無理をしたものだった。
「私も」
ふわふわとした夢見心地をわかちあい、紗月の目線も理緒と同じになる。
豪華客船のナイトクルーズ、古い映画のように絢爛な夜だった。この先五年、いや十年と、思い出しては語り合う記憶になるだろう。
食事を終えて片付け、身支度を終えたふたりはそろってトレーニングウェア姿である。
もうすっかり理緒はプロの顔でありそれは紗月も同様だ。
「休みだからって、トレーニングは休めないからね」
一日たりともと理緒は言う。
つねに鑑賞眼にさらされる職業の宿命だ。紗月もとうに受け入れている。実際、病気のときをのぞけば真夏も真冬も、ふたりは早朝のトレーニングを欠かしたことがない。グラビアアイドルの肉体は地道かつ絶え間なき努力にささえられているのだ。
「じゃあ」
「スタートっ」
気分転換に音楽を流して、軽いストレッチから細胞の目覚めをうながしていく。あぐらの姿勢で座り、後ろで手を組んで胸をぐっと前に突き出す。十秒間その姿勢をたもちつつ、ゆっくりした呼吸を忘れない。これが胸のストレッチングだ。一度姿勢を解くがすぐに二セット目に入る。これを三セットくりかえすのだ。つづいてお腹を見るように背中を丸め、背中のストレッチングに移行する。過程は緻密かつ丁寧、肩に膝関節、腰、もも、ふくらはぎ、ぐっとのばすたび筋組織が熱を帯びていった。
「今日のランニングは短めにしない?」途中で理緒が提案した。「そのかわりストレッチを一時間たっぷりしたいな」
「いいよ。でもどうして?」
それはねと理緒は言う。
「変化をつけたいから。おんなじメニューばかりくり返しても飽きちゃうじゃない? たまにパターンを変えると気分転換にもなるし、長続きするもんだよ」
「なるほど。じゃあ今日は伸ばしまくろう」
「ゴム人間になっちゃうくらいね」
「宇宙の忍者?」
「え? それなにかわからない」
「ごめん忘れて」
ならんで伸ばすだけではない、ふたり一組のストレッチにも挑戦した。徹底的にストレッチ、けれども無理はしないのだ。伸ばすのはちょうど気持ちいいあたりまで、痛くなる地点の直前で止めるよう心がけた。イメージとしては白くかたくなっていた筋組織を、あたたかいピンクにほぐすイメージだ。やっているうちに笑顔になってくる。
かくてストレッチ祭りをへて暖まった体で外に出て、宣言通りショートカットしたコースを走り終えた。
戻るとすぐにお風呂だ。外に出る前にセットしたので湯船の準備はできている。汗を流し指先までホカホカになった。もちろん洗顔と入念なスキンケアも忘れない。
「ふい~」
毎朝のこととはいえ、しっかりワークアウトすると心地よい疲労感がある。薄着で理緒はリビングのチェアに腰を下ろした。
「お疲れ」
理緒の背もたれに手を置いて、湯気をまといつつ紗月は立ったまま休憩だ。
理緒は上半身をひねるようにして紗月を見上げる。
あれから――。
理緒は思った。
もう二ヶ月近く経ったんだよね。
人生は、信じられないくらいのスピードで転がっていく。
ハロウィンの件、すなわち多くの観客の前で理緒と紗月が交際宣言して以来、ふたりは正式に同居をはじめたのだ。
いつかはこういう日が来ると思ってたけど、想定よりも早いかな。
でも、いまこうして愛する人と同じ屋根の下で暮らしてる。
同じ大学に通って、同じ仕事をしている。
高校一年の春、初めて出逢ったときには想像すらできなかった。
「どうしたの理緒ちゃん?」
理緒が黙っているので紗月は小首をかしげた。
「どうしたのって……紗月の顔を見つめてるだけなんだけど」
微笑をふくみつつごく当たり前のように理緒は言うわけだが、紗月にとっては当たり前ではない。
「恥ずかしいからやめてよ」
体が火照る。照れくさくて顔を覆いたいほどだ。
「だって、紗月と一つ屋根の下で暮らすなんて思わなくてさ。こうして紗月の顔を見つめてないと、今でもこれって本当のことかわかんなくなる」
この瞬間アラーム音が鳴り響き、独り暮らしのベッドで飛び起たとしても理緒は驚かないだろう。やっぱりねとつぶやいてシーツをかぶり、悪い意味で納得すらしたかもしれない。
「もう……」はにかむようにして紗月は応じる。「でも理緒ちゃんの言いたいことわかるよ。私だってこうして理緒ちゃんのことをずーっと見つめていたい。そうして……」
「そうして?」
「私たちがこうして二人でいることを確かめあうの」
不意打ちのような、キス。
紗月から。
理緒への。
重なった唇の熱っぽさに、そしてやわらかさに、圧倒されたように理緒は目を見張る。
まさか、紗月から……!?
ハロウィンのことにとどまらず、ときどき紗月は清水の舞台から飛び降りるような行動で理緒を驚かせてきた。だが今朝のこの行動は、まさに予想外中の予想外だ。
理緒の頭は混乱し錯迷におちいって停止を余儀なくされる。フリーズしたのは脳にとどまらない。当然の帰結のように四肢もかたまってしまった。文字通りの金縛りだ。それも、幸せな金縛りだ。
しかし理緒は石像と化したわけではなかった。その証拠に、せりあがった血潮は顔へとひろがり、理緒の頬を赤くしたのだ。柄にもなく、と我ながら思うが止めようとして止められるものでもない。鼓動もドキドキと歩調をはやめている。いや『歩調』なんてものではないだろう。駆け足だ。全力ダッシュだ。
紗月と何度もキスをしたけど、こんなにドキドキしたの初めてで……?
もちろん胸のドキドキは、理緒にだけ訪れたものではなかった。
紗月もまた、めまいを感じそうなほど心音を高めていた。
自分でもこんな大胆なこと……恥ずかしい。
でも、私がこんなことできるのは、理緒ちゃんだからだよ。
理緒ちゃんじゃなかったら、きっとこんなことできない。
けれど紗月は想いを口にしない。かわりに、秘密をわかちあっているかのように、くすっと笑みを浮かべただけだ。
視線と視線が絡み合う。
どうしたらいい?
どうすればいい?
どちらも言い出せない。無為な言葉など、この場にはそぐわない。
ようやく理緒が口にしたのは、ある種ごまかしのような言葉だった。
「そ、それはそうと、今日は九夜山へハイキングへ行く日だったよね?」
うんと紗月はうなずいて、魔法のようなひとときの余韻にひたる。
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桂木京介
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グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
5人
参加キャラクター数
5人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年09月03日
参加申し込みの期限
2023年09月10日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年09月10日 11時00分
参加キャラクター一覧
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