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雪待ち、恋傘横丁
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着物はいつかのドライブデートに着た、鮮やかな天色に組紐柄を選んだ。
綾辻 綾花
は甘酸っぱく程よくスパイスのきいた思い出を胸に、姿見の前へ立つ。
(珪先生に、少しは……大人に見てもらえるかな?)
出会った頃から数年が経ち、綾花も成長した。したはずだ、身も心も。それでもまだ子どもっぽいところもあるし自覚してもいるから、時おりこうして背伸びをしたくなる。
といって、焦っているわけでもない。卒業までは教師と生徒、その後は……彼はきっと、待っていてくれることだろう。確信めいた予感が、綾花を安堵させた。
綾花の胸の内、ちらと揺れる一握の不安を読み取ってか、熟達の着付けスタッフは「とってもお似合いですよ」と念を押してくれた。きっと着物に袖を通すにあたり、同じような顔を浮かべる客も多いのだろう。
「ありがとうございます」
深く一礼して感謝を伝えると、控室から呉服店『きじとら』の店頭へ出た。
早川 珪
は既に支度を済ませて綾花を待っていた。
「お待たせしました。珪先生」
「ああ……いいね。とても。綾辻さんはやっぱり、青が似合うな」
はにかみ屋なところのある彼だが、近頃はあまりそうした言葉を隠さなくなった。世辞ではなく本心だろう。それが嬉しく、同時に少しむずがゆい。
珪は落ち着いた赤の無地に、厚手の茶の羽織を着ていた。現代的なアウターを意識したものだそうで、垢抜けた彼に良く似合う。手には麻の葉柄の信玄袋を提げていた。普段からホストめいた装いが目を惹く彼の、目の覚めるような和服姿だった。
「珪先生も、とってもお似合いです。思わず見とれちゃいました」
「ははは、そうかい? ありがとう。僕も結構気に入ってるよ」
互いにお披露目を済ますと、今度は和傘を選ぶ。雪待ち、恋傘横丁。着物に傘は欠かせない。
「恋傘、横丁……」
「さすがにどの傘も綺麗だね。和傘に触れるのは初めてだよ。さてどれにしようか、綾辻さ……」
「あの」
控え目に、それでいて少し食い気味に綾花は言った。
「傘は、その。一本でいいんじゃないですか?」
和服の二人。傘は一つ。珪が手に支えたが、綾花もそこに手のひらを重ねた。人通りも多く誰が見ているかと気になりつつ、彼も拒むことはなかった。
紫の蛇の目模様。和紙をすかして見える日の光は木漏れ日のようだ。手漉き和紙のあたたかみに胡粉の白化粧による明暗が目にも楽しく、綾花の心は弾んだ。
綾花の希望で、まずは書店へ向かうことにした。イベントにあたって限定のブックカバーを販売中とのことで、本読みには見逃せない。
先に珪の行き先をと尋ねたが、「特にはないかな。綾辻さんの行きたいところに行こうよ」とのことだ。彼の今日の楽しみは物質的でなく、隣を歩む誰かにある……のかもしれない。
ニャレッジヴァンガードは混み合っていた。誰かの目に付いたらと思うが、返って目立ちにくいかとも思う。
「あ、ありました。これです」
「本当だ、お洒落だね」
お目当ては和柄に和傘のワンポイントが入ったブックカバー。恋傘横丁のイベント限定品だ。色とりどり、柄もさまざまで定番の花柄に松竹梅、桐と鳳凰の吉祥紋、蜻蛉や蝶柄、いかにもおめでたい唐獅子模様などもある。
「目移りしてしまうね。どれを選ぶんだい?」
「えっと……」
悩むそぶりを見せながら、実を言えばほとんど決まっていた。ちらと彼の着こなす着物へ目をやる。
手に取ったのは蘇芳色の無地、紫の蛇の目傘がワンポイントに入ったものだった。彼の着物によく似た深い赤は帆布生地で、丈夫ながら手触りもよい。赤い木玉を結った栞紐も楽しい。
「これにします。珪先生の色、って感じです」
「僕の? そうかな?」
「はい。珪先生には、赤が似合いますから」
照れくさそうに鼻の頭をかいた彼がなんだか、可愛らしかった。
ブックカバーを購入しほくほく気分で歩いていたら、『カメラのニシムラ』の看板が目についた。イベントに合わせ、記念写真がオプションつきでも格安で撮影できるらしい。
「珪先生。あの」
「うん。そうだね」
このところは何をするでも、一から十まで口に出すことが少なくなった。語らずとも伝わることが多いから。
入店するとさっそく撮影スペースへ通され、据えられたカメラの前に二人立つ。
隣を見上げれば、彼はいささか緊張したような面持ちだが、横顔はやはり端正で隙なく整っている。綾花の胸は知らず高鳴った。カメラに鼓動が映り込んでしまいそうな程に。
彼は……どうだろう。その緊張は、撮影を前にして誰もが抱く普遍的なこわばりだろうか。それとも、自分に寄り添う少女へ、想いを秘めるがためだろうか。後者であればいい。綾花は畳んで胸に抱き込んだ和傘へ、願いをかけずにいられない。雪待ち。いつか雪は降る。その時、恋傘は開くだろうか。
写真の映りは幸い、目をつむるでもなく変顔にもならず良い出来だった。カラーとセピア風加工をそれぞれにフォトフレームへ入れてもらうことにした。
歩むうち、寝子島神社の鳥居をくぐっていた。物のついでに参拝していくことにする。どうやら同じことを考える者も多いらしく、境内には和装の人々が目についた。
手を合わせ、二礼二拍手一礼。
「お正月も……珪先生」
「うん。それもいいね」
不思議なことに、言葉足らずが心地よい。
年が開ければまた二人、和装を纏い参拝するのもいい。綾花は顔をほころばせ、彼を見つめた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
網 透介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
NPC交流
定員
10人
参加キャラクター数
7人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年08月12日
参加申し込みの期限
2023年08月19日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年08月19日 11時00分
参加キャラクター一覧
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