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のんびりアルク
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【思い出のシャボンたゆたう世界】
「アルくんにね。紹介したい人がいるんだ」
白黒アルクと異世界の旅を繰り広げたひとり、
恵御納 夏朝
。時おり街中にて特徴的な毛並みを見つけては、おやつをあげたり、ちょっとした愚痴を聞いてもらったり。いっしょにお昼寝したり。今でも仲よし、お友だちです。
今日もまた彼のひくひく動く鼻先をつんつんしながら、語りかけます。
「アルくんとの冒険も、楽しかったけど……あのあとも、いろいろあってね」
なおん?
「その人はね。もともと、僕の中にいた。ひとりだったんだ。でも今では、僕の大切なお姉さんみたいな人で」
なあ~ん? 首を傾けたアルクは夏朝の瞳を覗き込み、
「そのうち、アルくんにも紹介したいなって。きっと、仲良くなれる……って、あれ?」
ぱちぱち、ぱちり。
猫は気まぐれ。ヒトの話を聞いているやらいないやら、空気を読まずにふたたび異世界へと夏朝をぶっとばしてくれたりするのでした。
「ちょ、ちょっと待って! どうせ行くなら、呼びたい人が……あああああ」
ぱちり、ぱちぱち。ぱっちん! 茜色に視界は染まって。
夏朝は落ち着いて、深呼吸。目を開け、あたりを見回します。
「ここは……初めてくるところ、だね」
ふにい~。アルクをよいしょっと抱き上げて、足元を確かめます。土でもなく、草地でもなく、コンクリートでもなく、ふわふわのマシュマロみたいなやわらかな地面。
空は淡いピンク色。ふわふわ、ふわり……浮かぶ無数の透明な球体が、穏やかな陽光を照り返してきらきらと輝いています。
「なんだろう、これ?」
つん、と宙を漂う球のひとつをつついてみますと、思いのほか固い感触。見た目は茜色がかったシャボン玉のようですけれど、割れることもなく落っこちることもなく、自然の産物なのか人工物なのか、よくわかりません。
と。
「あ……なにか、映った?」
球の中に、古びたテレビのようにぼやけた映像が浮かび上がります。
映り込んでいるのは、見知らぬ人々。親子でしょうか、仲睦まじく笑い合い、じゃれ合う様は見ていてほっこり、夏朝の胸もあたたかくなりました。
別の球を突いてみます。今度は、恋人同士? 夫婦でしょうか、手をつなぎ合って砂浜を歩むふたりの映像に、思わず目を細めます。
つん、とふれるたび、映像は再生されました。漂う球の数だけ、誰かの思い出が封じ込められているのでしょう。
ふと夏朝の脳裏に、いくつかの発想がよぎります。
「これ……もしかして……」
この世界における、写真やアルバムのようなものでしょうか?
あるいは……死者の記憶を忘れずこの地に刻むための、お墓?
夏朝には、分かりません。尋ねるべき誰かも見当たりません。想像は想像のままです。
けれどある種の不穏な発想は、夏朝自身の記憶をも呼び起こしました。
「……聞いてくれる? アルくん」
前足の毛づくろいに忙しい白黒猫に、返事は求めません。ただ、語りかけました。
「大切なひとが、増えたよ。双子のお姉さん。それに僕の猫パペットも付喪神になって、人間の姿になれたんだ。嬉しかったなぁ」
語るなり、ぽこん。地面から染み出すように、新しい球が生まれ、宙へと浮かび上がります。そこへ映り込む映像の中には夏朝と、夏朝の家族たちが和気あいあいと笑みを浮かべています。
きゅうっと白黒猫を抱きしめて。
「良い思い出も……そうでない思い出も……いろいろ、あったんだ。あったんだよ」
ぽこん。銀色に日の光を照り返す球の中、白と黒、モノトーンの髪をした少女の顔が浮かびます。
黒白 滴
。後悔が今もなお、夏朝の胸を締め付けています。
「ねぇ、アルくん。助けられなかったあの子を、助けられる世界……なんて、ないよね。そんな都合のいい世界なんて……」
闇に溶けゆく彼女の顔を、忘れられずにいます。そういえばあの髪の毛は、アルクによく似ていたかも。会わせられたら良かったな。助けられたら良かったな……後悔は残響のように、夏朝の中へと響き続けています。
もし、やり直すことができるのなら。そう願わずにいられません。
「なんでも願いが叶う世界があるのなら。そこへ連れて行ってよ、アルくん……」
頼りの彼は、ぺろりと夏朝の鼻先を舐め、ふみい。気のない声を上げたのみ。
「……なんて、ね」
ふたたび、ぱちり。茜色の光が弾けると、見慣れた寝子島の風景が目に飛び込んできました。
「戻った、ね」
にゃあんと鳴いて、白黒猫。すぐそばにみっちりと集まっている猫だまりへ歩いていくと、むぎゅっと身体を押し込みました。
夏朝を誘うようにもいちど、にゃあん。
「うん……じゃあ、少しだけ」
例えば白浜に寄せては返す波のように、思い出はいくつも生まれては、流れゆくもの。砂の上に残した文字も、やがて薄れて消えてゆくもの。
けれど大切な思い出もあるでしょう。忘れたくない思い出だってあるでしょう。
「そう、だね。アルくんとの思い出は……忘れたくないもんね」
猫たちに囲まれて、むぎゅむぎゅもふもふ。きっとこれも新しい思い出として、残り続けることでしょう。
ほんのりと、少しだけ、夏朝は笑うことができました。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
冒険
SF・ファンタジー
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年06月11日
参加申し込みの期限
2023年06月18日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年06月18日 11時00分
参加キャラクター一覧
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