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雪舞う季節のおくりもの
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面倒見のよいあおいはいつだって弟妹たちを慮る。その優しさを修は良く知っているし、他ならぬ彼女の弟と交わした言葉の端々からもそれは如実に伝わった。
先日の約束
を果たすのだ。あおいと弟妹たちにもしばしの別れはやってくる。その前に絆を深める手伝いができるのなら、修はいくらでも手を差し伸べるつもりだ。
「おはよー! 今日はよろしくね」
「おはよう、あおい。ああ、頑張ろう」
というわけで、ローストビーフを作るのだ。手をかけ心を込め、愛情たっぷりにこしらえるのだ。
張り切るあおいは、出迎えた修へ微笑みを隠さず、うきうきとして買い物袋を差し出した。
「これ、買ってきたよ。修君のアドバイスを思い出しながら。どうかなあ」
「後で確認してみよう。まずは俺の部屋へ行こうか」
星ヶ丘寮の部屋は部屋といっても、それぞれに独立した一軒の邸宅のようなものだ。寮の敷地全体で見れば一つの街並みと変わらない。あおいは何度も訪れているがそのたび、物珍しげにあちこち眺めてはほうとため息などついている。
白い石畳を歩むと鳴る軽やかな靴音、潮風があおいの横顔をなぞり、見慣れたツインテールをなびかせる。一体いつからだっただろう。始まりを忘れるほどにこうして眺め続けているが、飽きる気配は一向になかった。
「うん? なあに、修君?」
「いや……この時期に雪が降るなんて、珍しいなと思って」
「そうだね、ちょっと早いかも。でも、綺麗だね」
噴水広場の脇を通り、小道の緩やかな階段を上り、修の部屋へ入る。さっそく犬や猫たちがわんさとやってきて、あおいを取り囲んだ。みな、すっかり懐いていた。
ペットたちはキッチンへの出入り禁止だから、名残惜しそうなあおいに苦笑いしつつ、おやつをやって締め出した。代わりにあとで、うんと構ってやることにする。
「さて、さっそく取り掛かろうか」
「はーい。よろしくね、先生」
揃いのエプロンを身に着け、キッチンに立つ。
食材を確認する。あおいの目利きはなかなかのものだ。にんにく。カリフラワー。じゃがいも。スプラウト。主役の牛モモかたまり肉。やや粗目のキメ、赤身の多い内モモ肉でローストビーフには最適だ。
「先生か……上手くできればいいんだが」
「修君も初めて作るんだっけ?」
「ああ、まあ」
まずは牛肉にタコ糸を巻いていく。肉の形を整え、均一に火が通りやすくする。精肉店で売られているような牛肉は大抵整えられているから、糸はなくとも型崩れしてしまうことはあまりないが、あおいは初めてということで大事を取ることにした。
糸を巻いたらしばし室温で置き、その間に付け合わせの調理にかかる。今回はカリフラワー入りのマッシュポテトとした。
「じゃがいもの皮を剥いて、3cmくらいにカットしたら水にさらして、水気を切る。カリフラワーも同じくらいの大きさかな。そっちを頼むよ」
「オッケー! 練習の成果を見せる時っ」
「はは。気合を入れ過ぎて、力まないようにな」
切り分けた野菜と、適量の白ワイン、水を鍋へと投入する。中火でしばし茹でた後にザルへあけ、野菜を鍋に戻し、バターと野菜のゆで汁を加えて崩しながら混ぜ合わせる。
「バターが溶けきったら牛乳を加えて、また火にかける。少量の塩も入れよう」
「うん、やってみる」
「いい感じに煮詰めたら、仕上げに粗びきこしょうだ」
あおいが鍋をかき混ぜている間に、修はローストビーフ用の漬けダレを作る。レシピは書き留めてあるから、後であおいも作れるだろう。
心が弾んでいることに、今さらながら気づく。何であれ、あおいと経験を共有するたびに修の胸は鼓動を打った。彼女のまだ少し不器用な指先や汗の浮いた額、ちょっとの失敗に苦笑いしつつもめげずに取り戻そうとする姿勢、いずれもがドーパミンの噴出を修にもたらす。まあ修にはどちらかといえば生物学的見地より、心理学者の口にするような文言のほうがロマンティックで好みだが。
あおいと時を共にすることの、何て心地よい。何て軽やかな。
「よし、そろそろ肉に戻ろうか」
「うん。ふふ、完成が楽しみだねえ」
牛肉へ塩をすり込んで、数分程度置く。全体にまぶしたら、鍋でオリーブオイルを熱し、肉が固くならないうちにフライパンで軽く焼き目を付ける。
「こ、こうかな?」
「ああ、上手いよ」
表面に焼目がついたらオーブンシートの上に移し、タコ糸と肉の間に、スライスしたにんにくを挟み込む。
「あとは漬けダレをからめて、アルミホイルに包んでしばらく寝かせよう」
「それで完成? 結構あれこれ手順があるんだね」
「まあね。でもレシピはまとめておいたから、あおいだけでも作れるはずだよ」
ふと、あおいは歯を見せて悪戯っぽく笑った。
「修君、手際よすぎ! 初めてなんて言ってたけど、ほんとはバッチリ、練習してたでしょ?」
ぐ、と修は詰まる。するどい。実際、そのとおりだ。今日の予定を立ててから何度も練習し、流れを頭に叩き込んできた。
「……バレたか」
「ふふ。でもそれって、私に教えてくれるためでしょ?」
無駄ではなかったらしい。彼女はしっかりと意図を汲んでくれた。
与えられるばかりではいられない。自らが与える者になるべきだ。彼女の願いをかなえるため、どんな努力も惜しむつもりはなかった。そのために身に着けるべきは身に着け、自身の力と言葉で伝えたい。
「ありがとう、修君」
「どういたしまして」
こちらこそ、ありがとう。修は胸の内、付け加えた。彼女の寄せてくれる笑顔と信頼こそが、何よりの報酬だ。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
網 透介
シナリオタイプ(らっポ)
プライベートシナリオSSS(600)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
NPC交流
定員
1人
参加キャラクター数
1人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年06月07日
参加申し込みの期限
2023年06月14日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年06月14日 11時00分
参加キャラクター一覧
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