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雪舞う季節のおくりもの
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空になった皿をテーブルに放り出したまま、しばし呆けた。カクテルドリンクに酔ったかもしれない。こんな時、アルコールは入っておらずとも空気に酔ったりするものだ。
朝からの雪が、サンルームのガラス天井へはらりと落ちる。といって積もるほどではなく、綿雪は降るなりほどけて消えていった。
二人の時は有限だ。だからこそ今この時は、永遠だ。
「……綺麗だねえ。雪」
「ああ……綺麗だ」
あおいは空を見ていた。修はあおいの横顔を眺めていた。
小雪のカーテンの向こう、月が二人を白く照らしている。ドリンクを含む。甘く舌の上にとろけた。
弛緩して足を投げ出し、あおいはぽつり漏らした。
「……もう少し、だねえ」
みなまで言わずとも伝わった。もう少し。あと少しだ。修は大一番に挑み、あおいは南へ旅立つ。タイムリミットは近い。
だからこそ、今この時だけは。
「私は修君のおかげで、自信ついたかも? 何とかやっていけそうかも! 修君はどう?」
「ああ。準備は万全だよ。きっと何とかなる……何とかしてみせる。大丈夫だよ」
「あはは、そっか。そうだね、修君なら心配ないよね」
そう言って笑い、再び空を仰ぐ。
実際、修に憂うものはない。最大限の努力をしながらそれが苦にならないのが彼なのだし、それ故の自信もその裏打ちもあった。全力を尽くしている自負があるし、その上で仮に夢破れたのなら、納得もできるだろう。
とはいえ物事に完全はなく、受験の当日に何かトラブルが降りかからないとも限らない。彼の及ばぬところで失敗を余儀なくされることだってあるかもしれない。そういう意味での不確定要素が無いわけではなかった。
表情に出ていただろうか。ちらと頭の片隅でそんな不安を思い浮かべていたら、あおいが言った。
「でもさあ。いくら修君が努力家で、もう完璧! ってところまで頑張れちゃうんだとしても、100%ってことは無いよね?」
「ああ、うん。まあ、ね」
「それをばっちり100%にしちゃえる、魔法のアイテムがあるとしたら、どーする?」
「どーするって……そりゃあ、欲しいけど」
彼女はにんまりと笑んだが、耳がほんのり赤く染まっていた。妙なテンションは、彼女なりの照れ隠しだったのかもしれない。鞄から控え目に取り出したものを、あおいは修の手のひらに乗せた。
やわらかく優しい感触は、お守りだった。
「これは……もしかして、あおいが?」
「うん。あはは、ちょーっと出来は良くないけどね!」
フェルトの滑らかな手触り。目に鮮やかな赤地に、二重叶結びの白い紐が結ってある。桜の花びらが散る中、微笑んでいるのは猫の顔だろうか。真ん中には、「絶対合格!」という文字が刺繍されていた。
お世辞にも器用な出来ばえとは言いがたい。猫の顔は歪んでいるし、フェルトの生地も少々曲がっている。しかし手作り故のあたたかみがあり、既製品を手渡されたのではきっと得られなかっただろう、不思議な感激が修を包み込んだ。
「あ……ありがとう、あおい! こんなのを用意してくれるなんて……勇気が湧いてくるよ」
「本当? 良かった! いつもお世話になってるから、このくらいは、ね」
はにかむあおいの心が、修の胸に染み入った。
すっかり遅くなってしまった。星ヶ丘寮から桜花寮まで、あおいを送り届けることにする。
「もう、いいのに。心配性だなぁ」
「そういうわけにはいかないよ。それに」
もう少し、一緒にいたかったから。
「それに?」
「……少し、歩きたい気分だったんだ」
雪舞う季節を二人、歩む。
別れは訪れる。しかし再び、季節は巡る。何度でも、何度でも。取り戻せないものなどありはしないのだ。
「ちょっと寒くなってきたね」
「うん。冬だから」
薄雲の切れ間に煌々と輝く月を見上げていたら、ほんの刹那、あたかかく手が触れた。彼女の肩がぴくりと跳ねる。
何度か触れ、擦れるうち、修は焦れたように彼女の手を捕まえた。拒むそぶりもなく、言葉もなく。彼女はただ月明かりと降り落ちる雪花を頭に乗せて、照れくさそうに笑っていた。
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あとがき
担当マスター:
網 透介
ファンレターはマスターページから!
網です。
ローストビーフ作ったり、映画や足湯も楽しんだり、盛りだくさんの休日となりました。
八神さんとあおいは進路も異なり、いずれ別の道を歩むことになるのでしょうが、もちろんそれが永遠の別れとなるとは限りません。
きっとまた道は交差し、重なることもあるのでしょう。
その道標となるかもしれないアイテムを、今回はプレゼントさせていただきます。
記念の品となりましたら幸いです。
アイテムはリアクションの公開後、なるべく時間をおかずお届けする予定です。
まだでしたら、すこーしお待ちいただけますようお願いいたします。
あらためまして、今回はプライベートシナリオの申請、まことにありがとうございました。
担当させていただいて、光栄に思います。
それでは、また次回に。
網でした。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
網 透介
シナリオタイプ(らっポ)
プライベートシナリオSSS(600)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
NPC交流
定員
1人
参加キャラクター数
1人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年06月07日
参加申し込みの期限
2023年06月14日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年06月14日 11時00分
参加キャラクター一覧
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