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- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
- AAA000000
LIQUID -Star Chronicle- 月の民編
【サイドクエスト『未知なる探求』】
＜月の水＞が失われているという。マシロ（プレイヤー：白 真白）は、ハルコンの言葉を脳裏へ反芻していた。
クエストの導き手たる彼は言った。リキッド大陸の各所に点在する古代遺跡やそれに連なる風景の中から、月の水が涸れ失せているのだと。もっともそれが何を意味するのか、彼自身にもまだ答えを見い出せてはいないようだったが。
「メインクエストでも、そんな言葉が出てくるらしいよね」
今のところサイドクエストに傾注しているマシロは実際に目にしていないものの、それはそれは美しいものらしいと聞く。碧緑に色づき輝く、謎めき楚とした水面や流れ。いつか見ることもあるだろうか。
「……よし！ 今回は玉楼方面のマップを埋めてみようっと」
メインストーリーは後回し。大陸の地図をくまなく埋めることが当面のマシロの目的だが、先は長い。とはいえ自由なＶＲの世界、寄り道するも自由だし、興味を惹かれたところへ気まぐれに足を延ばすも自由だ。
「探索するぞ～！」
玉楼には重要な古代遺跡がいくつか秘匿されているという。探索するのはそのうちのどれでもよい。重要なのは地図を描くこと、そしてその過程において心躍る冒険を楽しむことだ。
「さてさて」
こっそりと、マシロは忍び足。遺跡はこんもりと盛り上がった丘の下、いわば古墳のような場所に隠されているようだが、その正面には見張りらしき人影がいくつか見えた。甲冑を身に着けたサムライだ。
「正面からは難しそうだね。となると～」
裏へ回ることにする。進入路や解決策が必ずしも一つではないのが『LIQUID』の攻略しがいのあるところだ。
裏手の土壁に手を添えしばし探ってみると、石積みの壁を発見した。表面にはうっすらとながらかろうじて読み取れる、蛇のようにのたくった紋様がいくつも刻まれていた。
「これは……」
それらをまじまじと見つめ、しばしあれこれと試してみる。紋様に触れるとぼんやりと光を帯びた。いくつか押してみると光が点いたり消えたりして、どうやら触れる順番が重要であるらしい。いわば四桁のパスワード方式であろうとマシロは導き出した。
「つまり、こう、こう。こうだ！」
印の汚れ具合に差があることに気づくと、選択肢はぐっと絞られた。それなりに試行回数をかけたが、そのうち石壁に扉が現れ、マシロは遺跡の中へと足を踏み入れた。
今回のマシロは、新クラスのフォーチューンテラーだ。カードや水晶玉、ダイスなどを扱い、占いによって導かれる効果はランダム要素に左右されるが、見事当たりを引き当てたならその爆発力は目を見張るものがある。
星団の描かれたカードたち、＜アルカナアステリズム＞を操り、運命を導き出す。
「＜降り注ぐは星の裁き＞……炎の星団のカード！」
立ちはだかる鬼たちへ、無数の小さな炎がマイクロミサイルのごとく降り注ぐ。続けて引いたカードは、氷の柱を敵の群れの直下からいくつも突き立てた。連続で異なる属性を引き続けると強力な追撃が発動するという、ギャンブル要素もフォーチューンテラーの醍醐味か。
和の趣きが目立つ玉楼だけに、現れるモンスターも頭に角を生やした鬼、カラクリ人形に怨霊武者といったラインナップだ。マシロはそれらをカードで退け、先へと進む。
「あれ。もしかしてここって、本当ならメインクエストで来る場所？」
やけに大仰な作りの長大な通路へたどりつき、マシロはこくりと首を傾けた。ダンジョンのマップは埋まったが、いかにも意味ありげなポイントの中央に立つも、何も起こらない。どうやらストーリークエストを受注していなければ、イベントが発生しないようだ。残念に思うも、まあ興味が湧いたらあらためて訪れれば良いだろう。
ふと。天井付近の壁に掲げられた絵図が、マシロの目を捉えた。
「……これって」
石板に刻み込まれたそれは、どうやら古地図のようだった。リキッド大陸が描かれている……のみならず、その外にも海を隔てた陸地が記されていた。
「世界地図？ なのかな？」
しかしリキッド大陸らしき陸地の地形は、マシロが埋めているさなかのマップとはいささか異なるようだった。現在を記した地図ではないのだろうか。
そしてそれ以上に、マシロの興味を惹くものが描かれていた。
「この穴は……」
世界の中心に、巨大な穴が穿たれていた。リキッド大陸から南方、海の中心に、ぽっかりと。
まるで。まるで、そう、
「隕石でも落っこちたみたいな？」
その意味をここで見い出すには、情報が足りない。マシロは地図をスクリーンショットに収めて、名残惜しくも遺跡をあとにした。
遺跡を出て近隣のセンチャ村でひと休み。地図とスクリーンショットを眺めたところで、マシロは閃いた。
「そっか。この穴を確かめにいけ、ってことなのかな？ このクエストって」
サイドクエスト、その名も『未知なる探求』。リキッド大陸の地図を埋め、そこから何らかの真実を見つけ出すのだ。
リキッド大陸。世界地図。その中心を抉る巨大な穴。
マシロのマップはまだ半分も埋まっていないし、地図が示す真理へと至るには、まだまだ時間がかかることだろう。しかしだからこそ、マシロの胸には炎のようにやる気が灯った。
「よお～し！ 頑張って地図を埋めて、いつかここへ行こう。何があるのか、私の目で確かめよう！」
探求の旅は続く。
＜月の水＞が失われているという。マシロ（プレイヤー：白 真白）は、ハルコンの言葉を脳裏へ反芻していた。
クエストの導き手たる彼は言った。リキッド大陸の各所に点在する古代遺跡やそれに連なる風景の中から、月の水が涸れ失せているのだと。もっともそれが何を意味するのか、彼自身にもまだ答えを見い出せてはいないようだったが。
「メインクエストでも、そんな言葉が出てくるらしいよね」
今のところサイドクエストに傾注しているマシロは実際に目にしていないものの、それはそれは美しいものらしいと聞く。碧緑に色づき輝く、謎めき楚とした水面や流れ。いつか見ることもあるだろうか。
「……よし！ 今回は玉楼方面のマップを埋めてみようっと」
メインストーリーは後回し。大陸の地図をくまなく埋めることが当面のマシロの目的だが、先は長い。とはいえ自由なＶＲの世界、寄り道するも自由だし、興味を惹かれたところへ気まぐれに足を延ばすも自由だ。
「探索するぞ～！」
玉楼には重要な古代遺跡がいくつか秘匿されているという。探索するのはそのうちのどれでもよい。重要なのは地図を描くこと、そしてその過程において心躍る冒険を楽しむことだ。
「さてさて」
こっそりと、マシロは忍び足。遺跡はこんもりと盛り上がった丘の下、いわば古墳のような場所に隠されているようだが、その正面には見張りらしき人影がいくつか見えた。甲冑を身に着けたサムライだ。
「正面からは難しそうだね。となると～」
裏へ回ることにする。進入路や解決策が必ずしも一つではないのが『LIQUID』の攻略しがいのあるところだ。
裏手の土壁に手を添えしばし探ってみると、石積みの壁を発見した。表面にはうっすらとながらかろうじて読み取れる、蛇のようにのたくった紋様がいくつも刻まれていた。
「これは……」
それらをまじまじと見つめ、しばしあれこれと試してみる。紋様に触れるとぼんやりと光を帯びた。いくつか押してみると光が点いたり消えたりして、どうやら触れる順番が重要であるらしい。いわば四桁のパスワード方式であろうとマシロは導き出した。
「つまり、こう、こう。こうだ！」
印の汚れ具合に差があることに気づくと、選択肢はぐっと絞られた。それなりに試行回数をかけたが、そのうち石壁に扉が現れ、マシロは遺跡の中へと足を踏み入れた。
今回のマシロは、新クラスのフォーチューンテラーだ。カードや水晶玉、ダイスなどを扱い、占いによって導かれる効果はランダム要素に左右されるが、見事当たりを引き当てたならその爆発力は目を見張るものがある。
星団の描かれたカードたち、＜アルカナアステリズム＞を操り、運命を導き出す。
「＜降り注ぐは星の裁き＞……炎の星団のカード！」
立ちはだかる鬼たちへ、無数の小さな炎がマイクロミサイルのごとく降り注ぐ。続けて引いたカードは、氷の柱を敵の群れの直下からいくつも突き立てた。連続で異なる属性を引き続けると強力な追撃が発動するという、ギャンブル要素もフォーチューンテラーの醍醐味か。
和の趣きが目立つ玉楼だけに、現れるモンスターも頭に角を生やした鬼、カラクリ人形に怨霊武者といったラインナップだ。マシロはそれらをカードで退け、先へと進む。
「あれ。もしかしてここって、本当ならメインクエストで来る場所？」
やけに大仰な作りの長大な通路へたどりつき、マシロはこくりと首を傾けた。ダンジョンのマップは埋まったが、いかにも意味ありげなポイントの中央に立つも、何も起こらない。どうやらストーリークエストを受注していなければ、イベントが発生しないようだ。残念に思うも、まあ興味が湧いたらあらためて訪れれば良いだろう。
ふと。天井付近の壁に掲げられた絵図が、マシロの目を捉えた。
「……これって」
石板に刻み込まれたそれは、どうやら古地図のようだった。リキッド大陸が描かれている……のみならず、その外にも海を隔てた陸地が記されていた。
「世界地図？ なのかな？」
しかしリキッド大陸らしき陸地の地形は、マシロが埋めているさなかのマップとはいささか異なるようだった。現在を記した地図ではないのだろうか。
そしてそれ以上に、マシロの興味を惹くものが描かれていた。
「この穴は……」
世界の中心に、巨大な穴が穿たれていた。リキッド大陸から南方、海の中心に、ぽっかりと。
まるで。まるで、そう、
「隕石でも落っこちたみたいな？」
その意味をここで見い出すには、情報が足りない。マシロは地図をスクリーンショットに収めて、名残惜しくも遺跡をあとにした。
遺跡を出て近隣のセンチャ村でひと休み。地図とスクリーンショットを眺めたところで、マシロは閃いた。
「そっか。この穴を確かめにいけ、ってことなのかな？ このクエストって」
サイドクエスト、その名も『未知なる探求』。リキッド大陸の地図を埋め、そこから何らかの真実を見つけ出すのだ。
リキッド大陸。世界地図。その中心を抉る巨大な穴。
マシロのマップはまだ半分も埋まっていないし、地図が示す真理へと至るには、まだまだ時間がかかることだろう。しかしだからこそ、マシロの胸には炎のようにやる気が灯った。
「よお～し！ 頑張って地図を埋めて、いつかここへ行こう。何があるのか、私の目で確かめよう！」
探求の旅は続く。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2023年05月30日
- 参加申し込みの期限
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- 2023年06月06日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2023年06月06日 11時00分
