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- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
- AAA000000
LIQUID -Star Chronicle- 月の民編
【サイドクエスト『ヒヨコのデゲイコでハッケヨイ』】
リキッド大陸での生活も板についてきたタビガラス（プレイヤー：旅鴉 月詠）である。ペットランを併設したキャンプサイトのようなハウジングエリアも好評かつ好調だし、付随してクラフトマスターとしてのレベルも上がってきた。資金も物資も潤沢、言うことなしだ。
「うむ。順調順調」
ところで『LIQUID』のようなＭＭＯＲＰＧにおいては、様々な局面にてバトルが発生し、それが避けられないこともある。タビガラスは製造を主とするクラフトマスターであり、野外に出るのは素材調達がメイン、強敵とのバトルを求めて武者修行の旅……などと血生臭い行程とは縁遠いのだが、気まぐれな魔女のこと。そんな気分になったりもするのである。
折しも、新クラスのフォーチューンテラーが実装されたところだ。彼女も占いを嗜む。もちろんスキルではないが、タロットを繰りカードを並べ、タビガラスはつぶやいた。
「本日の運勢は正義、節制、女帝か。良い日和になりそうだ」
つまり今日は、そんな気分であったらしい。
今回の目的は、ペットを強化することだ。
『LIQUID』におけるペットはシステムの仕様上、バトルにおいてエースとなるような強力な個体を育てることはできない。ビーストライダーのクラスであれば騎乗スキルを併用することで比類なき戦闘力を発揮することもあるが、タビガラスはクラフトマスターである。しかしながら、時に主をかばい、主を助けるサポート役としてのペットならば、ある程度有効な育成は可能だ。
「というわけで、＜スモーヒヨコ＞。今日の主役は君だ」
ビヨビヨ、と鳴いた。タビガラスのペット、その名もスモーヒヨコ。主の身の丈を越える巨大なヒヨコである。平時は多量の荷物の運搬に威力を発揮するほか、バトルにおいてはプレイヤーキャラクターよりいくらか劣るものの粘り強いタンクとして運用可能だ。それになにより可愛い。このでっぷりとした肥え具合がたまらない。とはタビガラスの言である。
クラフトスキルで作成したロボット＜ヒヨコロボマッチョ＞と並び立つと、文字どおりの壁となる。タビガラスの姿はすっぽりと隠れて見えなくなってしまう。そんな二体を連れて歩く姿は威圧的であり、同時に愛嬌もあり、街の人気者であったりもした。
「さてそれはさておき、お仕事の時間だ。頼むよ諸君」
「おう、任せろ！ ばっちり稼がせてやるぜ」
同行者はキャンプサイトとタビガラス露店の常連客、バレットチェイサーのアルターとそのパートナー、スペルブレイカーのエリン。
「タビガラスさんにはいつもお世話になってるからねー」
「うむ。存分に頼るとよいぞ、かっかっか」
それにウェポンマイスターのシロヘビ。
四名で挑むクエストは、これがまた少々エキセントリックな内容だ。
「ええと。『デカイヒヨコたちが一か所に集まって、スモーのケイコをしている。怖いから蹴散らしてほしい』、だっけ？」
「ヒヨコがスモーでケイコって。タビガラスさんのためにあるようなクエじゃない」
示し合わせたようにピッタリな符号が散りばめられたクエストには、アルターとエリンも顔を見あわせる。
シロヘビが刀を抜き、その切っ先で指し示した。
「ふむ、あやつらがそのスモーヒヨコのようじゃの」
大樹がそびえ並ぶ森の一画に、確かにいるわいるわ。巨大なでっぷりヒヨコがこれでもかと群れているではないか。
「すげー光景だな……」
「うーむ壮観。では諸君、行こうか……ああそうだ。私特製、この＜ウェルカムチャンコ＞を食しておくといい。ＨＰがアップするよ」
「そのセンスなんなの！？」
ともかく、戦闘開始である。
といって冒険者たちのスキルを存分に使い、ヒヨコたちを散らすのが目的ではない。今回は前述のとおり、タビガラスのペットたるスモーヒヨコの育成がメインなのだ。
「ではわしがヒヨコを引き付けるゆえ、タビガラスはペットに攻撃命令を。アルター殿とエリン殿は、さばききれんヒヨコを処理しておくれ」
「「おっけー！」」
仲間たちの協力で最適な状況を作り出し、効率的にペットを育成するのだ。
鈍重なスモーヒヨコが、敵スモーヒヨコとがっぷり四つに組み合う。ビヨビヨと鳴いた。程なくボスのセキトリヒヨコが出現するが、こちらはロボットのヒヨコロボマッチョが＜ポージング＞を繰り出し、注目を集めることで足止めしておく。その間タビガラスは、味方へ回復アイテムを投げておく……投げるものがいちいち＜スムージー＞に＜グラスパフェ＞だったりしてどうにも気が抜けるが、
「まあ気にするな」
「気になるわ！」
そうしてしばし育成に励んだ結果、タビガラスのスモーヒヨコはすくすくと成長。見事成長してセキトリヒヨコへと進化したのだった。
「楽しいスクリーンショットもたくさん撮れたし、満足満足。みな、感謝するよ」
「ま、気にするな、わしらの仲じゃ。それにしても暑苦しい絵面じゃったのう……」
後日、タビガラスのキャンプサイトに特設された写真展では、絡み合うスモーヒヨコＶＳスモーヒヨコの実にマッシヴかつマッスルなスクリーンショットが多数掲示され、マニアックな話題をさらったという。
リキッド大陸での生活も板についてきたタビガラス（プレイヤー：旅鴉 月詠）である。ペットランを併設したキャンプサイトのようなハウジングエリアも好評かつ好調だし、付随してクラフトマスターとしてのレベルも上がってきた。資金も物資も潤沢、言うことなしだ。
「うむ。順調順調」
ところで『LIQUID』のようなＭＭＯＲＰＧにおいては、様々な局面にてバトルが発生し、それが避けられないこともある。タビガラスは製造を主とするクラフトマスターであり、野外に出るのは素材調達がメイン、強敵とのバトルを求めて武者修行の旅……などと血生臭い行程とは縁遠いのだが、気まぐれな魔女のこと。そんな気分になったりもするのである。
折しも、新クラスのフォーチューンテラーが実装されたところだ。彼女も占いを嗜む。もちろんスキルではないが、タロットを繰りカードを並べ、タビガラスはつぶやいた。
「本日の運勢は正義、節制、女帝か。良い日和になりそうだ」
つまり今日は、そんな気分であったらしい。
今回の目的は、ペットを強化することだ。
『LIQUID』におけるペットはシステムの仕様上、バトルにおいてエースとなるような強力な個体を育てることはできない。ビーストライダーのクラスであれば騎乗スキルを併用することで比類なき戦闘力を発揮することもあるが、タビガラスはクラフトマスターである。しかしながら、時に主をかばい、主を助けるサポート役としてのペットならば、ある程度有効な育成は可能だ。
「というわけで、＜スモーヒヨコ＞。今日の主役は君だ」
ビヨビヨ、と鳴いた。タビガラスのペット、その名もスモーヒヨコ。主の身の丈を越える巨大なヒヨコである。平時は多量の荷物の運搬に威力を発揮するほか、バトルにおいてはプレイヤーキャラクターよりいくらか劣るものの粘り強いタンクとして運用可能だ。それになにより可愛い。このでっぷりとした肥え具合がたまらない。とはタビガラスの言である。
クラフトスキルで作成したロボット＜ヒヨコロボマッチョ＞と並び立つと、文字どおりの壁となる。タビガラスの姿はすっぽりと隠れて見えなくなってしまう。そんな二体を連れて歩く姿は威圧的であり、同時に愛嬌もあり、街の人気者であったりもした。
「さてそれはさておき、お仕事の時間だ。頼むよ諸君」
「おう、任せろ！ ばっちり稼がせてやるぜ」
同行者はキャンプサイトとタビガラス露店の常連客、バレットチェイサーのアルターとそのパートナー、スペルブレイカーのエリン。
「タビガラスさんにはいつもお世話になってるからねー」
「うむ。存分に頼るとよいぞ、かっかっか」
それにウェポンマイスターのシロヘビ。
四名で挑むクエストは、これがまた少々エキセントリックな内容だ。
「ええと。『デカイヒヨコたちが一か所に集まって、スモーのケイコをしている。怖いから蹴散らしてほしい』、だっけ？」
「ヒヨコがスモーでケイコって。タビガラスさんのためにあるようなクエじゃない」
示し合わせたようにピッタリな符号が散りばめられたクエストには、アルターとエリンも顔を見あわせる。
シロヘビが刀を抜き、その切っ先で指し示した。
「ふむ、あやつらがそのスモーヒヨコのようじゃの」
大樹がそびえ並ぶ森の一画に、確かにいるわいるわ。巨大なでっぷりヒヨコがこれでもかと群れているではないか。
「すげー光景だな……」
「うーむ壮観。では諸君、行こうか……ああそうだ。私特製、この＜ウェルカムチャンコ＞を食しておくといい。ＨＰがアップするよ」
「そのセンスなんなの！？」
ともかく、戦闘開始である。
といって冒険者たちのスキルを存分に使い、ヒヨコたちを散らすのが目的ではない。今回は前述のとおり、タビガラスのペットたるスモーヒヨコの育成がメインなのだ。
「ではわしがヒヨコを引き付けるゆえ、タビガラスはペットに攻撃命令を。アルター殿とエリン殿は、さばききれんヒヨコを処理しておくれ」
「「おっけー！」」
仲間たちの協力で最適な状況を作り出し、効率的にペットを育成するのだ。
鈍重なスモーヒヨコが、敵スモーヒヨコとがっぷり四つに組み合う。ビヨビヨと鳴いた。程なくボスのセキトリヒヨコが出現するが、こちらはロボットのヒヨコロボマッチョが＜ポージング＞を繰り出し、注目を集めることで足止めしておく。その間タビガラスは、味方へ回復アイテムを投げておく……投げるものがいちいち＜スムージー＞に＜グラスパフェ＞だったりしてどうにも気が抜けるが、
「まあ気にするな」
「気になるわ！」
そうしてしばし育成に励んだ結果、タビガラスのスモーヒヨコはすくすくと成長。見事成長してセキトリヒヨコへと進化したのだった。
「楽しいスクリーンショットもたくさん撮れたし、満足満足。みな、感謝するよ」
「ま、気にするな、わしらの仲じゃ。それにしても暑苦しい絵面じゃったのう……」
後日、タビガラスのキャンプサイトに特設された写真展では、絡み合うスモーヒヨコＶＳスモーヒヨコの実にマッシヴかつマッスルなスクリーンショットが多数掲示され、マニアックな話題をさらったという。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2023年05月30日
- 参加申し込みの期限
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- 2023年06月06日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2023年06月06日 11時00分
