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仲良くなりたい、その11
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星幽塔は、その階層ごとに異なる雰囲気を持つ。
だから塔の外である『ネコジマ』と行き来ができると言っても、階層を移動することとさして変わりない……と、思うほしびともいることだろう。
普段は星幽塔で日銭を稼ぎつつ冒険家業をやっている
ティオレ・ユリウェイス
にとっても、特別稼げるアテのない寝子島は、見慣れぬ物が多いだけで異世界というほどの驚きがあるわけではなかった。
足繁く通うお気に入りがあるわけでもなく、面白そうなことがあれば赴くこともある、そんな場所。
お祭り騒ぎが好きだったり、妙なことに巻き込まれやすいらしい寝子島は、気がつけばよく来ているような気もするが、今日は『気が向いた』から来たわけではなくて、人と会う約束をしている。それも、若い男とだ。
(何が起こるかわかったもんじゃないな)
その事実に、ティオレは呆れたように笑って……少しだけ、物寂しく瞳を伏せた。
待ち合わせ相手の
若杉 勇人
は、見目だけは青年ではあるけれど、ティオレにとってはつい最近生まれた赤子と大差ない。それくらい、ティオレは長く生きる羽目になってしまった。
呪いのせいとはいえ、大妖怪の類いでもなければ同年代や年上だなんて巡り会えないだろう。そして、それくらい似たもの同士でもなければ、長い時間を歩むことはできない。
――どうせ全てには、終わりが来る。
いつだって楽しいのは、惚れた腫れたと騒げる内だけだ。
付き合いが深くなればなるほど、不老不死という存在に恐れおののく者もいたし、ずっと一緒に居られるねと笑っていた者もいる。
けれど、今のティオレにはパートナーはいないということが、答えだった。
(……バカだな)
惚れればその心を捧げた分だけ大きな悲しみが襲い、惚れられれば傍に居るのを許した分だけ心に穴が開く。
不慮の事故、流行り病、それこそ老衰まで。どうしたってティオレは、置いて行かれる側になってしまう。
辛いばかりではなかったはずの恋なのに、最期はいつも一緒だ。色んな終わりを迎えて、やっぱりかと悟れば次第と期待もできなくなってくる。
付き合い方を改めようと努力だってした。別れがあるなら見守っているだけでいいと割り切ったことも、肉欲の関係だけを持ち深いところに触れられないようにしたこともある。
そうやって違うやり方も試したし、数え切れない恋もした。それなりに長寿な種族とも関わったけれど、寿命が長ければ上手くいくというものでもないらしい。
飽きたと言えばそうだし、嫌気がさしたとも言えるだろう。どちらにせよ、何百年も過ごしたティオレにとっての恋愛は『いつか読み終わってしまう本』と同じなのだ。
短編もあれば長編大作もある。読みかけて途中で断念した物や、いいなと思ったけれど手に取れなかった物。
もし、その本が――と、考え込むのを一旦止める。どうやら背後から、独特な香りをさせているにも関わらず忍び寄っているつもりの気配がひとつあるようだ。
小さく溜息を吐いたティオレは振り返らず、肩越しに手を伸ばして相手の目を覆うよう頭部を握りしめた。
「ぎゃあっ!? ま、待って、待ってください! 僕です、若杉ですっ!!」
手を離してやると、確かにそこにいるのは勇人だった。
小さな花束を抱え、痛そうにこめかみをさする様子は申し訳なくなってしまう。けれど、勇人はさして気にした様子も無くカトレアの花束を差し出した。
「改めまして、若杉勇人です。今日はよろしく!」
「……
ティオレ・ユリウェイス
だ。さっきはすまない」
「あはは、びっくりはしたけど納得かな。これだけ美人なら護身術もバッチリじゃないと大変だろうし」
どうやら、
以前
勇人に盗賊だなんだと話したことは、『その日の仮装の設定』ということになっているらしい。
確か彼が語っていた内容からも、こちらの世界で実在したのは数百年は昔の話で、今や物語の中の架空の職業……だった気がする。
とりあえず、納得してもらえたなら面倒がなくていいことだ。
「で? 今日はどこへ行くつもりなんだ」
見た所、寝子島は祭りをやっている様子も無い。こうして話すにしたって、いつまでも立ち往生しているわけにもいかないだろう。
「候補はいくつかあるんだけど、ユリウス、ええと、ユーリスさんは……」
「ユリウェイス」
「そう、ユリウィスさん! ……あれ?」
緊張しているのか、呼びづらいのか。勇人は何度か言い直してもティオレの名を上手く呼べないようだ。
こんなことで、まごまごしているのもまどろっこしい。
「……勇人の好きに呼べ」
「えっ、え!? じゃあティオレさん!」
上手く言えたことにはにかんで、勇人は照れくさそうに頭を掻く。元々相手をファーストネームで呼ぶことが多いティオレには、何をそんなに舞い上がっているのかわからなかった。
「いや~、馴れ馴れしいかなって思ったけど……意外と好感触じゃん?」
「何が?」
声に出したつもりのなかった独り言だったらしく、勇人は赤らめていた顔を青くして、ぶんぶんと首を横に振る。
「大丈夫、心配しないで! 勘違いはしてないから! ベタなデートスポットとか、早いなと思ってるし!」
「……そうか? まあベタだっていうなら、日が落ちてからの方がいいんだろうな」
さらりと言ってのけるティオレは、とても美人だ。キリッとしたクールビューティで、柔らかな笑みも意味深な眼差しも向けてこないあたり、意識されていないことは勇人にもわかっている。
自分だって、ずっと『彼女』がほしいと騒ぎ立て、出逢いを求めるばかりだった。ここで態度を改めねば、折角の機会を棒に振ることになってしまう。
こんな美人と付き合えたらいいなとは思っても、ティオレの人となりも知らないうちに交際を申し込むほど、即物的な愚か者ではない。
「今日は寝子島の観光名所か、少し足を伸ばして腰越海岸なんてどうかな。あそこは義経の逸話がたくさんあってさ……」
次から次へと、あれはこれはと提案する勇人の必死な様子が伝わってくる。
歴史にはマニアックだし、テンションは高いし、人が話についていっているかなんてお構いなし。面倒な奴に絡まれたとも思えなくない状況なのに、なぜかティオレは小さく笑っていた。
「ネコジマはそう詳しくないんだ、任せる」
「オッケー! なら次は、ティオレさんの良く知ってる所を案内してよ」
それはきっと、社交辞令のようなもの。
明確に次を約束したわけでも、ティオレのことを知りたいと言われたわけでもない。けれど、その曖昧な距離が丁度良い気がした。
互いに出逢いを求めるような場にいて、こうして『次』があったなら、その次もきっとあるのだろう。
でも、あの一夜だけでなくもう一度会いたいと、面倒よりも楽しいと思ってしまったのは?
(まさか……)
いくら『面白い男』だったからって、わざわざ寝子島まで来るくらい気に入っているのだろうか。
押し売りのような男たちには辟易していたくせに、その誰よりもヘンで空気の読まない男が、妙に気に掛かるだなんて。
「……次が、あったらね」
もう繰り返すまいと思っていたし、こんな気持ちなど忘れていた。
不敵に笑うほど大人の余裕はなくても、認めないと突っぱねるほどの幼子でもない。
だからティオレは、まだ気持ちを自覚できない少女のように、あどけない笑みを見せた。
その言葉を、勇人は『今日の結果による』と受け取ったようだ。
「じゃあこっち。俺さ、歴史以外にも好きなことがあって」
スポーツバーで野球観戦か、テーブルゲームのできる店で将棋はどうかと誘われ、酒は飲まないと一言断って野球観戦をすることにした。ルールはわからなくても、どうせ勇人は嬉々として解説するだろう。
カトレアの香りが舞う。
花なんて活けても幾日も持たないし、腹の足しにもなりはしない。
必ず枯れてしまう未来を持つ花は、必ず読み終わる本と似て、物寂しい気もする。
でも、受け取らなければ良かったと思うか、ドライフラワーにでもして残せば良かったと思うかは、だいぶと後になってわかることだ。
――気になる本を見付けた。
読み終えることができるのか、途中で読むのを止めてしまうのかもわからないこの本を、ティオレは手に取ってみるか迷っている。
ただの本か、価値あるお宝かはわからない。
だけどきっと……とても『面白い』はずだと、直感が告げていた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
浅野 悠希
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
NPC交流
定員
15人
参加キャラクター数
13人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年06月05日
参加申し込みの期限
2023年06月12日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年06月12日 11時00分
参加キャラクター一覧
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