this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
銀河は続くよどこまでも
<< もどる
1
2
3
4
5
…
10
つぎへ >>
◆
倉前 七瀬
「本だらけの星に到着です。停車時間は1時間。忘れものと乗り遅れにお気をつけくださいにゃ~」
カンテラをゆらゆらさせながら構内で声を張る駅員の前や後ろをすり抜けて、影のような乗客たちが改札口へと向かい、吸い込まれるように消えていく様子を、七瀬は
ウォルター・B
先生と一緒に車室の窓から眺めていました。
「さあ僕たちも降りようかぁ」
「はい」
列車を降りて、改札口へと向かいます。その間に乗客たちはみんな改札口を抜けてどこかへ散ってしまって、赤帽の駅員猫がいるだけでした。
赤帽の駅員猫は、七瀬の何かに目をとめて、帽子のつばに指をかけて会釈をします。見るとウォルター先生にも同じことをしていて、彼らの胸元にあるペンダントを確認しているのだとわかりました。
七瀬はたんぽぽと青い石、ウォルターはヒルガオと緑の石のペンダントです。
ヒルガオは七瀬の誕生花で、たんぽぽはウォルター先生の誕生花です。それと知る七瀬は、なぜこの組み合わせなのかわからずとまどいましたが、自分の誕生花をウォルター先生がつけてくれているのはうれしくて、なんだか面はゆい気持ちでした。
「何か面白いことでもあった?」
「えっ? どうして」
「笑ってるから」
「僕、にやけていたとですか?」
慌てて両手で口元を隠しました。
でもウォルター先生と一緒にいて、うれしい気持ちを消すなんて無理です。
恥ずかしそうに顔をそむけて気持ちを抑えようと四苦八苦している七瀬の姿に、ウォルター先生はくつりと笑い、「本当に本が好きなんだねぇ」と感心するように言いました。
「本……」
そういえばここは本だらけの星だった、と思い出しながら、ウォルター先生が開けてくれた、緑のモザイクガラスの煤けたドアをくぐります。すると、七瀬の目の前には、大量の本が収まった本棚がずらりと並んでいました。
左右を見ても、おおよそ壁らしきものは見えず、見える限りずっと奥まで本棚です。
「すごい」
「うん。これは気をつけて回らないと、帰り道もわからなくなりそうだねぇ」
本が詰まった本棚を見ているだけでむずむずして、片っ端から読んでみたい気になりましたが、停車時間が1時間ではそうもいきません。何か目的がないと、本棚を見て歩くだけで終わってしまうでしょう。
どうしたらいいか、混乱しかけた七瀬でしたが、本棚の側面に番号と、その下に額縁に入った簡単な見取り図がかけられていて、どの傾向の本がどの辺りにあるかがわかるようになっていると知ってからは、少し気分が楽になりました。
本棚を眺めていたウォルター先生にそのことを知らせて、七瀬は一つ提案をします。
「ウォルターさん、何か1冊選んで、お互いに贈り合いませんか?」
「ん?」
「この旅のお土産にもなるでしょう? 思い出の品っていうか……」
緊張してしどもどになりながらの七瀬の言葉に、ウォルター先生は「いいよぉ」と快諾してくれました。
40分後に集合を約束してウォルター先生と別れた七瀬は、専門書のコーナーへ向かいます。
ウォルター先生のことを考え、この旅のことを考えて、本棚を丹念に見て歩いたのち、やがてこれだと思う1冊を見つけて引き抜きました。
「きっとこれならウォルターさんも気に入ってくれるとです!」
早くウォルター先生に見せたくて、七瀬はできる限り早歩きで来た通路を戻ります。
ドアの前に人影があると思ったらそれはウォルター先生で、近づく七瀬に気付いたウォルター先生は、面を上げ、読んでいた本をぱたんと閉じました。
「見つかった?」
「はい。それですか?」
「これは僕が選んだ僕の本。きみにはこっち」
ウォルター先生が脇に挟んでいた本を取り、こつんと七瀬の額に当てます。
なんとそれは、七瀬が選んだ本と同じ『銀河鉄道の夜』という本でした。
七瀬が選んだ本との違いは、旧版(第三次稿)、新版(第四次稿)と入っていること、出版元や表紙絵が違っていることなどでした。
星座が描かれたファンタジックな夜空を走る列車の絵が描かれたそれを見て、七瀬の口元がほころびます。
ウォルター先生は「かぶっちゃったね。別のを探してこようか」と言いましたが、七瀬は首を振って「これがいいとです。ありがとうございます」と本を両腕で抱き込みました。
ごとごとと揺れる列車に腰掛け、壁にかかった電燈の放つまろやかな黄色い明かりを頼りに、向かい合わせで本を読んでいました。
『僕は、そのひとのさいわいのために、一体どうしたらいいのだろう』
銀河鉄道に乗って旅する主人公のその言葉を読んだ七瀬は、面を上げてウォルター先生を見ました。
ウォルター先生は膝に広げた本に読み入っていました。車窓に肘をつき、頬杖をついた姿に、七瀬は無言でまた本へ視線を戻し、文字をそっと指でなぞります。
(僕は、そのひとのさいわいのために、一体どうしたら……)
その言葉は長い間、七瀬の心にとどまり続けました。
<< もどる
1
2
3
4
5
…
10
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
銀河は続くよどこまでも
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
寺岡志乃
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
SF・ファンタジー
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年05月17日
参加申し込みの期限
2023年05月24日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年05月24日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!