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銀河は続くよどこまでも
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◆
落合 まゆら
まゆらは列車の食堂車で女給をしていました。
いつからこうしているのか、わかりません。気付いたらフリルレースの白いエプロンをつけて、銀トレイを手にテーブルの間を忙しく往復していたのです。
つくづくファミレスでバイトしていてよかったと、まゆらは思いました。もしその経験もなく突然こんな場所に放り込まれていたら、何をすればいいかわからずに棒立ちしてしまったに違いありません。
ここはファミレスではありませんが、お客さまがいて、注文があれば、することは同じです。
チーン、とベルが鳴って、注文票と鉛筆を手に、まゆらは3番テーブルへ急ぎます。
座っていたのは品の良い老婦人で、近づくまゆらを笑顔で待っていました。
「お客さま、ご注文はお決まりでしょうか?」
「銀河珈琲をちょうだい」
まゆらは「銀河珈琲ですね!」と元気よく復唱して、テーブルを離れます。
銀河珈琲はこの列車の一番人気のメニューのようで、食堂車にやってくるお客のほぼ全員が注文していました。
「お待たせしました。銀河珈琲です」
「ああ、ありがとう。私はこれに乗って、外を眺めながらこの珈琲を飲むのが大好きでねえ」
老婦人は目の前に置かれたカップから立ち上るパチパチと光が弾ける湯気を目を細めてうれしそうに嗅ぐと、窓の外に目を向けて一口飲みました。
窓の外を見たまゆらは、そこに広がる宇宙に、あらためてここは銀河を走る列車の中なのだと思います。
でも、あまりそのことについて考えている暇はありませんでした。
チーンとベルが鳴って、運ぶ料理ができたことを知らせてきます。
まゆらは大急ぎ調理室へ引き返しました。
料理を運び、注文を取り、それを調理場の人に伝えます。少しでも空き時間があれば、棚の飲み物を補充したり、それを自分でカップに入れてテーブルまで運んだりします。お客が席を立てば次のお客のためにテーブルを整え、調味料の確認、補充もします。とてものんびり窓の外を眺めている時間などありません。
それでも一番忙しい時間帯が終わって、少し余裕が出てきたかなと思ったときです。
調理師がまゆらを手招きしました。
「なんですか?」
「今のうちにこれを食っとけ。夜はもっと忙しくなるぞ」
ぶっきらぼうに日替わりランチセットのバスケットを差し出して、調理師は隅のテーブルを指しました。
まゆらはためらいがちにお礼を言って、席につきます。
それが人気メニューであることは運んだまゆらも知っていますが、見た目がちょっとアレというか、残念な作りをしています。きっと、地球人の好みに合わせたものではないのでしょう。
食欲をそそる品でないとはいえ、せっかくの親切を無碍にすることはできません。まゆらは覚悟を決めました。
「いただきます」
思い切って一口、口にしたまゆらは、目をぱちくりさせます。
「やだ、おいしい……。こんな見た目なのに、どうして?」
別の物をもう一口。
不思議でしたが、もう食べることにためらいはありませんでした。
ちょうど食べ終わるころ、列車はとある星に着きました。
その星は地球にとてもよく似ていたのですが、ただ一つ決定的に違っていて、何もかもが緑色をしています。濃かったり、薄かったり、青っぽかったり、赤っぽかったりと、いろんな色合いでしたが、基調は緑なのでした。
停車場は草原の中心にあって、見渡す限り、きらきら輝く穂先を波打たせるエメラルドの大海原です。
その光景にまゆらはもういてもたってもいられず、休憩と聞いて外へ飛び出しました。
「あー、すっごい癒やしだわ! アルファ波出まくり!」
うーん、と両手を上に伸ばして大きく伸びをします。そしてそのまま、後ろへばふんっと倒れ込みました。
葉擦れの音、どこかで鳴いている鳥の声がしています。青緑色の空は高く、どこまでも広がっていて……とてもゆっくりと流れていく雲だけが時間の流れを教えていました。
今、自分にはこういうのが必要だったのだと、まゆらは気付きました。来年の東京行きを決めてからずっと時間に追われる日々を気忙しく過ごしていたせいで、忘れかけていたものでした。
まゆらはそっと目を閉じて、うつらうつらします。
もうちょっとだけ。あと少し。すぐ、戻るから……。
そんなふうに考えていたつもりだったのですが。いつの間に眠っていたのか、まゆらは列車が発車を告げる鋭い汽笛の音で、ぱっと目を開きました。
「やばっ! 今の、出発の汽笛じゃない!?」
大急ぎで停車場へ戻ると、列車は白煙を吐き出しながらゆっくりと動き出したところでした。
「待って待って! 置いてかないで!」
加速がつく前に列車の後部車両に飛びついて、どうにか乗り込みます。
よかった、置いていかれずにすんだ、とほっとしていると、がらっと戸が開いてあの調理師が現れました。
「こんな所にいたのか。油を売っていないで、さっさと仕事に戻れ」
調理師の後ろから、がやがやとたくさんのお客の気配とベルの音がして、動き回る同僚たちがたてる、とても忙しそうな音が聞こえてきます。
まゆらは弁解をぐっと飲み込んで、調理師が放り投げてきたエプロンを受け取って食堂車へと戻っていったのでした。
『銀河は続くよどこまでも 了』
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あとがき
担当マスター:
寺岡志乃
ファンレターはマスターページから!
こんにちは、またははじめまして、寺岡といいます。
このたびは当シナリオにご参加いただきましてありがとうございました。
公開が遅くなって申し訳ありません。
ガイド公開当初、わたしのイメージは999だったのですが、どうも皆さんのイメージは夜のほうだったようで……(あれ?)
できるだけ皆さんのイメージに合うようにと意識しながら書いたのですが、いかがでしたでしょうか。
少しでも沿えているといいのですが……。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
寺岡志乃
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
SF・ファンタジー
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年05月17日
参加申し込みの期限
2023年05月24日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年05月24日 11時00分
参加キャラクター一覧
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