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雨梨栖 香蓮
の一日は忙しい。
朝はまだ暗いうちから起きて自分と夫、そして食べざかり育ちざかりの娘芹香の朝食と弁当を作る。細っこい体なのに芹香は大食いで、ために弁当箱のサイズは一番大きい。
バタバタと倍速再生みたいな朝が終わるとそこからは夫のバイクショップ『AMARYLLIS』の仕事だ。夫はメカニックとしては天才的だが税金や法律関係の書類は得意ではないため、発注にかかわるものなども含め書類一切は香蓮が担当している。しかもその合間合間には掃除など家事もこなすという八面六臂ぶりである。
なお、ここまでの作業のほとんどを香蓮は和服でこなしている。
夕方からは稽古着に更衣し道場の師範をつとめる。道場生にお行儀のいいタイプは少なく、むしろその正反対のアウトロータイプには事欠かぬため、毎日にぎやかなものである。指導は技術的なものにとどまらない。ときに相談にも乗り、師範として門弟の心身双方のバックアップにつとめていた。相談内容も多岐にわたる。武道のみならず、学生は進路相談社会人は仕事の悩み、人間関係のアドバイスも求められることが珍しくない。
道場を閉めれば今度は割烹着の出番となる。食事はわりときちんと作るほうなので、香蓮は一汁三菜の基本を守っていた。味噌汁ひとつにしたところで、水にひたした昆布からじっくりと出汁を取るのが常だ。野菜の色合いや形状にもこだわり、盛りつける際に見た目を楽しむため、丁寧に切りそろえることにも時間をかけている。肉や魚介類の下ごしらえも欠かしたことがない。肉は余分な脂を落とし、魚は骨や内臓をきれいに取り除く。食材を買いそろえる際にスーパーマーケットを利用することもあるが、たいていは商店街の八百屋精肉店魚店をまわって買いそろえている。多少面倒ではあるがそのほうが食材も新鮮で、安価であることを知っているからだ。
そうこうする間に就寝時刻だ。寝間着に袖を通して一日終了となる。なかなかどうして休める時間はない。他の人の二倍三倍は忙しい日々ではなかろうか。
しかし香蓮はこの日々を、つらいと思ったことはない。充実していると思う。
自分で選んだ人生ですから。
それに芹香は十八歳でもう大人だ。義理の親子という関係のためどことなく遠慮しあってはいるものの、間柄にはとりたてて問題はない。やがて巣立つであろう芹香を思って、さみしく感じているくらいだ。
道場のほうは筆頭門下生、すなわち吉住志桜里の成長がめざましい。このところ志桜里は師範代をつとめてくれており、経営という意味でも頼りになる。いまや志桜里は月謝のとりまとめや道場のメンテナンスまで買って出てくれ、毎月丁寧な収支報告まで提出してくれるので香蓮は指導にだけ集中できる。 本日も香蓮がこうして、他の用件にわずらわされることなくバイクショップから道場に直行できるのも志桜里あってこそと言えよう。
志桜里さん、立派になったものですね。
しみじみと思う。
それだけに老婆心というか、余計なお世話かもしれないが気になってしまうこともあった。
恋愛で少しカマをかけましたが、あの様子では男っ気のひとつもないようですね、志桜里さんには。
もとより、と香蓮はため息をついた。志桜里さんは門下生の女の子たちには憧れられたり畏れられたりな一方、男性陣からは怖れられるばかりでしたけども。
長く見ているので志桜里の気性についてはわかっているつもりである。
自分より強いものを持っている相手にしか惚れないタイプですからね、あの子……。
理解できる。なぜなら香蓮自身、似た性質があるのは事実だったから。自分は初婚、夫は二度目、しかも彼には年頃の娘がいた。年の差だってある。彼と自分の年齢差より、自分と芹香の年齢差のほうが近いのだった。それでも香蓮が結婚に迷わなかったのもやはり、自分にない強さの存在を彼に感じたためだ。
志桜里さんが芹香さんといがみ合いつつも仲がいいのは――仲良く悪態をつきあうふたりを思いだし、香蓮の口元に笑みが浮かんだ――芹香さんの根の強さに惚れているからなのでしょうね。もっとも、直接言っても認めないでしょうけど。
志桜里にむかっていた香蓮の思考を断ち切ったのは、まさにその志桜里だった。
モーターボートかと思うほどの爆音を立て、志桜里のバイクが道場の前に滑り込んできたのだ。しかも同乗者がいるようである。
「師範!」
手前から奥へ、乗機を平行に保ったまま志桜里のバイクはスライドして停車した。
おやおや、見計らっていたかのようなタイミングで。
香蓮は外履きに足を通し門から出た。
もうもうと立ちこめる土煙を、手ではなく言葉の勢いだけで取り払うように志桜里は声を上げる。
「将来有望な体験入門希望者を連れて参りましたっ! 新たなる風、それもとびっきりの疾風たるべき逸材と思う次第!」
「おい逸材ってそりゃ言いすぎだろ、ていうか入門志望者?」
バイクから舞い降りるも泡を食って寛美は手を振るが、香蓮の姿を認めるや形状記憶合金みたいに即直立して挨拶した。
「詠寛美って言います。よろしくお願いします!」
両手を太ももにつけ九十度に近い角度で香蓮に頭を下げる。
「雨梨栖香蓮です。こちらこそよろしくお願しますね」
香蓮はにこやかにうなずいたが、寛美のほうは頭を下げたままぴくりとも動かない。
おやおや。
志桜里は口元に笑み、いやむしろニヤニヤ笑いに近いものが、間欠泉のように浮かんでくるのをなんとかこらえていた。
同時に、さすがはとも思う。
達人は達人を知る――寛美さん、肌が粟立っているご様子。わが師範の実力を即座に見抜いたようね。
しかし実力を見抜いたのは寛美から香蓮への一方通行ではなかった。
香蓮もまた、志桜里言うところの『逸材』という言葉の真贋を読み取っていた。
なるほど。
決して徐行運転とはいえぬ、そればかりか真夏の悍馬みたいな志桜里のバイク運転に動じぬ寛美の心臓、さらには急停車でも崩れぬ体幹、わずかな時間ですでに、寛美という娘について充分すぎるほどの情報を香蓮は入手していた。まなざしもいい。実力差を感知したかこの瞬間こそ従順ではあるものの、隙あらば寝首をかこうと狙う狩猟者のそれだ。鉄の檻からニホンオオカミを出したように思えてならない。
いいお友達を見つけたものです、志桜里さん。
道場の紹介をいたしましょう、と志桜里は寛美に告げる。「まずは無制限コース、ついで初歩コースの順にご案内」ぐるりと半回転して志桜里は香蓮に視線を向けた。「……を師範にお任せっ!」
急に話をふられてとまどうのは普通の人の反応だろう。けれども香蓮はこれに該当しない。
「任されました」と笑みを見せた。「細かいお話は私の方が得手ですから」
詮無きこと――むしろ香蓮は予想していたくらいなので、さあさこちらへと寛美を道場内へと導いた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
プライベートシナリオSSS(600)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
NPC交流
定員
1人
参加キャラクター数
1人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年05月19日
参加申し込みの期限
2023年05月26日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年05月26日 11時00分
参加キャラクター一覧
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