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雪夜を待ちわびて
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どうしたことだろう。
海道 千里
の歩みは重い。先に吹かれた灰色がかった奇妙な風のせいだろうか。
(なんて、そんなわけないか……)
大事な一日だというのに、これではいけない。頭を振り憂鬱を追い出そうと試みるも、しかし上手くいかなかった。
木天蓼大学のキャンパス。こんなにも輝いて見えるのに。
医学部への進学は望まれてのことだったが、進路をマタ大に決めたのは千里自身の意思だ。後悔はない。と思っている。同時に志す絵の道も諦めたわけではない、どちらも手にしてやろうとする気概の持ち合わせもある。自負している。キャンパスから始まるのは夢や未来への第一歩だ。それはそれは輝かしいもののはずだ。
にもかかわらず、このアンニュイな気分はどうだ。
(……医学部は、こんな感じか。いい雰囲気だ)
いずれも医者の道へ進んだ兄たちのような、いささかの堅苦しさや融通の利かなさを想像したが、マタ大の気風はもう少し自由や親しみが重んじられるようだ。
学生たちに混じって講義を聴いてみた。直近に読んだ医学書の内容が含まれ、難解だが理解できないこともない。この先も日々を怠ることがなければ、きっと遅れを取らず吸収していけるだろう。千里はことさら自信家ではないしそれを吹聴することもないが、胸の内にそうした確信はあった。
絵の道。医者の道。好ましい親交や築いてきた人脈。そのいずれをも、彼は手離したくなかった。なにも捨てられないのは強欲だろうか? いいや、そうは思わない。睡眠時間さえ削り、邁進し、努力の粋の果てに手に入る高みだ。その価値がある。
それまで疑問に思ったことさえ無かった思いが、決意を押しのけて噴出した。なぜだろう。大学という未来の象徴へ触れたことで、潜在意識下の不安が形を成したのだろうか。
ああ。どうしたことだろう。あんなにも明確に示されていた道が、今は見えない。
(俺は……)
「あれっ? 海堂じゃん! 奇遇~♪」
「!」
先ごろ再会した。いわば幼なじみというやつだ。中学校以来は、しばし疎遠になってはいたのだが。
「ああ、偶然だな。お前も見学か?」
「おう! なあ、一緒に回んねーか?」
桜井 ラッセル
はまるで大型犬が尾を振るように懐っこく、笑みから笑みへ、ころりころりと変わる表情は太陽を透かすステンドグラスのよう。
先ほどまでの憂鬱は、不思議といくらか晴れていた。
医学部を巡り、辟易とした顔のラッセルに苦笑いしつつ、彼の志望する芸術学部へ。一転して目を輝かせる分かりやすさに思わず噴き出した。
「なんだよ~、海堂。だってすげーじゃん、見る人会う人、みんな絵描いてるんだぜ!」
「そりゃ芸術学部だからな」
純粋な横顔のきらめきをまぶしく眺める。
千里も無論、この場に憧れはある。医学を究めようとしながら、絵の道も捨てきれない。どちらも手にしてやろうと、そのための努力は怠らないつもりではいるが、それでもただ無心に真っすぐ進もうとするラッセルは、自分よりよほど真摯に思えた。
いや。もう決めたはずだ。かぶりを振る。
「……まあ学部は違っても、どっちもマタ大なら一緒に通えるな」
「それなー!」
軽やかに談笑を交わしながら、カフェテリアのメニューも体験してみることにした。軽食やスイーツ、コーヒー、ドリンクをシェアしてその味を確かめる。
「おっ、イケるじゃん!」
本当にめまぐるしく変わる顔色は、見ていて飽きない。昔はこうではなかったように思う。しかし今のほうがずっといい。
「あ、なあなあ海堂! スケブ交換しねえ?」
「なんだ、藪から棒だな」
「だって今の海堂の絵見てえしさ、あ、俺バッグに水彩絵の具も入れてるしさ!」
食堂を出てキャンパス内の芝生に腰を下ろし、互いに一枚描いてみようということになった。
モチーフはすぐにも定まった。千里はさらさらと、筆が滞るでもなく描き上げる。
「ほい。描いたぞ」
「……ってお前、これ!
あん時
の!? つーか来てたのかよ!?」
「ああ、似合ってたな?」
女装しらラッセルは半紙の上、懐っこく愛嬌を振りまいている。彼の通う寝子島高校の文化祭を覗いた際にたまたま見かけたのだ。
にんまりと口角を上げてやると、彼は頬をほんのりと赤く染めた。
「くそー、恥ずかしい……けどっ、海堂はやっぱりすげーなぁ! はえーし、うめーし、構図も完璧だし……」
「はは。モデルが良かったんじゃないか?」
「ちげーって! だって色使いもすげーし、なんていうか、憧れる……!」
「ま……医者になるったって、絵の道を諦めるわけじゃねぇからな」
口にして、ふと思う。今朝の気分の沈みようから、ずいぶんと浮上したものだ。
(こいつのおかげ、かねぇ)
「ん? どーした、海堂?」
「いや。何でもねぇよ」
二人の頬を撫でてゆく風は少し冷たく、けれど凛として爽やかだった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
網 透介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
6人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年05月09日
参加申し込みの期限
2023年05月16日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年05月16日 11時00分
参加キャラクター一覧
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