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雪夜を待ちわびて
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じりじりと焦れている。一体何に? 自分でも良く分からない。いつもなら軽快に走る
綾辻 綾花
のペンが、今日はやけに鈍重だ。先端からまるで根が張ってしまったようにぴたり動かない。受験勉強に没頭するはずが、思考は千々と乱れた。黒い熱を胸の内に持て余している。
10分、30分、1時間と無為な時間が過ぎ去って、同居する黒猫も退屈そうににゃおんと鳴いた。
「ん~……今日は何だか、集中できないなあ」
ひょいと投げだしたペンが机を転がり、垂れた前髪を所在なくいじくる。
ふと、頭の中へ浮かび上がった。
「珪先生……」
彼の優しい笑みを目にすれば、集中や活力が戻るだろうか。戻りそうな気がする。いつだって彼は綾花に幸福をくれるから。
「よしっ」
思い立ったが吉日。綾花は参考書やノート、筆記具をてきぱきとまとめると、黒猫に手を振り部屋を飛び出した。
「あれ、今日は図書室で勉強かい。綾辻さん」
「はい。こんにちは、珪先生」
早川 珪
の何気ない微笑みこそが、綾花にとっての特効薬……のはずなのだが、今日に限っては先ほどからの脈絡ない憂鬱は晴れなかった。
「今日は利用者も少ないし、適当な席を使っていいよ」
「ありがとうございます。じゃあここで……」
カウンターにほど近い席へ腰かけ、のろのろと数学の問題集を開く。珪にだらけたところを見られたくない思いと、今日の奇妙なアンニュイがせめぎ合う。
ペンの走りはやはり鈍い。けれど先ほどまでより幾分か軽くなったような気もする。やはり彼のおかげだろうか。
(…………)
そう思うとついつい、カウンターの内側で事務仕事に打ち込む珪の顔に見入ってしまう。気づくと手も頭も止まり、じっと見つめてしまっている。長いまつげ。きめ細やかな肌のつや。さらり流れる柔らかい髪。言わずもがな、あのまなざし。全てが綾花の瞳をとらえて離さない。
あまりにも見過ぎていたのか、何度か目が合い、微笑み合ったりしていたが、そのうち彼の首が怪訝そうに傾いた。
「……綾辻さん? どうかした?」
「えっ、あ、いえ! 別に何も……」
「何だか少し顔が赤いような。ちょっとだるそうだし、風邪かな」
「いえ、そういうわけじゃ。心配かけてしまってすみません」
わざわざ席を立って様子を見に来てくれる彼へ、この上は正直に述べることにした。
「今日は何だか、気が乗らなくて……集中できなくて」
「ああ、なるほど。そういう時もあるよね。綾辻さんは頑張り屋だから、疲れがたまってるんじゃない?」
珪は椅子を引いて、綾花の正面に腰かけた。他の生徒もまばらだし、彼も少しの休憩時間らしい。
ぽう、と胸の中に育まれるあたたかさ。
「珪先生もそういうこと、ありました? やる気が出ない時はどうしてましたか?」
「上手くいかない時は、やっぱり気分転換かな。意識して気持ちを切り替えるようにしてたよ。本を読んだり、散歩に出たり。ただそればかりに熱中してしまうと、勉強の時間まで無くなってしまうけどね」
「ううっ、私も覚えがあります……」
「あはは。誘惑に負けないように、自制心も必要だね」
言葉一つ交わすたび、笑い合うたび、雲が晴れた。太陽が顔を見せた。
ああ。綾花は胸に手のひらを添え、変わらぬ確信に深くうなずく。やっぱり、彼は。
結局彼の仕事終わり、図書室を閉めるまで長居してしまった。
「悪いね、片付けを手伝ってもらっちゃって」
「いいんです。私も図書委員ですし」
「うん……でも、それもあと少しだね」
寂しいね、と儚くつぶやく彼に、綾花の胸はまた一つ跳ねた。
「あの。珪先生のお家まで、一緒に帰ってもいいですか」
「いや、僕が猫鳴館まで送るよ。このところはずいぶん、日が短くなってきたからね」
まぶしく赤く染まる彼の横顔を眺めながら、二人歩く。確かにここ最近の日の沈む早さには、冬を感じずにいられない。肩を震わせる風の冷たさも……とはいえ綾花の内はいまやあたたかく灯っている。
並んで見慣れた道を行くだけで、会話は弾むし笑みもこぼれた。猫鳴館へ続く林の入り口へと着く頃、今朝からの憂鬱は塵となってすっかり失せていた。
「お見送り、ありがとうございます」
「いいんだよ。寒くなってきたから、また風邪を引いてしまわないようにね。って、僕が言えたことじゃないけど」
「あのっ。珪先生」
無意識のうち、はっしと彼の手を取っていた。
「珪先生はやっぱり、私にとって特別な人なんだって、分かりました。ありがとうございました、おやすみなさい!」
「そ……そう。うん。ええと……おやすみ、綾辻さん」
頬を赤くした彼に踵を返し、弾む足取りで猫鳴館へ。
屋根のてっぺんのそのまた向こう、夜空に月がぽっかりと顔を出していた。朝から続いたどん底気分の反動か、その日の月は煌々とまばゆく輝いて、まるでトパーズ。まるでイエローダイヤモンド。宝石めいて透きとおり、美しく綾花の眼に刻まれた。
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あとがき
担当マスター:
網 透介
ファンレターはマスターページから!
網です。冬です。
冬の寝子島もまた、イベント満載で見るべきものがたくさんありそうですね。
寝子島のクリスマスなどは特に、毎年ド派手で楽しみです。
私も冬に彩りを添えるようなシナリオをご提供していければと思っています。
それでは、また次回に。
網でした。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
網 透介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
6人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年05月09日
参加申し込みの期限
2023年05月16日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年05月16日 11時00分
参加キャラクター一覧
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