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- 00月00日生 00歳
- AAA000000
LIQUID -Star Chronicle- 極東の賢者編
【サイドクエスト『未知なる探求』ウーローンの竹林】
「ふむ。意味ありげな並びだなぁ」
マシロ（プレイヤー：白 真白）の目の前に、石灯篭が五つ。いずれも年季が入って苔むしており、風化し欠けているところも見られるが、造形は実に精緻で立派なものだ。
東方二国の一つ、ウーローンの歴史は深い。広大かつ肥沃で美しい風土、そこに育まれた文化は壮麗にして絢爛。失われた古代王朝の時代から今に至るまで、連綿と受け継がれた豊穣な大地と独特な気風は異彩を放つ。富の豊かは大陸でも随一と言えよう。
歴史の長さゆえに、ウーローンの国土には古き謎がいくつも散見される。山賊のかき集めた宝が竹林の奥に眠っているとか、落ちのびた王朝の遺児が莫大な財宝とともに祀られているとか。その幽霊が出るとか出ないとか……他愛のない噂から真実味ある調査報告までさまざまだが、それらに触れ得ることができる者は限られた。多くは学者、そして冒険者であろう。
冒険の旅を続けるマシロの姿もまた、碧緑深きウーローンの竹林にあった。
「ひとまず、全部点けてみる？ ほいほい、ほいっと」
炎の魔法を放ち灯篭を灯す。全てを灯しても、しかし何かが起こるでもなく、静謐な林には風が吹くのみだ。
マシロは首を傾ける。この手の仕掛けはいくつも解いてきたが、これはなかなか強敵だ。きっとどこかにヒントなり、必要なアイテムなりが隠されているのだろうが、まだマシロは見つけられていなかった。
「うんうん。楽しくなってきたね♪」
といって、焦ることもない。じっくり取り組むのも、マシロの旅の醍醐味の一つだ。
何しろ目的は、地図を埋めること。それも余さず全て、隅から隅まできっちりと。サイドクエスト『未知なる探求』の完遂が何をもたらすのか、まだ全貌は見えないが、その道程にこそマシロは喜びを感じている。目にする風景、人々の営み、自然の威容。数々の謎。地図を追うだけで、リキッド大陸に散らばる謎や冒険や財宝や、あらゆる楽しみをまんべんなく享受することができた。
なんてお得なクエストだろう。
「よっし。灯篭は五つだし、総当たりでなんとかしてみよう！」
正しい順番が鍵であろうとあたりをつけ、灯篭に火をつけてゆくマシロの瞳は、なんとも上機嫌に揺れた。
正解を示す軽やかな音色が響くと同時、現れた化け虎の一団を＜縛り上げる茨＞で拘束し、
「＜焼き尽くす火種＞っ！ 燃えろー！」
爆炎で薙ぎ払う。
奇襲を退けたところで、灯篭の奥の岩壁に現れた入り口をくぐると、不可思議な風景が眼前に開けた。
「にゅっふっふ☆ これは期待できそうだね～」
石階段を下ると地下洞窟が広がっている。
「これは……地下に、桜並木？ 綺麗だねえ」
空間にはなぜだか光が満ちており、並ぶ桜はまるでライトアップされているかのように輝いていた。舞い散る花びらで、埋もれてしまいそうだ。
周囲には堀があるが、水は満たされていないようだ。
「あ。ハルコンさん」
その縁に屈みこむ、もはや見慣れた後ろ姿があった。自身の背丈よりも大きなバックパックを背負い、丸眼鏡をかけた初老の男。マシロを探求の未知へといざなった、彼だった。
「……見たまえよ。これを」
「うん？」
えもいわれぬ美景の中にあって、ハルコンはマシロを振り返りもせずに言った。
「堀がすっかり干上がっている。以前ならば、ここには＜月の水＞が満ちていたはずなのに」
「……つきのみず？」
「ほの青く輝く、神秘の水だ。あんなにも美しかったというのに……」
マシロが見ればじゅうぶんに絶景なのだが、世の探求者にはなにやら懸念があるらしい。
首を傾げながらに尋ねる。
「月の水、っていうのが無くなると、何かマズイの？」
「分からない。あれについては何も。私の専門ではないのでね。ただ」
「ただ？」
「何か……起こりつつあるのだろうか？ このリキッド大陸に、私など想像も及ばぬ、奇矯なる変容が……？」
ハルコンと別れ、青々とした竹林を歩む。
地下洞の奥で手に入れたお宝は、ウーローン古代王朝時代に作られたらしい玉璽……のレプリカと、大量の古銭。換金すればいい稼ぎになることだろう。
「ふむっ。なにやら、気になる展開だね～」
世界の変容と、マシロの行く道の交わることはあるだろうか？
「まっ、なるようになるよね☆ 私は何でも楽しむだけだしね～」
竹の合間を縫って吹く風に純白をなびかせ、マシロは次なるクエストへ。
「ふむ。意味ありげな並びだなぁ」
マシロ（プレイヤー：白 真白）の目の前に、石灯篭が五つ。いずれも年季が入って苔むしており、風化し欠けているところも見られるが、造形は実に精緻で立派なものだ。
東方二国の一つ、ウーローンの歴史は深い。広大かつ肥沃で美しい風土、そこに育まれた文化は壮麗にして絢爛。失われた古代王朝の時代から今に至るまで、連綿と受け継がれた豊穣な大地と独特な気風は異彩を放つ。富の豊かは大陸でも随一と言えよう。
歴史の長さゆえに、ウーローンの国土には古き謎がいくつも散見される。山賊のかき集めた宝が竹林の奥に眠っているとか、落ちのびた王朝の遺児が莫大な財宝とともに祀られているとか。その幽霊が出るとか出ないとか……他愛のない噂から真実味ある調査報告までさまざまだが、それらに触れ得ることができる者は限られた。多くは学者、そして冒険者であろう。
冒険の旅を続けるマシロの姿もまた、碧緑深きウーローンの竹林にあった。
「ひとまず、全部点けてみる？ ほいほい、ほいっと」
炎の魔法を放ち灯篭を灯す。全てを灯しても、しかし何かが起こるでもなく、静謐な林には風が吹くのみだ。
マシロは首を傾ける。この手の仕掛けはいくつも解いてきたが、これはなかなか強敵だ。きっとどこかにヒントなり、必要なアイテムなりが隠されているのだろうが、まだマシロは見つけられていなかった。
「うんうん。楽しくなってきたね♪」
といって、焦ることもない。じっくり取り組むのも、マシロの旅の醍醐味の一つだ。
何しろ目的は、地図を埋めること。それも余さず全て、隅から隅まできっちりと。サイドクエスト『未知なる探求』の完遂が何をもたらすのか、まだ全貌は見えないが、その道程にこそマシロは喜びを感じている。目にする風景、人々の営み、自然の威容。数々の謎。地図を追うだけで、リキッド大陸に散らばる謎や冒険や財宝や、あらゆる楽しみをまんべんなく享受することができた。
なんてお得なクエストだろう。
「よっし。灯篭は五つだし、総当たりでなんとかしてみよう！」
正しい順番が鍵であろうとあたりをつけ、灯篭に火をつけてゆくマシロの瞳は、なんとも上機嫌に揺れた。
正解を示す軽やかな音色が響くと同時、現れた化け虎の一団を＜縛り上げる茨＞で拘束し、
爆炎で薙ぎ払う。
奇襲を退けたところで、灯篭の奥の岩壁に現れた入り口をくぐると、不可思議な風景が眼前に開けた。
「にゅっふっふ☆ これは期待できそうだね～」
石階段を下ると地下洞窟が広がっている。
「これは……地下に、桜並木？ 綺麗だねえ」
空間にはなぜだか光が満ちており、並ぶ桜はまるでライトアップされているかのように輝いていた。舞い散る花びらで、埋もれてしまいそうだ。
周囲には堀があるが、水は満たされていないようだ。
「あ。ハルコンさん」
その縁に屈みこむ、もはや見慣れた後ろ姿があった。自身の背丈よりも大きなバックパックを背負い、丸眼鏡をかけた初老の男。マシロを探求の未知へといざなった、彼だった。
「……見たまえよ。これを」
「うん？」
えもいわれぬ美景の中にあって、ハルコンはマシロを振り返りもせずに言った。
「堀がすっかり干上がっている。以前ならば、ここには＜月の水＞が満ちていたはずなのに」
「……つきのみず？」
「ほの青く輝く、神秘の水だ。あんなにも美しかったというのに……」
マシロが見ればじゅうぶんに絶景なのだが、世の探求者にはなにやら懸念があるらしい。
首を傾げながらに尋ねる。
「月の水、っていうのが無くなると、何かマズイの？」
「分からない。あれについては何も。私の専門ではないのでね。ただ」
「ただ？」
「何か……起こりつつあるのだろうか？ このリキッド大陸に、私など想像も及ばぬ、奇矯なる変容が……？」
ハルコンと別れ、青々とした竹林を歩む。
地下洞の奥で手に入れたお宝は、ウーローン古代王朝時代に作られたらしい玉璽……のレプリカと、大量の古銭。換金すればいい稼ぎになることだろう。
「ふむっ。なにやら、気になる展開だね～」
世界の変容と、マシロの行く道の交わることはあるだろうか？
「まっ、なるようになるよね☆ 私は何でも楽しむだけだしね～」
竹の合間を縫って吹く風に純白をなびかせ、マシロは次なるクエストへ。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2023年04月27日
- 参加申し込みの期限
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- 2023年05月04日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2023年05月04日 11時00分
