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LIQUID -Star Chronicle- 極東の賢者編
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【ストーリークエスト『極東の賢者』(2)】
竹林に夜が降りる。
廃寺にてキャンプすることとした。屋根も床もなく、飾りの刻まれた壁や柱の痕跡にかつての在りようを思わせるのみだが、持ち込んだ寝袋があれば快適に一夜を過ごせるだろう。空は晴れ渡り、星と三日月が煌々ときらめいていた。
みなが食事の準備をするところ、ポラリスは廃寺の裏を流れる川縁にぼんやりとして佇んでいた。
手には砕けて折れた杖の名残。
スピリスタの大魔術師、ポラリスの失われた記憶の時代から、魔杖はその活躍を支えてきた。どれほどの長い時であったか、想像も及ばない。常にその永劫を戦い抜いた魔術師の手に握られていたのだから、激戦に次ぐ激戦を経て耐用を越えたとしても不思議ではないだろう。
受け入れざるを得ない喪失だ。しかしポラリスの胸にぽっかりと開いた穴を、彼女は埋める術を知らなかった。
「大丈夫かい。ポラリス」
「……凛風」
銀の髪、潤み揺れる青い瞳を覗き込みながら、凛風は彼女の隣へ腰を下ろす。
「六華の杖は、残念だったね。二つとない名品だろうが……カンノンに着いたら、新しい杖を調達しようか。無手のまま戦うわけにもいかないだろう」
「凛風……私は」
ついと視線を上げ、見つめ合う。
杖が氷片となって砕けた、あの瞬間。ポラリスの脳裏へまざまざと蘇る記憶があった。あたかも氷山が溶け落ち、封じられていた獣が息を吹き返すかのように。
「思い出した……」
「何を、だい?」
「私は……私は、<極星の七英傑>」
鮮烈な輝きを伴って、ポラリスの失われた記憶は復活を果たしたらしい。全てではないようだが、摘要をたどるには必要十分だ。
かつてのリキッド大陸にいくつも存在した古代文明圏。その一つ、極星を冠に戴く者たちが、迫る大いなる滅びに相対して結成さしたレジスタンス。それが極星の七英傑であった。七英傑はいずれも類稀なる武技・魔技の使い手であったが、滅びをもたらす存在……それらが何者であるか、記憶からは抜け落ちていたものの……ともあれ彼らによって一人、また一人と倒されていった。
ポラリスは最後の生き残りなのだ。現在で言うスピリスタの永久凍土に残された全ての力を封じ、眠りについていた。近世のスピリスタにおいて稀少鉱石の発掘が盛んとなると、凍土の減少を機として目覚めた。
「それが、君……なのか」
凛風が確かめると、ポラリスは儚くうなずいた。
遠く旧き時代の名残。現世へと取り残された孤高の英雄。仲間たちは既になく、ただの一人きり。
「……安心したよ」
不意に凛風は告げた。ポラリスは怪訝そうに首を傾ける。
「君と僕に、共通項があって。僕もまた、世の人の営みからは取り残された者だから」
「……それ、は……?」
凛風の胸には確かに、安堵があった。時の流れ、その感覚の隔たりは大きい。共に歩もうというならばなおさらに。
凛風はポラリスの前へ跪き、白い手を取った。そうして、明かした。
「僕は、桜の樹霊だ。樹の精というやつなんだ。人の姿として受肉したのは、もう千年も昔のことだったろうか」
「桜、の……」
「そうさ。ほら」
手のひらをかざす。竹林の中にあって、そういえば廃寺の周囲には枯れ木がいくつか見て取れた。それらがあたたかく灯り、いつのまにやら、桃色の蕾をつけている。蕾は見る間に大きくなり、可憐な花弁を開き、桜ははらはらと月夜に舞い散り始めた。
「共に、長き時を生きてきた。僕はいつまでも君に寄り添おう。誓おう。共に歩まん事を」
「……! 私も……誓う!」
紡がれた絆は、彼女らの長い生に比べればまだ浅いかもしれない。しかしこの先、深める時はいくらでもある。
二人はこの瞬間、かけがえのないパートナーとして結ばれたのだった。
「桜の木だったのね。これ」
食材の詰まった鍋の火を繊細に調整ながらも、ソフィアの目は廃寺の壁を囲うように咲いた花々へ向いた。ここを見つけた時、それらは確かに朽ちかけた枯れ木であったはずが、今はライトアップされたようにまばゆく桃色に灯り、可憐に花開いている。
「ウーローンに玉楼、東方二国には神秘と奇跡が満ちている……とは聞いていたけれど」
「噂以上ですわね!」
「ええ。綺麗ね」
丁寧に干し肉と野草類を切り分けて鍋に投入し、ブラックメロディも首肯した。一見してどこぞの悪役令嬢といった装いの彼女、実際やんごとなきサイディア貴族のご令嬢である。遠き東の果てなど当然初めて目にするし、何もかもが物珍しい。黒い瞳はきらきらと輝きが止むことはなかった。
ソフィアにしてもそれは同じで、ウーローンの擁する神秘の一端をこうして垣間見ると、やはり研究者としても冒険者としても情熱の滾るものがある。この上はさらに目の覚めるような奇跡の一つもお目にかかれれば言うことなしといったところだ。
鍋が良い塩梅になったところで、仲間たちが集まった。
「これは美味そうだ。さっそくいただこうか。アオイ、そっちの荷物からみんなの碗を出してくれるか」
「おっけー!」
「ケイさん、私がよそってあげますね」
「ありがとう。本当に美味しそうだね、香りまで漂ってきそうだよ」
「ポラリス。ほら、君の分だよ」
「ん、ありがと……いっしょに、たべよ?」
星降る夜のキャンプに付き物といえば、美味しい食事。この場合、『LIQUID』内時間の一日に及ぶ長時間の効果的なバフを得られるという意味ではあるが、野暮は言いっこなしだ。
それに、もうひとつ。ソフィアが提案した。
「ブラックメロディ。良かったら、一曲披露していただけないかしら? せっかくの素敵な夜だもの」
「あら、いいですわね! もちろん、構いませんわ!」
マジカルパフォーマーの奏でる楽曲は、戦闘と紐づかないシーンにも彩りを添えてくれるのだ。
ハープ爪弾き、透きとおるガラスめいて歌い上げる。即興ライブに手拍子がリズムを刻み、風のささめきに竹の葉も揺れる。
ブラックメロディの演奏にも熱が入りオーディエンスも盛り上がる中、ソフィアが声を上げた。
「あれは……?」
「ん? 空が何だか明るく……」
星々の瞬きへ、金色の光が滲む。光の中央には細長いシルエットが身をくねらせていた。こちらへ向かって空を泳ぐそれは、徐々に正体を明らかにした。
「蛇?」
「いいえ……あれは、応龍」
確かに、龍だ。東洋の絵巻物に描かれるような、長大な蛇体に四本の足、鋭い爪に玉をつかむ、巨大な龍だった。
みなが身構えるがソフィアがそれを制した。
「大丈夫。こちらから仕掛けなければ襲ってはこないはず……文献によれば、ね」
龍は廃寺の上空にまで差し掛かり、急上昇して月の向こうへ飛んでゆく。風が逆巻き、焚き火の火の粉と舞い散る桜を巻き込みながら吹き上がり、思わず目を覆った一瞬の間に、龍の姿は見えなくなった。
夜更け。火の番を引き受けたオサムは焚き火に枯れ枝を放り込み、アオイとひそやかな談笑に興ずる。
「まさかあんなにも間近に龍を見られるとは。ウーローンの神秘には驚かされるな」
なあ、とアオイを振り向くと、彼女の頭がこつんとオサムの肩へ触れた。
「なんだ。寝てしまったのか。夜襲を警戒しようというのに」
苦笑い。しかしこれはこれで、悪くない。
「どんな夢を見ているんだ? なあアオイ」
すう、すうと規則正しい寝息の向こう、何気ないリキッド大陸の日常を垣間見る。
アヤカはケイの存在を隣に感じながら、身を横たえた。
「昼間はありがとう。アヤカの魔法には助けられたよ」
「いえ、そんな……ケイさんが守ってくれたおかげですよ」
彼と並んで寝るのはどうにもどきどきして、緊張する。と同時に包み込むような安心感もあった。
ぱちりと薪が爆ぜる。
「明日も頑張ろう」
「はい。おやすみなさい、ケイさん」
耳ざわりよく届く彼の声に、まぶたを伏せる。
ウーローンの静かな夜は更けていった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
冒険
バトル
ゲーム
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年04月27日
参加申し込みの期限
2023年05月04日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年05月04日 11時00分
参加キャラクター一覧
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