this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
なぜならそこに浪漫があるから
<< もどる
1
…
3
4
5
6
7
…
10
つぎへ >>
食べたいと思えば、おおよその物は食べられる。
肉が食べたいと思えば、近江か松阪かと悩みながら新幹線に乗ればいいし、海の幸だなと思えば飛行機に乗って北へ向かえばいい。国外だって、交通の不便なところでない限りは本場の味が楽しめるだろう。
そんな
八神 修
が切望して、どれだけ時間とお金を工面したって食べられないのは――家族の手料理だ。
普通の人が当たり前に口にすることができる温かさを、遠い昔には修だって持っていた。けれど今は、飢えていると自覚ができるほどに『家族の愛情』は見当たらない。
(……その分、恵まれているものだってあるが)
広いキッチンに並ぶ調理器具は一級品で、今回は魚を捌くのに適した包丁も新調した。体験して学ぶことを危ないと止める声も、諦めなければならない貧しさもないここは、貪欲な好奇心を持つ修には好環境とも言える。
欲しいと望めば手に入る。本も教材も知識を与えてくれる道具はなんだって。
でも、そこには――物思いに耽る修の耳に、アラームが聞こえる。米の浸水時間が終わったようだ。
(無ければ、作ればいい)
気を取り直して土鍋をコンロにセットし、火加減は炊飯モードに任せる。最初はオート機能では細やかな加減が難しいのではないかと思ったが、どうやら季節や米の種類で水加減が変わるようで、ここ最近はずっと米を主食にしてはメモをとって、違いを分析しているところだ。
寝子島魚市場にも何度か足を運び、鰤を買い付けた。弁当に向いた照り焼きのサイズを試行錯誤して包丁を入れたため、思ったように切れなかった部分は丁寧に骨取りをして猫たちへお裾分けもして……刺身にしゃぶしゃぶ塩釜焼きと、大きな魚を粗末にしないよう頂きながら捌く練習を続けた。
箸休めも秋らしい一品を決めてあるし、弁当箱も決めて。コツコツと努力を重ねる修は順風満帆――という顔をしていない。
(どうしても……あの味にならないな)
甘い醤油味の煮物。地域によって呼び名は様々あるが、修に馴染みがあるのは治部煮であったため、レシピもそれを参考にいくつか試した。
出汁を変え、肉にまぶす粉を変え。思いつく限りの改良を試みたが、思い出の味にはならない。
遠い記憶だ。具材が変われば風味も変わるだろうし、作り方を教わったわけでもない。思い出は補正され、子供の味覚と相まって同じ物を作り出せない可能性だってある。
それでも、修は諦めなかった。美味しいと思った思い出の味を、どうしても共有したいからだ。
(何か、見落としてるはずだ)
考え込む修を再び電子音が呼びつける。――今度は、
七夜 あおい
からの電話だ。
『あ、突然ごめんね。今大丈夫だった?』
「うん、ちょっと勉強中でね。ひと息つこうかとキッチンに降りてきたところ」
これで、鍋の煮立つ音が聞こえても不自然ではないだろう。彼女のために料理の練習をしているとは言わず、修は弾む声に耳を傾けた。
よく行くケーキ屋が開店記念で、購入金額の半額が金券で返ってくること。それから――日本中の旬の果物を使ったフルーツタルトが一押しなこと。
『日本は狭いなんていうけど、地域によって美味しいものいっぱいあるよね』
「そうだね、これからなら……高知の柚や青森のりんごなんかもあるし、地域の風土が違うからこそ――」
風土が変われば育てる作物が変わり、食文化だって変わる。そこでようやっと、修は閃いた。
『修くん?』
「……ごめん、さっき詰まってた問題の解き方が閃いて。少しメモだけ取るね」
慌ててレシピを表示していたタブレットで検索する。
関東で主流の醤油は、甘味料を加えていない本醸造のこいくち。対して治部煮を郷土料理とする北陸は、甘い混合のこいくち。
解決の糸口が見えて、思わず修は小さく「よし!」と呟いてしまう。
『そういうのって、なんで今ってタイミングで思いつくよね』
クスクス笑うあおいにも覚えがあるらしく、会話は少しばかり脱線してから、思い出したようにケーキ屋の話に戻ってくる。
「じゃあ明日、放課後に寄ってみよう」
ささやかな約束に笑みを浮かべて、修は再び彼女に届ける味を模索する。
大事な家族の味だからこそ――君と、食べたくて。
<< もどる
1
…
3
4
5
6
7
…
10
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
なぜならそこに浪漫があるから
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
浅野 悠希
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
NPC交流
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年04月25日
参加申し込みの期限
2023年05月02日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年05月02日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!