サロネコ1371番外編：和の甘露とちょこれぃとの夜｜リアクション

サロネコ1371番外編：和の甘露とちょこれぃとの夜

＞宴も酣となりまして

　鴉天狗（疾風丸）と猫又（三毛谷道哉）が人に紛れて去っていく。
　「ひと」から見れば、酔っぱらった和装の若者が外へ出たぐらいにしか見えないが、一部の者はなんとなく感づいたかもしれない。
　その一人であったのだろう、壮年の男は目を擦りながら「けったいな事もあるもんやな」と呟いた。

＊＊　　＊

「なんや、けっこう来とるんね」
　と、牛瀬巧が言えば傍らの妻、牛瀬いおりもまたこくりと頷く。
「黒崎先生と久保田先生だけじゃなかったんですね」
　と、いおりが言った目線の先。和ロックを演奏していたバンドのメンバーに、音楽教師の樋口弥生がいたのだ。三折部朝衣が彼女に気付き、驚いている様子を２人はみていた。
「なかなか面白いイベントだったねぇ」
「美味しい時間を過ごせて、いい息抜きになったよ」
　と、ウォルター・Bが笑うその傍らでは稲積柚春が、朗らかな顔の早川　珪の傍らには綾辻綾花がおり、二人とも意中の先生と一緒でちょっと大人びた顔になっている気がした。
「牛瀬先生は、奥様と息抜きですか？」
　綾花が問いかけると、巧は「まぁ、デートやな」と少し恥ずかし気に言い、いおりが「巧さん、言わんといてよぉ」と苦笑する。
　彼らが何気なく話すそばを、七夜あおいは八神修を連れて歩いていく。買ったお菓子を手にし出入口へ向かう横顔は、とても楽しそうだった。
　深倉理紗子と深林真瞭の仲良しコンビは、酔い覚ましに水を飲んでいる。二人は苦笑しあいながらも、このひと時を大いに楽しんでいるのが巧みにはわかった。
　ふと、販売コーナーを見ればマリエッタ・ラシュリエがお酒を送りたいとお店の人に相談している。大切な人に送りたいのだろう、その顔がとてもやさしく見えた。

　宴も酣となり、主催者の挨拶をもってイベントは終了する。
　こちらも好評となり、総じて『サロネコ』関連イベントは概ね大成功といえよう。「また、いつか『ねこぐら』にて」を合言葉に、その夜は幕を閉じるのだった。

（終）

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あとがき

担当マスター：菊華伴
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おまたせしました。菊華です。
今回は、まったりした雰囲気を楽しんでいただけたら幸いです。

和の祭典という発想から、「チョコと日本酒に焦点をあてた番外」を出してみましたが、いかがだったでしょうか？
またレンタルスペース『ねこぐら』は何かの機会に出したく思います。

また縁がありましたら宜しくお願いします。

おまけ
取得【チョコと甘露の素敵な一夜】

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