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『運命』ではなかった始まりを『必然』に変えたあなたへ
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ロイヤルブルーのスポーツカーが、夜の高速道路を走り抜ける。
海沿いの道は風も強く、ハンドルには気を抜けないが、隣で柚春が感嘆の息を漏らす程度には、工業地帯のイルミネーションはなかなかに魅力的らしい。
「もっと綺麗な物、見て来たじゃない」
「ニャンドはニャンドで素敵だったけど……朝に通ったときは工場だったのに不思議じゃない?」
「今だって工場でしょ?」
ミラーで追い越そうとしてくる車を確認し、道を譲る。パークには閉園までいたので、急いで送り届けたい気持ちはあるが、この景色が気に入ったというのなら、速度ギリギリで駆け抜けなくてもいいだろう。
……けれども、このまま真っ直ぐ帰路について終わり、ともならないはずだ。こうして朝から1日を過ごしてみても、肝心の話は柚春から切り出されていない。
「そうなんだけどね、なんか……ほら。ウォルターさんであることは変わらないけど、先生とワットの違いみたいな感じに似てるなぁって」
「ええ……そんなに裏表ある?」
気分屋でお喋りな口は、正直なほうだ。歯に衣着せぬ物言いだってするし、面白いと思えば揶揄ってしまう。
オンとオフで差があるとすれば、プライベートに踏み込まれたくなくて『ある』と答えただけのように思ったが、柚春にとっては呼び名を意識的に変えて差をつけられていると感じるのかもしれない。
それも今のところは、気が向いたときに揶揄いやすいから、という基本的なところは変わらないのだけど。
「ふふ、裏表ではないかな。ワットの魅力が多いだけと思うよ」
ウォルターは今日、柚春に何を言われるのか知っている。
様々な恋愛絡みのジンクスを聞くたび、雰囲気の良いロケーションで微笑まれるたびに、とうとう覚悟を決めるときかと年甲斐も無く緊張してしまったこともある。
今だってそうだ。さりげない会話から繋げてしまうのかと思ったのに、柚春はまた窓の外を見て流れる夜景を写真に収めようとしていた。
(……忘れてるわけじゃ、ないよねぇ?)
そう思われているだなんて、柚春は思ってもみなかった。
大事な言葉を伝えるなら今日だとずっと決めていて、その上で……それを匂わせた上で、彼はこうしてデートをしてくれたのだから、寧ろいつ言われるのかとドキドキしてくれていたらいいなとさえ思っている。
本当のデートとなるように、出かける前に言ってしまおうかとも思ったし、ニャンドは雰囲気の良い場所が多くて、今ならと思ったタイミングもたくさんあった。
それでも、今日だと決めたには訳があるから……それなら場所も、あそこがいい。
「ねぇワット。寝子島大橋を越えたら、寄って欲しい公園があるんだけど」
「それは構わないけど、寄るとしたらそこが最後だよ?」
どんなにロマンチックな場所よりも、きっと大事な言葉に相応しい場所。
夢のような今日の最後に行くなら、静かな浜辺を散歩するより、夜景を見下ろせる高台に行くより――思い出深い場所へ、一緒に行きたかった。
柚春が指定したのは、なんてことはない児童公園だ。
寝子街道から2つほど奥に入った、人通りがないこともなく寝子高ともほど近い場所。とりあえず車は手近なコインパーキングに停めて、自販機で温かい飲み物を買ってはみたものの。
「……本当に、ここで良かったの?」
あれこれと計画をしていた柚春にしては、あまりにも夢のない場所を選んだ気がして、ウォルターは不思議そうに問うた。
薄暗がりの中で確信が無いのか、柚春は街灯を頼りに目当ての物を探している。
「ここの、えっと……あそこ! あのベンチがいいな」
傍目にはそれも、どこにでもありそうな古びたベンチだ。もしかしたら、何か有名な恋愛映画の舞台になったとか曰くがあるのかもしれないが、残念ながらウォルターには何も思いつかない。
「……覚えてないでしょ。1年前に、ここで何があったか」
ベンチに腰掛け見上げる柚春は、どこかで見たことがある気がする。いや、一緒に過ごすことが増えたのだ、そういうことが幾度あったっておかしくはない。おかしくは、ないけれど。
「そっか……それくらいになるんだ」
何もなかったら思い出すこともないような、ありふれた日常だった。
だけど柚春が家庭訪問の時に、この日の言葉が嬉しかったと言って――古い記憶を掘り起こしたことがある。
「あの日僕は『運命ってあると思いますか』って聞いたんだ」
学校に復学するか迷っていたとき。どうせまたすぐに引っ越すんだからと足が竦んでいたとき。
突然現れた『学校の先生』に緊張して、何か話さなきゃと必死だった柚春が話題に選んだのは『運命』だ。
「僕は寝子島に来て、運命的な出会いをしたばかりだったんだ。……ворっていう、特別な彼にね」
誰かと出会ってもすぐに別れてしまうことに慣れて、そこに諦めもできてきた頃。何度も道ばたに『落ちている』ворを拾っては、持ち主が見付けてくれるように、踏まれないように目立つところに置き直した。
それでも、どこかで思っていた。
「動かない玩具な彼なら『離れていかない』……ずっと、僕の傍にいてくれるんじゃないかって。そしたら本当にマスターにもなっちゃって……勝手だよね、本当の持ち主が現れたら返さなきゃいけないのに」
そろりと鞄を撫でる柚春が、どんな思いでворを連れ歩いているかを知って、ウォルターは彼女の鞄を見やる。『彼』は拾われた恩義で懐いているというよりも、ずっと前からそうであることが当たり前のように彼女を守ろうとするから、離れていくことはないのだろうが……それを柚春は知らない。
「誰かに認めて欲しかったの。この確信が……『運命』なんて子供じみた重い言葉を、肯定してほしかった」
ともすれば安っぽいナンパの言葉にも使われそうな『運命』は、ворとの出逢いについて問われていた。軽い気持ちや一目惚れ、思いつきなんかで口にしたのではなく、本当に大事な言葉だったのだろう。
「僕が『運命はある』って言ったことで、君は安心できた?」
素敵な物だけでなく辛いことも含めるのなら、運命はあるのだろう。
全てが定められていないにしても、切り開けるものばかりでもないとしても……ウォルターも思うから、ああ言ったのだ。
「うん。あの言葉でわかったことがあるんだ。……僕が好きになった人は、やっぱり先生じゃなかったよ」
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
浅野 悠希
シナリオタイプ(らっポ)
プライベートシナリオS(400)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
恋愛
NPC交流
定員
1人
参加キャラクター数
1人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年05月03日
参加申し込みの期限
2023年05月10日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年05月10日 11時00分
参加キャラクター一覧
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