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風邪を引いたら
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たかが風邪、されど風邪だ。若くして子を産んだ
梓 智依子
。いっぱしの母親として少しは板についてきたかと自覚もありながら、愛娘・楓が伏せった時には何とも肝が冷えた。二度と再び回復せず、起き上がらないのではないかと思えた。
智依子の不在の間、楓を世話してくれる祖父母へ風邪を移してしまうのは避けたかった。智依子自身ができる限り看病をした。アルバイトが休みの土日であったことは幸いだった。
結果、楓は無事に完治へ至ったのだが、それが智依子へ移ってしまった。
「ママ、だいじょうぶ? ママぁ……」
「楓。ママは大丈夫だから……」
泣きそうな娘を見るのは智依子も辛いが、自身の不調もなかなかに耐えがたい。楓を身ごもった時のつわり以上の苦悶にさえ感じる。
「インフルエンザではないようです。流行りの風邪ですね。今年は症状が重くなりがちなんですが、まあ、3日も安静にしていれば良くなりますよ」
往診に来てくれた医師がそう言ってくれなかったら、不安に押し潰されてしまいそうだった。
「ありがとうございます、先生。ほら楓、先生もこうおっしゃってるでしょう?」
「うん……」
しょげかえった楓も昨日は大変な弱りようだったから、智依子の辛さが分かるのだろう。眉毛をへの字にして見下ろす娘の頬を撫で、頭を撫でてやる。
とはいえ、あまり距離が近いのもいけない。
「おじいちゃん、おばあちゃん。ごめんね。楓のこと、よろしくね」
娘のことは祖父母に任せて、回復に専念することにする。
祖父母に連れられて楓が出てゆき、一人となるとあらためて自身の状況を実感する。熱は38度もあり、倦怠感に節々の痛みがひどい。特にこたえるのは、突発的に襲い来る嘔吐感だ。何度かは布団の脇の洗面器に、多くはトイレに駆け込み便器にすがりながらぶちまけた。口内にすえた感じが染みついて、気分が滅入った。
落ちつかずいてもたってもいられず、けれど身体は動かない。智依子にできるのは、とにかく眠ることだけだ。時おりうつらうつらとし、吐き気で覚醒に引き戻されるのを何度も繰り返した。
まだ2日目、症状はいくらか軽くなってはきたが、不安は増すばかりだ。昨日の朝から楓と会えていないためか。考えなくてもいい思考ばかりが頭を巡る。
例えばだ。単なる風邪に留まらず、合併症を引き起こしいくつもの病状が併発し、重篤となり、このまま死んでしまったら?
楓はひとりぼっちとなるだろう。祖父母ももう年だし、楓の成人まで見届けられるかどうか。
ましてや智依子の両親などまるで宛てにならない、どころか楓にどんな悪影響を及ぼすか分からない。14で母となった智依子を、二人はまだ許してはいないのだ。孫娘にあたる楓をすんなりと受け入れはすまい。
結果楓は遠い親類をたらい回しになるか、施設にでも放り込まれることだろう。いずれにしても環境はきっと劣悪だ。成長するにつれ楓は病み、自暴自棄になってゆく。自分を置いて早世した母を恨みさえするかもしれない。
どんな娘に育つだろう。まるで怪物のような、周囲に悪意振りまく悪童と成り果てるだろうか。はたまた人生に躓き、最後には自ら命を断つ羽目になるのかもしれない。
心が弱っているのだろう。娘の健やかな成長を誰よりも願う智依子だというのに、良い想像がひとつも浮かばない。
「……ママ?」
暗雲めいて想像が広がってゆく。蝕まれるようだ。黒く重たく冷たいしこりが心を押し潰してゆく。
「ママ、ママ……」
智依子は許しを乞うた。誰ともなく、何にともなく。
「ママ!!」
気が付くと、はらはらと頬を雫が伝っていた。冷たい感触に目を開ける。
「……楓?」
「ママ、やっとおきた……!」
大きな瞳いっぱいに貯めた涙粒。黒い雲間から差し込む一筋の光条を思わせた。いつの間にか、胸の重しは溶けるように消えていた。
「っ、楓……!」
抱き締める。背に小さな手のひらが回され、固く結びつく。
失えない。まだ去ることはできない。こんなにも小さくて、頼りなくて、手間がかかって、心から愛おしい。
「ごめんね。心配かけて。ママ、もう治ったから」
「ほんと? げんきになった?」
息が詰まり、答えることができなかった。あふれ出す。涙も思いも。言葉の代わりに、智依子は願った。
どうか、いつまでも。いつまでも。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
網 透介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
NPC交流
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年03月22日
参加申し込みの期限
2023年03月29日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年03月29日 11時00分
参加キャラクター一覧
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