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風邪を引いたら
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朝から気分が冴えないとは思っていたが。
「風邪……でしょうか」
倉前 七瀬
はかぶりを振った。こめかみがずきずきと痛む。ぐるぐると周囲が回る。熱っぽく朦朧とする。
11月となればぐっと冷え込んできたし、昨夜は熱中して本を読み耽っていたこともあるだろうか。風邪を引いてしまったようだ。
ぱたんと開いていた本を閉じる。どうりで頭に入ってこないと思った。
熱を測ると、幸いまだ微熱のようだ。しかしこれから急激に上がらないとも限らないし、動けるうちに備えをしておくことにする。ワンルームマンションにひとり暮らしだから、症状が重くなった際に薬の一つも無ければ、手の打ちようも無くなってしまう。
扉を開けて外に出ると途端、寒風が頬を刺した。
「寒っ……」
冷たい空気が堪える。上着の前をしっかりと合わせて歩き出す。近くのドラッグストアにでも行けば、必要なものはひと通り揃うだろう。あっちには書店もあるが……今日は立ち寄るのは止めておく。
重たい足を引きずり交差点を渡り切ったところで、見覚えある顔を向こうの通りに見かけた。
「ウォルターさん?」
風になびく金髪は、
ウォルター・B
のものだ。何たる偶然。
声をかけようと手を上げ一歩踏みだした……ところで、足もとがふらついた。電柱に手を突き、どうにか踏み止まる。
「風邪、引いてるとでした……」
一瞬、忘れていた。
ひと言、挨拶だけでも交わしたくはある。あの飄々とした明るさに触れれば、一人暮らしの心細さもいくらか紛れよう。しかし代償に、彼へとこの頭痛やら咳やらを引き受けてもらうのはさすがに忍びない。今日のところは会いたい気持ちを抑え、早々に用事を済ませ帰るとする。
ぐらぐらする頭で風邪薬を買い、なんとか食べられそうな食材を選び、自室へたどり着く頃には熱が上がり、真っすぐ歩くのもおぼつかない有様となっていた。
「や、やっと着いた……」
ベッドへ倒れ込む。率直に言ってツラい。こんなにも急激に悪化するとは思っていなかった。
「薬……あ、その前に何か食べたほうがよかですかね……?」
誰にともなく口に漏れ出す言葉は一見論理立っているが、思考が追い付いていない。くらくらするし目も回る。
意識が遠くなりかけたところで、
「……?」
インターフォンが福音のごとく鳴った。
「おーい。倉前ー? いるのかい?」
結局、風邪引きにも関わらずこうして彼と言葉を交わすこととなってしまった。無論、部屋に上げたのは七瀬だったが。
「うちがふらふら歩いとるの、先生に見られとったですね……恥ずかしか……」
「そんなに気にすることかねぇ」
ウォルターであった。七瀬は彼を街で見かけたが、彼もまた帰りしなの七瀬を見かけていたらしい。あまりにも覚束ない歩みにただ事ではないと感じ、追いかけてきてくれたのだとか。
「風邪、流行ってるからねぇ。調子は……悪そうだね。薬は?」
「まだです……」
「じゃ、軽く何か腹に入れて、薬飲んで寝るといいよぉ。お、カップスープがあるじゃない。じゃ、お湯沸かそうか。ポットを借りるよぉ」
「ああ、いえ!」
七瀬はウォルターを手で制した。
「……大したことないので。大丈夫ですよ」
「って、ふらふらしてるじゃないの」
「じ、自分でできますから……それに、ウォルターさんに移ったら申し訳ないです」
彼に迷惑をかけたくなかった。彼が風邪に苦しむ様を見たくなかった。もちろん、本心だ。
怪訝そうな顔をして、ウォルターは少し考えるそぶりを見せた後に。
「そーお? 分かったよぉ、じゃあお暇するかな~」
「え、あ、はい……」
あっさり、くるりと踵を返し、扉へすたすたと歩き出した。
そんなにもすぐ帰らなくても、と思うも、それが七瀬の望んだことだ。
「それじゃ、お大事にね~」
「は、はい。ありがとうございます……」
しかし本当に、それが本心だろうか? 七瀬の胸に逡巡が生まれた。彼が行ってしまう。本当にそれが望みだろうか?
「……嘘です」
声はかすれたが、どうにか彼へと届いたらしい。
「うん?」
「そばにいてほしいです。一人にしないでください……」
このまま彼が帰ってしまったら、二度と再び出会えない気がした。不安だった。体調が戻らず、死んでしまうかもしれない。起き上がれず手も動かず、最後まで声さえ聞けないかもしれない。
心の疲弊がゆえの弱音ではあったろう。それでも今の七瀬にとっては、胸の奥底から湧き出した強い願いだった。
それを笑い飛ばすでもなく、ウォルターは振り返り、微笑んだ。
「そうそう。素直になればいいんだよぉ」
どうやら賢い恩師には、全てお見通しらしい。
すっかり治ったら、きっと猛烈に反省するだろう。罪悪感に苛まれるかもしれない。けれど。
「ほら、薬飲んで。ゆっくり眠って、早く治すんだよぉ」
けれど、今だけは。
ぬくい布団をかけられ、ぽん、と胸に手のひらを当てられる。それだけで安堵が広がった。
七瀬は彼と二人、夢の世界へ旅立っていった。
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あとがき
担当マスター:
網 透介
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網です。風邪を引くお話でした。
風邪を引いた時、体調の悪い時、頼れる誰かがいないのは辛いですね。やっぱり不安になります。寂しいものです。
でも意外な人が、意外にも頼りになることが分かったりもします。まさかあの人がお見舞いに来てくれるなんて! とか。
とはいえまあ、なるべくなら病気はしたくないですね。
皆様もどうか、お身体にはお気をつけてお過ごしください。
それでは、また次回に。
網でした。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
網 透介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
NPC交流
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年03月22日
参加申し込みの期限
2023年03月29日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年03月29日 11時00分
参加キャラクター一覧
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