【寝子祭】届け銀河の涯てまで！　輝きをキミと｜リアクション

【寝子祭】届け銀河の涯てまで！　輝きをキミと

　八神修は、七夜あおいと共に３年７組へと向かった。
「どうして７組？」
　不思議そうな顔をするあおいに修は、「さあ、どうしてだろうな」と笑う。

　そんな二人を、猫耳をつけた響タルトが出迎えた。
「にゃんにゃん占いへようこそ♪　何を占う？」
　猫耳を見たあおいが腑に落ちた顔になる。
「学業……」
「えっ？　まあ、占いたいんならいいけど……」
　占うまでもないでしょ、という顔になったタルトとあおいが目を見かわした。
「あとは……恋愛運……を」
　小声になった修を見て、タルトがニヤリと笑う。
「はーい、２００にゃっぽいただきます♪　それじゃ、いっくよー☆」
　誰との、などと野暮なことは聞かず、タルトは踊りだした。
「にゃんにゃんニャンニャンミャーン☆」
　猫っぽいしぐさで、尻尾と猫耳を振りつつ、歌って踊る。
（良い結果だと良いな）
　そんなことを思いつつ、真剣な顔で修はそれを見つめている。
　お遊びであることはわかっているが、何か進展しそうなことを言ってくれないものだろうか。
「はい！　出ました～。学業は油断しなければ万事うまくいくにゃん☆」
「そうか……」
　聞きたいのはもう一つのほうだ。
「恋愛運は……」
　タルトは、真剣な顔で修を見つめる。
「目の前の相手だけを見て、信じていること。雑音は気にしないのが吉にゃー。……あ、幸運の猫耳２００にゃっぽですが、いかがですかにゃん？」
「……ああ、わかった。もらおうか」
　思いのほか真面目な結果を意外に思いつつ、受け取った猫耳を照れ隠しにあおいにスポンとかぶせる。
　そして、わああ、となった。
（可愛すぎかっ）
「えっ？　修君つけないの？　それじゃ私にもちょうだい」　
　修の反応を見て恥ずかしくなったのか、照れながらあおいも猫耳を受け取り、修にスポン。
「……俺にもか？」
「あ、似合ってるよ修君」
「うん、二人ともすごくお似合いだよ♪まいどあり～」
　タルトに見送られ、猫耳の二人は教室を出ていく。

　入れ違いに入ってきたシオが、それを見送りながらにこにことつぶやいた。
「いいなー、高校生カップルって初々しいね」
「シオさん！　いらっしゃい」
　少し驚いた様子のタルトに、シオは微笑む。
「こんにちは。少し早かったけど、タルトさんがどんなことしてるのか見てみたくて」
「来てくれてありがとう。僕の最後の寝子祭りだから、ぜひ来てほしかったんだ。それじゃ、シオさんもやってく？　にゃんにゃん占い！」
(にゃんにゃん占い？　ネコ耳？）
　軽くカルチャーショックを受けるが、シオは笑顔を崩さない。
「占い？　これから進むに良き道を示す……そう……それじゃ、学園祭で良い思い出になりそうな場所を教えて～」
「よーし、任せて！　いっくよ～♪」
　タルトは軽やかに踊りだす。
「にゃんにゃんニャンニャンミャーン☆」
　ひとしきり踊ったタルトは、
「出ました！　思い出になる場所は……中庭のライブ会場！　ちなみにラッキーアイテムはネコ耳だよ♪」
「ネコ耳？　イベントでつけた時はあるけど、今日はいいかなー……」
　固辞しかけたシオに、タルトはにっこりと笑って猫耳を差し出す。
「うん☆　今日はイベントだし、猫耳をつけるにはとってもいい日だと思うよ」
「うう。……付けとくね」
　つけると決めたら、キリっとして堂々とつける。
「イベントの一環だから、違和感ないよね……」
「うん、とっても似合うよ♪」
(何か言われたか『猫占いで可愛いの見繕ってくれますよ。どなたかとご一緒にどうですか？』ちょっと小声で内緒めいて伝えちゃおうそうしよう)
　などと思うシオだった。
(けしてネコ耳人数が増えれば自分が埋没するからなんて……ちょっとしか考えてませんよ)
「お待たせ、シオさん。それじゃ行こうか」
　猫耳占いをクラスメイトに引き継いだタルトがシオを廊下へと誘った。