【寝子祭】届け銀河の涯てまで！　輝きをキミと｜リアクション

【寝子祭】届け銀河の涯てまで！　輝きをキミと

☆☆彡　寝子祭スタート！　☆☆彡

　そして、いよいよ寝子祭当日がやってきた。

「金券『にゃっぽ』の購入はこちらです。……はい、１０００円お預かりします」
　実行委員のなり手がなくて、月原想花は無理矢理実行委員として駆り出された。
　とりあえず受付で『にゃっぽ』の購入受付を行っている。
（陰キャなぼくはこういうイベントは苦手だから、こうやって受付担当で地味にしている方が気が楽だ）
　それにしても、どこからこんなに大勢の人が来るんだろう、というくらいに人が多い。
（地域に開かれたといっても、たかだか高校の学園祭なのに。おかげでてんてこまいだ）
　人の列はなかなか途切れない。

「寝子祭、今年も賑わってるねぇ！」
　瑠樹は前日に続き本祭にもやってきた。
　うさぎ縫いぐるみのラピちゃんやカプセルギアのラズちゃん、白猫のリコーダー入れも一緒だ。

「お父さんお母さんからおこづかいもらってるから『にゃっぽ』を買っていくよぉ」
　想花からにゃっぽを受け取り、嬉しそうに眺める。
「可愛いねぇ、にゃっぽ。見ていて和むなぁ……」
　そしてパンフレットを広げる。
「全部回る……にはにゃっぽの額が足りないけど、できる範囲で回っていくよぉ」

　今日のえみなハルくんは、いつもの猫耳パーカー姿でやってきた。
「かーさ達におこづかいもらってるから『にゃっぽ』は買えるのにゃ」
　元気よく想花にお金を差し出す。
「３種類それぞれくださいにゃ！」
「……はい、どうぞ」
　戸惑いながらにゃっぽを渡す想花。
（いろんな人がいるなあ……）
　変わった人には寝子高や寮で慣れているつもりだが、やはり外の人と接するのは新鮮だなと思う。

「色んな出し物見てみるのにゃ。美味しい物とか食べてみたいにゃ」
　ハルくんは心のままに走り出す。
（歩いたり走ったりできるのって、いいにゃ）
　通路は生徒たちによる出店でいっぱいだ。
「チョコバナナ！　くださいにゃ」
「いちごチョコと普通のチョコ、どちらがいいですか？」
「うーん……悩むにゃ……ふつうのチョコで！」
　さっそく目についた出店で迷った末にゃっぽとチョコバナナを交換し、頬張る。
「美味しいにゃ～今度は出し物を見てみるにゃ」
　校舎に入ったハルくんはよくわからないまま目についた列に並んでみる。
「順番が来たにゃ」
　わくわくと入っていった入り口には『お化け屋敷』と書かれていた。

「バンフレット貰いますねー」
　シオ・レイゼルオークは在校生である友達に誘われて寝子高を訪れた。
（在学最後の学園祭ということで記念に。良い思い出になるといいな）
　さっそく受付でパンフをもらい、にゃっぽとやらを買う。
「金券購入っ、と。銀河にキラキラ。楽しみだなあ」
　若い人たちを見ているのは楽しいな、と思う。
　シフトを済ませてから行くからゆっくりでいいよー、と言われたものの、少し早く着いてしまった。
　でも友達の催し物も見たいから、ちょうどいい気もする。
「タルトさんの教室はどこかな」
　パンフレットを眺めて、見つけた。
「３年７組……ここだね」
　