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●ライターとライマー
全国チェーンのドーナツショップに、いったい何時間いただろう。
愛猫 萌々子
がノートブックと睨めっこしている。
窓の外はもう暗い。
いつだったか店員さんが紅茶のお代わりを淹れに来てくれた気もするが、それもすっかり冷えていた。
(うーん、ここはこうして……あらら、そうするとこっちのつじつまが……)
萌々子のノートには、様々な単語や落書きみたいなイラストが縦横無尽に描かれている。
漫画のネタや、プロットについて考えていたのだ。
萌々子は、あぃびぃの名前でイラストや漫画を投稿したりする、いわゆるクリエイターなのである。
(煮詰まってしまいました……)
うーん、と伸びをする。萌々子が座っていたのは店内の中央にある大テーブルで、お一人様が仕事をしたり勉強をしたりしている席だった。伸びをした萌々子が、ちょうど向かいの席でノートに何やら書き付けていた
吉住 志桜里
と目が合ったのは、偶然か必然か。
ともかくその瞬間、萌々子と志桜里の目と目が通じ合い、ぱちぱちぱちっと星が飛び散った。
「あらららっ。志桜里先輩じゃあありませんか?」
「かく言う貴女はあいびーさん」
「ずっとそこに?」
「ええ、かれこれ2時間ほど」
「気づきませんでした」
「実を言うとこちらは気づいていたのですが、何やら創作に夢中になっているご様子でしたので、お声かけするのも憚られまして」
「まあ。声をかけてくださってよかったのに」
「いえいえ、私もすべきことがあってここに来ましたので」
志桜里はそう言って、ちら、とノートを持ち上げる。
「志桜里先輩も何かお話をお書きに?」
「お話ではなく、ライムを少々」
「ライム? 爽やかな風味で飲み物に添えたりする柑橘類?」
「それはLime。私のはrhyme」
ずっとrhymeのことばかり考えていたからだろうか。
日常会話だというのに自然と韻を踏み、リズムをつけてしまう自分がいて、志桜里は少々苦笑した。
「ヒップホップですよ。新曲の歌詞を考えていました」
志桜里はMC『440Re』として、ユニット『Greedy Cats』で音楽活動をしている。
「そうだったんですね。ふふ、奇遇にも同じ日・同じ場所・同じ時間で書き物をしているなんて」
「writerとrhymer」
「それもライムですか?」
「そんなようなものですかね」
さて、と志桜里は立ち上がった。
「ここにはずいぶん長居しました。場所を変えようと思いますが……、あいびーさん、良かったらいっしょにどうですか?」
そうして。
志桜里に連れられて向かったのは、萌々子ひとりではとてもたどり着けそうにもないクラブハウスだった。
道は細くて、スプレーによる落書きだらけ。
店の入り口は薄暗く、黒い壁に覆われた階段が地下へと続いている。
黒や赤を基調とした尖ったデザインのフライヤーが何枚も貼られている。
入っていくのも鋲付きのレザーブーツを履いたような人たちだ。
白ブラウスに桃色のロングスカート、ぱっつん姫カットでお嬢様然とした萌々子は浮きまくっている。
「はわわ……こんな世界があるんですね」
まるで世界の裏側に迷い込んでしまったような感覚だ。
萌々子はぶるっと身震いした。
「大丈夫ですよ。取って食われやしませんて」
「ううん、怖いんじゃないです。なんだかワクワクしちゃって……! 取材していいんですよね!?」
「はは、さすがあいびーさん。度胸ありますね。勿論です」
志桜里はにやりと笑うと、先に立って階段を降りた。
萌々子もそれについていく。
階段を降りた先の扉を開けると、途端に腹に響くような重低音が漏れ出してきた。
どうやらライブのリハーサルをしているようだ。
今日はヒップホップではなくロックのようである。
志桜里が音響ブースのスタッフ達に、どうも、と片手をあげる。
するとスタッフの一人らしきロゴ入りの黒いパーカーの男性が手を振って近づいて来た。
「よう、440Re。どうした」
「歌詞、煮詰まっちゃったんで、ちょっと空気吸わせてもらいに」
「そっちの可愛い子は? 友だち?」
「ええ。後輩のあいびーさん。見学させてもらっていいですか」
紹介されて萌々子はぺこりとお辞儀をする。
どうやらここでは本名を名乗る必要はないらしい。
「440Reの友だちなら大歓迎だよ。リハ中だから構えないけど、ゆっくりしてって」
「ありがとうございます」
爆音が響く。
赤や青のスポットライトが縦横無尽にあたりを照らす。
ハコとしてはあまり大きくはないライブハウスだ。
キャパは100人か、150人か、そんなところだろう。
「今度、やるんです」
志桜里が萌々子の耳元に話しかける。
「はい!?」
萌々子が大声で聞き返す。かなりの大音量で話さないと、声が聞こえないのだ。
「今度! ここで! ライブするんです!」
「ライブ!? 志桜里先輩がですか?」
「そう! 『Greedy Cats』として! MCするんです!」
「すごいですね!」
響く重低音のリズム。
この音の中で、この光の中で、お客さんに囲まれて志桜里はライブをするというのか。
志桜里の威容で、その琥珀色の瞳を煌めかせて、魂を言葉にする。
ライブ。
LIVE。
――LIVEは『生きる』なんだ、と、この場所が悟らせてくれる。
「見てみたいです! 志桜里先輩のステージ!」
きっとそこに魂がありそうな気がして。
創作に必要なエネルギーがありそうな気がして。
萌々子はそう答えていた。
カチカチ、とドラムスティックが鳴らされて、リハーサルが中断した。
「休憩ー」
ゆるい声がかかる。ステージ上で演奏していたバンドマンたちはてんでにステージを降りてペットボトルのミネラルウォーターやビールを煽る。
「440Reちゃん」
ヴォーカルの男性がにこやかに近づいて来た。
「せっかく来たならなんか演ってよ」
「なんか、と言われましても……新曲煮詰まってまして」
「なら猶のこと。即興でさ、一曲。気分変わるんじゃない? そっちのカノジョ、歌えないの?」
「わ、私ですか!?」
急に振られて萌々子は顔の前で両手を振る。
「そんな。私は描く専門でっ! 歌なんてとてもとても」
「いや……」
志桜里は真面目な顔で顎をさする。
「案外いいかもしれないですね」
「へ? 志桜里先輩、何言って……」
「付き合ってください、あいびーさん」
そういうと、志桜里は戸惑う萌々子の腕を引いて、ステージの上に飛び乗った。
「ううう歌えないですってばぁ」
「校歌くらい歌えるでしょう」
「こ、校歌ですか?」
「ふつーに歌ってくれればいいんで。あとはこっちで合わせますから」
言いながら志桜里は機材のセッティングをする。
これはどうにも逃れられなさそうだ。
萌々子はとうとう腹を括った。
「わ、分かりました。1曲だけですよ。では行きます……
寝子島高校、校歌
!」
♪ 陽光そそぐ学び舎に
我らを育む 寝子ヶ浜の風
また旅人が耳を澄ませば
波音安らかに聞こえん
自由な日々(ねこじまメモリーズ)寝子島高校 寝子島高校
合唱風の萌々子の歌声に合わせ、志桜里がアレンジを加えていく。
♪ あいびぃ and 440Re, writer and rhymer.
ここは寝子島 マジで良い島 セーイ?
寝子島高校 我は親孝行イェー!
全てのものに感謝 特にかーちゃんマジ感謝! YO!
後半はラップ調の裏校歌である。
志桜里が歌うと学校で聞くそれより、本格的で格好よく聞こえるからすごい。
それにしても地下のクラブハウスで寝子高校歌と裏校歌が流れる日が来るとは。
しかもHIPHOPアレンジで。
最後は萌々子と志桜里でハモる。
♪ にゃにゃにゃにゃーん
♪ にゃにゃにゃにゃーん
ばかばかしい歌詞だが、歌っているうちに楽しくなって、気持ちよくなってくるから不思議だ。
その場にいたバンドマンやスタッフの大人たちもノリノリになって『にゃにゃにゃにゃーん』と踊ってくれて、愉快な一体感に包まれる。
「ははっ、これは。脳みそが解放されますね。ちょっと考えすぎていたかもしれません」
「私も楽しかったです」
心が晴れたのは萌々子も同じだった。
「志桜里先輩。今日は連れてきてくださってありがとうございました。私、そろそろ帰らなくては」
「送っていきますよ、あいびーさん」
こうして志桜里と萌々子はクラブハウスを後にした。
ライターとライマー。心が解放され、互いの創作はこのあときっと捗ったことだろう。
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シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年03月20日
参加申し込みの期限
2023年03月27日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年03月27日 11時00分
参加キャラクター一覧
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