カシャリ、カシャリと耳馴染んだシャッター音が幾度もする。
そのたびにフラッシュが焚かれ、
初瀬川 理緒と
佐和崎 紗月は少しずつ表情やポーズを変える。
ここは都内。とあるスタジオ。
木天蓼大学に通う女子大生モデルの理緒と紗月の本日のお仕事は、とあるブランドの来年に向けての新作ドレスの撮影だ。女の子同士の仄かな恋をテーマにしたい、というクライアントのイメージにぴったりということで事務所に名指しでオファーがあったのだという。
「理緒ちゃん、紗月ちゃんの腰に手を回してみて」
「紗月ちゃん、理緒ちゃんを見つめて。そう、いいよ! とてもいい!」
カメラマンは乗せるのがうまい。シャッター音が重なるにつれ、緊張もほぐれてゆく。
しかも。
(紗月、可愛い)
なんて、ドレス姿の恋人にうっとりしているうちに撮影は終わり――。
「お疲れ様でした」
私服に着替えた理緒と紗月は、スタジオで写真のチェックをしているクライアントの女性に頭を下げた。
「理緒ちゃん、紗月ちゃん。良かったわ。またお願いしたいくらい」
「そう言っていただけると嬉しいです」
理緒が答える。
クライアントの女性は、ふと思いついた顔で煙草を咥えた。
「そうだ、もしこのあと暇なら、夕食でもどう? いい仕事のお礼にご馳走するけど?」
理緒は逡巡した。
仕事相手との食事は大切だから行け、と脳内で言う自分もいる。けれど……。
理緒はちらりと紗月を見る。
紗月も困った笑みを浮かべている。
何故なら……今夜は一緒に過ごそうって約束をしているから。
理緒は勢いよく頭を下げた。
「すみません、今日はダメなんです。あたし、今夜は、彼女に専有される予定なので」
そう言って理緒は紗月の腰を引き寄せる。
「り、理緒ちゃん!?」
紗月は驚いた。
(せ、専有って……)
結果的にそうなるかもしれないけれど言葉のチョイスが攻めているというか……。
理緒が二人で過ごす予定について、そこまで正直に言うとは思っていなかったというか。
紗月はかあっと赤くなる。
すると、クライアントの女性は気を悪くするどころか、嫣然と笑んだ。
「ふふ。そうなの。それじゃあまた機を改めてね」
◇
スタジオを出るとすっかり夜になっていた。
「よかったね、理解のある方で」
スタジオからの帰り道、紗月は理緒にそう言った。
理緒はにかっと笑う。
「あのタイプの人には正直な方がいいと思ったの」
「さすが理緒ちゃんね」
「一応業界の先輩ですし? なーんてね。それで……」
「ん?」
首を傾げる紗月の耳元に、理緒はそっとささやきかける。
「これから、今夜、なにする?」
こんにちは。
ゲームマスターを務めさせていただきます笈地 行(おいち あん)です。
初瀬川 理緒様、当選おめでとうございます!
このシナリオは、とある秋の夜を舞台にしたフリーシナリオです。
このシナリオの概要
時期は11月。
時間は日が暮れてから、夜が明けるまでのいつでも。
朝夕肌寒くなってきていますが、雪はまだ降っていません。
天気は良いです。
新月の日で月はなく、そのかわり星がとても綺麗です。
場所はどこでもかまいません。
誘いあって何かをしたり、
ご自身のお部屋で誰かと過ごしたり、
夜の街にでかけたり、
夜のお仕事をしていたり、
星を見に海や山などに出かけるのもよいでしょう。
あなたなりの秋のとある夜を描写させていただきます。
ふつうにアクションを書いていただいても大丈夫ですが、
思いつかないよーという方はこちら!
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<おまかせ>コース
このシナリオのみのスペシャル企画!
アクションに「おまかせ」と書いていただくのみ。
指定イラストと「秋の夜」をテーマに、アドリブで執筆いたします。
NPCについて
登録済みのNPCなら、特定のマスターが扱うキャラクターを除き、基本的に誰でも登場可能です。
Xイラストのキャラクターを描写する場合、
PCとXキャラの2人あわせて「1人分」の描写です。
※Xキャラだけで1人分の描写とすることも可能です。
その場合は、PCさん自身は描写がなく、Xキャラだけが描写されます。
Xキャラのみの描写をご希望である旨を、アクションにわかるようにご記入ください。
※Xキャラをご希望の場合は、口調などのキャラ設定をアクションに記載してください。
Xキャラ図鑑に書き込まれている内容は、そのURLだけ書いていただければ大丈夫です。
お気軽にどうぞ~。
ご参加お待ちしております。