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- 00月00日生 00歳
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携帯戦記カプセルギア 第七話「昨日までの友は、今日の……」
（にーちゃんのわからずや！）
中学生にしては大きい身体を、電柱に隠しているつもりな滝原 カノンは善場模型店をじっと見つめる。
何が始まったんだと心配する店主夫婦の目も気にせず、散歩に通り過ぎる犬が遊んでと声をかけては、撫でたい気持ちをぐっと我慢し。絶対に解決して、兄の鼻を明かしてやるのだと意気込んで『はりこみ』をしていた。
（怪しい人……あやしいひと…………あやしいって、どんな人？）
カプセルギアを沢山買っているだけでは、ただお小遣いを沢山貰っている人かもしれない。何か話していたって、それが『わるいこと』なのかは気づけるだろうか。
どちらかというと素直で、人を疑うことが少ないカノンには難しいが、カプセルギアの危機だ。怖い人がやってきたって、勇気を持って立ち向かわなければと気合いを入れ直し、模型店の利用者をよくよく観察する。
例えばそう。カプセルギアはほとんど子供が遊ぶ玩具だから、大人が一人で来たら怪しいだろうか。
そうして店主ではなく子供に声をかけたり、カプセルギアを気にしているようなら、とっても怪しい！
その条件にぴったり一致する人物が都合良く……現れた。カノンは迷い無く飛び出し声をかける。
「ねーねー、なにしてるの？」
自分から声をかけることはあれど、かけられると思っていなかった仙藤 紫は、その無邪気さと容姿のギャップに少し驚きつつ柔らかに微笑み返した。
「学校の課題の一環で、カプセルギアのことを調べているのよ」
怪しい人は、学校の課題を頑張るものだろうか。カノンはキョトンとして、カプセルギアのどんなことを調べているのか真っ向から聞いてしまおうと、学校で配られたプリントを取り出してみせる。
「こういうことも、調べてる？」
「……少し見せて貰って構わないかしら？」
まだどこか、しっくりとは来ない様子で見ているカノンに、何かわかりやすく説明できないかと、紫はプリントの文言に注目した。
概ね、把握していた内容だ。大学のカフェテリアで噂話程度に聞いた時は信憑性に欠けると思ったが、実際足を運び聞き取り調査をしてみれば、単なる噂と切り捨てなくて良かったと思うほどに酷い。
「例えば……このプリント、ちょっとおかしいと思わない？」
「カプセルギアが禁止なんて、おかしい！」
その即答には少し笑ってしまって、「そうね」と同意を示しながら紫は気になった点を指摘する。
買い与えている保護者でさえ、コンピューターゲームもカードゲームも、絵柄以外に何が違うのかを知らないことだって珍しくない。それは多少知名度のあるカプセルギアでも同じことだ。
けれど、このプリントでは『知らない大人の横暴』ではなく『知っているからこその悪意』が透けて見える。
「ある程度はカプセルギアについて知っている……でも、知らないこともあるみたいね」
富裕層というのは、意外と子供を甘やかさない物だ。買い占めにあたるような、変な買い方をするのは大人のほうで、その多くは転売屋と同一人物となることが多い。
「不当な価格や不利な条件で、子供たちにレアリティの高いパーツを販売する……不審な声かけにも繋がるわ」
「じゃあ、誰かが……子供が悪いことをしたんじゃなくて」
「……ええ、『カプセルギアをさせたくない誰か』が、故意に起こしている可能性があるわ」
――パチパチパチ。
店の奥から聞こえてきた拍手に二人は身構える。もしや、その『誰か』ではないのかと思ったが、顔を出したのはウォルター・Bだ。隣には稲積 柚春がいて、透明窓のついたボディバッグからはворが覗いていた。
「良い分析だねぇ。なら、相手の目的も気付いたんじゃない？」
「そこまでは……ただ、こうなると子供たちも最初は大きく反発しますが諦める者も多いでしょう。そこで致命的な事件が起きてしまえば、少数の反発心が大きく取り上げられ、最終的には手放さざるを得ないでしょうね」
中学校では今日プリントが配られたが、小学校では少し前にはカプセルギアが禁止だった。
反発心が膨れ上がる絶好のタイミングでの愛光堂での事件。こうなってしまっては、情報提供者の思う壺だ。
「……まるで知ってたみたいなタイミングだね」
あまりにも出来すぎている。それは柚春だけでなく、その場に居合わせた者が思った。
子供からカプセルギアを遠ざけたい理由はあるのだろうが、少なくとも今回のような事件から守るためではなく、イメージダウンを狙っている印象だ。
「狙われているのが、カプセルギアか子供たちかを判断する必要があるねぇ」
ポケットを探るウォルターが取り出したのは、一通の手紙。
それは、高校でもカプセルギアを取り締まらないかという提案の手紙だった。
中学生にしては大きい身体を、電柱に隠しているつもりな滝原 カノンは善場模型店をじっと見つめる。
何が始まったんだと心配する店主夫婦の目も気にせず、散歩に通り過ぎる犬が遊んでと声をかけては、撫でたい気持ちをぐっと我慢し。絶対に解決して、兄の鼻を明かしてやるのだと意気込んで『はりこみ』をしていた。
（怪しい人……あやしいひと…………あやしいって、どんな人？）
カプセルギアを沢山買っているだけでは、ただお小遣いを沢山貰っている人かもしれない。何か話していたって、それが『わるいこと』なのかは気づけるだろうか。
どちらかというと素直で、人を疑うことが少ないカノンには難しいが、カプセルギアの危機だ。怖い人がやってきたって、勇気を持って立ち向かわなければと気合いを入れ直し、模型店の利用者をよくよく観察する。
例えばそう。カプセルギアはほとんど子供が遊ぶ玩具だから、大人が一人で来たら怪しいだろうか。
そうして店主ではなく子供に声をかけたり、カプセルギアを気にしているようなら、とっても怪しい！
その条件にぴったり一致する人物が都合良く……現れた。カノンは迷い無く飛び出し声をかける。
「ねーねー、なにしてるの？」
自分から声をかけることはあれど、かけられると思っていなかった仙藤 紫は、その無邪気さと容姿のギャップに少し驚きつつ柔らかに微笑み返した。
「学校の課題の一環で、カプセルギアのことを調べているのよ」
怪しい人は、学校の課題を頑張るものだろうか。カノンはキョトンとして、カプセルギアのどんなことを調べているのか真っ向から聞いてしまおうと、学校で配られたプリントを取り出してみせる。
「こういうことも、調べてる？」
「……少し見せて貰って構わないかしら？」
まだどこか、しっくりとは来ない様子で見ているカノンに、何かわかりやすく説明できないかと、紫はプリントの文言に注目した。
概ね、把握していた内容だ。大学のカフェテリアで噂話程度に聞いた時は信憑性に欠けると思ったが、実際足を運び聞き取り調査をしてみれば、単なる噂と切り捨てなくて良かったと思うほどに酷い。
「例えば……このプリント、ちょっとおかしいと思わない？」
「カプセルギアが禁止なんて、おかしい！」
その即答には少し笑ってしまって、「そうね」と同意を示しながら紫は気になった点を指摘する。
買い与えている保護者でさえ、コンピューターゲームもカードゲームも、絵柄以外に何が違うのかを知らないことだって珍しくない。それは多少知名度のあるカプセルギアでも同じことだ。
けれど、このプリントでは『知らない大人の横暴』ではなく『知っているからこその悪意』が透けて見える。
「ある程度はカプセルギアについて知っている……でも、知らないこともあるみたいね」
富裕層というのは、意外と子供を甘やかさない物だ。買い占めにあたるような、変な買い方をするのは大人のほうで、その多くは転売屋と同一人物となることが多い。
「不当な価格や不利な条件で、子供たちにレアリティの高いパーツを販売する……不審な声かけにも繋がるわ」
「じゃあ、誰かが……子供が悪いことをしたんじゃなくて」
「……ええ、『カプセルギアをさせたくない誰か』が、故意に起こしている可能性があるわ」
――パチパチパチ。
店の奥から聞こえてきた拍手に二人は身構える。もしや、その『誰か』ではないのかと思ったが、顔を出したのはウォルター・Bだ。隣には稲積 柚春がいて、透明窓のついたボディバッグからはворが覗いていた。
「良い分析だねぇ。なら、相手の目的も気付いたんじゃない？」
「そこまでは……ただ、こうなると子供たちも最初は大きく反発しますが諦める者も多いでしょう。そこで致命的な事件が起きてしまえば、少数の反発心が大きく取り上げられ、最終的には手放さざるを得ないでしょうね」
中学校では今日プリントが配られたが、小学校では少し前にはカプセルギアが禁止だった。
反発心が膨れ上がる絶好のタイミングでの愛光堂での事件。こうなってしまっては、情報提供者の思う壺だ。
「……まるで知ってたみたいなタイミングだね」
あまりにも出来すぎている。それは柚春だけでなく、その場に居合わせた者が思った。
子供からカプセルギアを遠ざけたい理由はあるのだろうが、少なくとも今回のような事件から守るためではなく、イメージダウンを狙っている印象だ。
「狙われているのが、カプセルギアか子供たちかを判断する必要があるねぇ」
ポケットを探るウォルターが取り出したのは、一通の手紙。
それは、高校でもカプセルギアを取り締まらないかという提案の手紙だった。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2023年05月13日
- 参加申し込みの期限
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- 2023年05月20日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2023年05月20日 11時00分
