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ありし日の子猫たち
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【肩寄せ合って】
片付けもひと段落した頃に。
「あのう……」
今日は尋ねるチャンスだと思いつつ、ふんぎりつかずずるずるずると、結局終わり際、夕暮れ時のこんな時間になってしまいました。
どうしても、確かめねばならないことがありました。どうしても!
「珪先生」
「うん? どうしたんだい、綾辻さん」
「ハロウィンの日に……言ってましたよね」
きょとんとしたお顔の珪先生に、思い切って。勇気を振り絞って。
尋ねました。
「
うんと若い頃、結婚してたことがある
、って! あれって、どういう意味ですか? 本当に結婚してたんですか?」
ぱちぱち、ぱちくり。彼は目をしばたかせました。
確かに言いました。トリックオアトリート! けれどお菓子はありません、であれば珪先生は綾花へ、どんなイタズラをしてくれるのでしょう?
と投げかけた問いに、返した彼の答えが、『結婚してた』だったのです。
気になります。気にならずにはいられません、だって綾花の想い寄せる彼が、結婚!! いつからいつまで? 一体誰と!?
「……けっこん? ああ、そんなことも言ったっけ」
「ぷっ。ぶはははははは!!」
唐突に噴き出して、なにやら大爆笑のつるぎを、今度は綾花がきょとんとして見つめました。
「け、珪さん。そんなこと言ったんッスか! 結婚って、うぷぷぷ……」
「はは。イタズラしてくれって言うからさ、とっさに思い付きで」
「それって、アノ話ッスよねえ? あはははは!」
「えっ、えっ? なんですか? なにがアノ話なんですか!?」
笑い転げるつるぎに、戸惑いで彼女と涼しい顔の珪先生の間に視線行ったり来たり、な綾花。
ひいひいと息を切らしつつ、ちょっと待ってて……と奥へ引っ込んだつるぎ。ややあって戻ってくると、その手には一冊の本がありました。
そんなに厚くない、けれど装丁はしっかりとした、それは子ども向けの絵本のようでした。
「そうか、つるぎちゃんには話したことがあったっけ。失敗したなあ」
「『ちりちゃんははなよめさん』……?」
読んでみて、と手渡され、綾花はページを開きます。
6歳の女の子、ちりちゃんはとっても気が強くてわがままないじめっ子。独占欲が強くて、いつもまわりの男の子に「あんたは大きくなったら、わたしと結婚するのよ!」「あんたはよわっちいから、いらない!」と言って、我が物顔で偉ぶっていました。
やがて成長し、美しい女性となったちりちゃん。しかしそのまわりに、男の子の姿はありません。みんなちりちゃんのわがままに疲れ果て、去って行ってしまいました。ちりちゃんの美しさに惹かれて、次々に新しい男の子がやってきますけれど、ちりちゃんは大人になってもわがままで、すぐに離れていきました。
大人になったら素敵なウェディングドレスを着て、従順でなんでも言うことを聞いてくれる素敵な旦那さまと、幸せな結婚が待っていると信じていたちりちゃん。けれど蓋を開けてみれば、後に残ったのはひとりぼっちの自分だけ。
ちりちゃんは反省して、いい子になって、みんなに優しくしようと決意しますけれど、時すでに遅し。誰もそばにやってくる者はなく、ひとりっきりで泣き続けるのでした。
「悲しいお話ですね……この本が、関係あるんですか?」
「ま、今で言う、『○○は俺の嫁!』ってヤツかねえ? ッスよねえ、珪さん?」
すこうし、困り顔のニガ笑い。
「本当に、小さい頃の話だよ。そう、うんと若い頃のね。子どもごころに、ちりちゃんが可愛そうに思えてしまって……しばらく僕は、ちりちゃんとけっこんする、ちりちゃんは僕のおよめさん! と周囲に宣言して回ってたらしいよ。僕もあまり覚えてはいないんだけどね」
「それが、けっこん……?」
思わず、ぽひゅうと息が漏れました。安堵の吐息です。
「おませで純な子どもだったんッスねえ珪さんは。ねえ綾辻ちゃん」
「なんだか……可愛らしいです。でも、本当にびっくりしたんですよ!」
「はは、ごめんよ。でもイタズラにはぴったりだったでしょ?」
悪びれず、にっと歯を見せて笑う珪先生。
心臓に悪い冗談ではありました、けれど同時に、そんなふうに冗談を言い合えるくらい、距離感が近づいたともいえるかも。
(そうだったら、嬉しいな)
綾花の胸のわだかまりは解けて、あたたかさだけが残りました。
またおいでよ、とつるぎに送り出されて、帰路を歩みます。
「今日はなんだか、恥ずかしいところをたくさん見られてしまった気がするなぁ」
「そうですか? 私は……嬉しかったです」
寮まで送ってくれるという珪先生と並び、弾む会話。軽い足取り。燃えるような秋の夕暮れ。
楽しい時間の余韻がすこうし、綾花を油断させていたのかも。なんだか、
「このまま、帰りたくないな……」
「ん? なにか言ったかい」
「あっ、い、いえ! なんでもないですよ」
「そう? それにしても、秋だね。ああ、山裾があんなに色づいてる」
夕焼けに染まる彼の横顔。
綾花の胸ポケットには、つるぎがこっそり渡してくれた、封筒が入っています。
中には詰襟の、若い彼の写真が一枚。はにかむ笑顔を、綾花は素敵な気分のままで、手のひらに抱きました。
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あとがき
担当マスター:
墨谷幽
ファンレターはマスターページから!
墨谷幽です。
『ありし日の子猫たち』、リアクションをお届けいたします。
綾辻さんもすっかり、古書店『OLDLYNX』の常連さん、お得意さまですね。
ぜひこれからもごひいきに。
珪先生とも縁深い場所ですから、あれこれ貴重なお話なども聞けるかもしれません。
綾辻さんの恋の助けともなってくれるかもしれません。
それでは、今回もプライベートシナリオの申請、まことにありがとうございました。
お疲れさまでした!
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
プライベートシナリオSS(500)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
恋愛
NPC交流
定員
1人
参加キャラクター数
1人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年03月09日
参加申し込みの期限
2023年03月16日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年03月16日 11時00分
参加キャラクター一覧
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