ちょこでろろランドでチョコ地獄！ in 裏サロネコ1371｜リアクション

ちょこでろろランドでチョコ地獄！ in 裏サロネコ1371

【ぜ～んぶ、いただきます】

「チョコを食べながらチョコドリンクをいただく。なんて素晴らしいんでしょう！」
　巫部紫苑、感激！　両手いっぱいにチョコドーナツやらチュロスやらクレープやらを抱え、ぱくぱくぱっくん！　嵐のごとき食べっぷり。駆けつけ一杯、とりあえず生みたいなノリで全メニューください♪　なんて言ってのけたもので、売り子の着ぐるみも思わず固まっておりました。
「もぐもぐ。どれも美味しいですね、ぱくぱく。ぱくり。それにしてもむぐむぐ、ここは一体ぱりぱりごくん、どこなのでしょう？　ぱくりっ」

　何やら奇妙な遊園地……寝子島の不思議現象とも付き合いの長い紫苑でしたから、どうも尋常な事態でないことはすぐにも悟りました。悟った上で、チョコをぱくつく手は止まりませんけれど。
　ちゅるると冷たいチョコシェイクを飲み干して、ひとごこち。
「あら。大変ですねえ」
　目の前を横切る着ぐるみたちにえっほえっほと運ばれていくのは、顔見知りの様子。遊園地を楽しまないワルイ子はアトラクションへ強制連行、あるいは無理やりチョコメニューを口に突っ込まれてしまうのです。
　助けてあげるべき？　けれど今のところ、そう危険なことは無いようにも見えます。ぎゅんぎゅん回る観覧車や空飛ぶジェットコースターは一見オソロシイですけれど、今のところ事故などは起こっておりませんし。まーきっとたぶんおそらく、大丈夫！
「今はチョコづくしを楽しみませんと、ぱくり。ん～～～っ、甘い♪」

　楡宮遠海もまた、夜空の上。
「きゃああああ～～～」
　ジェットコースターがレールを外れ、戻るまでの滞空時間は永久にも感じられて、ぞわぞわと背筋が寒気に泡立ちます。
　しかしながら彼女の場合、それを楽しんでもいるようでして。
「う～ん、スリル満点！」
　ジェットコースターを下りたら即座にゴーカート乗り場へ。アクセル全開、コースを疾走していると、
「わっ、チョコライオン！　私と競争する？」
　猛然と追いかけてくるチョコ製ライオンとギリギリのデッドヒート！
　レースを楽しんだ後はバンジーでチョコプールへ落ち、メリーゴーランドの唐突な縦回転に目を剥きながらも宙ぶらりんを楽しみ、大観覧車の超絶回転に悶絶しつつもぐるぐる回る景色を堪能し。
　どのアトラクションも全力で楽しんでいるのには、目的があったりするのです。
「ふう！　ハードだったけど、おかげでそろそろお腹も空いてきたなぁ」
　全てはこの時のため。
　そう、満を持してチョコメニューへ手を出す食欲魔人遠海！
「とりあえず全メニューで」
　やっぱり売り子の着ぐるみを唖然と（表情は分かりませんけれど）させながら、どさっといただくチョコメニューたち。
　遠海はそれらをがっついて食い荒らしたりはしません。ひとつひとつ丁寧に、上品にいただいていくのがポリシーです。
　チョコチュロスをぱくりっ。
「ん！　美味しい！」
　激烈な甘さが、空腹に染みました。思わずにっこり、こぼれたのは１００点満点の笑顔！

　遠海がチョコパフェとチョコケーキを並べて味わい、間にチョコプレッツェルをかじっていたら、
「あら♪　お仲間発見です～」
「あ……そっちも全メニューを？」
　チョコクッキーをぱくつきながらやってきた紫苑。その腕には、オールチョコメニューの二巡目がどっさり。
「チョコ、美味しいですね。絶品です♪　それに食べ放題、なんて素敵でしょう」
「ええ、どれもただ甘いだけじゃなく、味わい深くて。またここに来たいくらい」
「ふふ、本当に。きっとこの現象が収まったら、この遊園地は消えてしまうでしょうけれど」
　ちょっぴり残念そうに（チュロスを頬張りながら）言った紫苑へ。遠海はふと思いつき。
「あの。良かったら、記念撮影しない？」
　チョコメニューの数々やちょこでろろランドの様子を、遠海は写真に収めておりました。これもまた、遊園地の楽しみのひとつ……というわけで。
　快く応じてくれた紫苑といっしょに、記念撮影。
「って、着ぐるみが寄ってきた！？」
「あら、ちょこでろろくんにシズクちゃん……でしたっけ。はて、誰かに似ているような？」
　などと疑問もありつつ、ピースサインの着ぐるみに挟まれた二人。
　タイマーをセットして、
「はい、チーズ！」
「にっこり♪」
　ぱしゃり！
　不思議な遊園地の、思い出に残る一枚となりました。

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ちょこでろろランドでチョコ地獄！ in 裏サロネコ1371

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