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秋。寝子ヶ浜海岸。
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城山 水樹
は省みる。
あの時
の自分はきっと、どうかしていた。仕事から離れてのタイ旅行、解放感からいささか心の油断もあったかもしれない。うっかりと流され、溺れてしまった自分を水樹は叱責する。
とはいえ、いずれにしろ放っておけなかったとは思う。沈み込んでどうにかなってしまいそうな年下の女の子を、それも異国の地にほうり出していこうとは到底思えなかった。水樹の社交性や面倒見の良さ、ある種の潔癖さや正義感がそうさせなかっただろう。だから後悔はない。
後悔はないが、困ったのはそれをきっかけに少しばかりすれ違いとなってしまった、恋人の
ヒュー・ヒューバート
のことだ。いくらかその関係も修復しつつあったが、その過程には重苦しい思いも味わった。
しかしまだ、途上だ。完全修復まではあと一歩、いや二歩といったところか。さてこれから、どうしたものか。
思いわずらいながら、寝子ヶ浜海岸を歩む。晩秋ながら幸い今日は肌寒いということもなく、薄手の装いで身軽に出かけることができた。日課のウォーキングと散歩も兼ねてスニーカーを履いてきたから、砂を踏む感触も軽やかだ。
ただ、ビーチの静けさを期待していたが、思いの他賑わっている。
「……何かしら」
秋の海岸に似つかわしくない人だかりに首を傾けながらも興味を引かれ、近づいてみると。
「あっ、イルカ!」
昨今噂の真珠イルカ、シンちゃんがひょっこりと顔を覗かせていて、思わず水樹はほころんだ。
ヒューの姿も寝子ヶ浜にあった。
仕事の一環で、また趣味の一環でもある。カメラマンとして様々な被写体を求める中、風景写真が中心でありながら動物写真にもまた興味があった。
噂のシンちゃんなどは格好のモチーフだろう。
「真珠イルカか。さて、どんな表情を見せてくれるかな」
希少動物の写真ならそれだけで価値があるが、目に見える数字以上に大切なものもあろう。人との触れ合い、そこに絆があれば動物とて表情にあらわれることもあるし、そんなワンシーンを撮影できればヒューの心も満たされる。
心躍らせながら人波が視線を向けるほうを探すと、海面から飛び出す真珠の肌を見つけた。
「これが真珠イルカ……なんて綺麗なんだ」
カメラを構えながら近づく。もちろん被写体にストレスを与えてはいけない、立ち位置には気を使って徐々に、少しずつ距離を詰める。
ファインダーへ愛らしい顔が入り込む。はっきりと目が合った。にっこり。笑ってくれたような気がした。ほとんど無意識、反射的にシャッターを切る。
「うん。いい表情だね」
シンちゃんもご満悦か、胸ビレをぱたぱたと叩いて喜んだ。
夢中でシャッターを切るうち、レンズの中へ見知った、何度も見てきた顔が映り込む。
水樹だった。一足先にこちらへ気づいたのだろう。その表情は迷いに暮れていた。声をかけるべきか、かけざるべきかと。
「……来てたんだ?」
「うん。その……仕事中かな、と思ったから」
ヒューから声をかけられ、水樹は所在なげにうなずく。だから声をかけなかったの、というのは言い訳だ。どうしてもやはり疎遠な時期が尾を引いているのだろう。
彼女の生真面目に、ヒューは小さく苦笑いする。未だ自分を許せないのだろう。正義感が強いのだ。
「大丈夫だよ。仕事はもう終わり。今は趣味」
「そう? ならいいけど」
水樹はというと、いつもながらに飄々としてまるで風のような彼を見つめて、ぱちりと目が合い、ついつい逸らす。そんな必要もないのにどうしても、負い目を感じてしまっている。
そんな思いから逃れるためだろうか。
「わ……私、シンちゃんと泳ぐ!」
「えっ。その格好でかい?」
言われて見下ろせば確かに、水に入れるような服装ではない。降ってわいた衝動には抗いがたいが、海水に浸かって一着ダメにするほど理性を取りこぼしてもいない。
「き、着替えてくる!」
待っててシンちゃん! と叫んで、水樹は駆けていった。ヒューはその背中をぽかんと口を開けて見送る。
よく言えば思いきりがよいのだ。後先考えず失敗することも無きにしも非ずだが、少なくともヒューは彼女のそんな気質を好ましく思っている。
その後しばらく、ぼんやりとして彼女の戻りを待つ間に、少しずつ人だかりは解け、やがてヒューはイルカと二人きりとなった。
せっかくだからと何枚か撮影したところで、
「お待たせ」
ばっちり水着姿となり、水樹は彼の前に立つ。高めの気温がありがたい。鳥肌を立ててまで何をやってるんだ、と彼に思われたくはなかった。そんな風には思うまいが。
「お帰り。入るんだね」
「ええ、せっかくだもの。他の人は?」
「帰ったよ。二人だけの撮影会だね……って、撮ってもいいんだよね?」
「もちろん、あなたはカメラマンだもの」
言い捨てるようにして、駆け出した。照れ隠しだろうか、思いきり水へ飛び込む。すぐにも真珠イルカは寄ってきて、懐っこく鼻先をこすり付けてくる。
並んで泳ぐ。共に潜り、浮かび上がる。時にイルカの背に乗ることもあった。そのたび弾ける飛沫が秋の陽を虹の欠片めいて照り返し、カメラもろともにヒューの目を射る。
ああ、とヒューは知らずのうち漏らした。
彼女はなんて、綺麗だろう。無心に、夢中で、シャッターを切り続ける。あまり沖合へ行くものだから、ヒューは急遽近くのボートハウスで小さなボート借り、漕ぎ出さねばならなかった。
数十枚か百枚か、数えてさえいないがともかく、一生分の水樹を撮ったと思えた頃にようやく彼女は水から上がった。その様さえもヒューはカメラに収める。一生分どころか、まだまだ撮り足りない。
「ふう! 楽しかった。いい画が撮れた?」
「とてもね。なんていうか……最高だったよ」
思わず口をついて出た賛辞に、水樹も満足そうな笑みを浮かべる。
泳ぎつかれてしまったが、イルカのシンちゃんはまだまだ元気だ。撮って撮ってと言わんばかり、旋回やジャンプを披露してくれる。
二人、それをずっと眺めた。ヒューは時おり思い出したようにカメラを構え、水樹は彼の肩へ頬を預ける。
言葉は無い。それでも通じ合っていると感じた。いつかの二人のように。
日が水平線の向こうへ落ちてゆく。イルカは名残惜しそうに遠く鳴いた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
網 透介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
NPC交流
定員
10人
参加キャラクター数
9人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年02月27日
参加申し込みの期限
2023年03月06日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年03月06日 11時00分
参加キャラクター一覧
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