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秋。寝子ヶ浜海岸。
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触れれば右耳のピアスがちりりと鈴音めいて響かせる。片耳のみのそれは意志の発信であり決意の証であり、勇気の源だ。
潮風浴びて目を伏せた
稲積 柚春
が思い浮かべる顔は、いつも悪戯っぽく笑んでいる。ずるいごまかし、はぐらかしはお手のもの。
ウォルター・B
は百戦錬磨で隙が無く、実に手ごわいのだ。
だから、と無意識のうち再び、ピアスに触れる。
「なんだか難しい顔してるねぇ」
びくりと思わず肩が跳ねた。
「悩み事? 相談なら乗るよぉ、先生として」
「ワット!」
愛称で呼ぶのがつまり、柚春なりのスイッチだ。
「来てくれたんだ」
「まあねぇ。こうして浜辺を歩くのは好きだからねぇ」
「それだけ……?」
柚春は不満そうに唇をとがらせる。もう少し、自分に対して積極的になってくれたらいいのに。
ウォルターは、全てわかった上でにやりと、口角を上げるのだろう。
あたりを見回しても真珠イルカとやらの姿は見えなかった。探しがてら、ひとまず波打ち際を歩く。
「ワットと何度か、この海岸にも来たよね」
「ああ。そうだねぇ」
水着コンテストでは一緒にカップルドリンクを飲み、浜辺で追いかけっこもした。あれはちょっとこう、恋人らしく甘酸っぱい夏の思い出だ。
夏といえば花火大会で、彼とともに射的へチャレンジしたこともあった。
「あの時取ってくれたぬいぐるみ、大事に取ってあるんだよ。もともとワットに似てるなーって思ってたけど、服を着せたらますますワットっぽくなっちゃった」
「本当かい。それはなんだか、恥ずかしいなぁ」
とまったく恥ずかしくもなさそうに言うのが小憎らしい。彼らしいといえば彼らしいが。
人気の失せた浜辺を二人、目的も忘れ雑談に興じながら歩く。あの夏の狂騒は遠く、かといって寂寥に襲われることはなかった。
「ワットと一緒だから、かな」
「うん?」
となりに慕う人がいるのだから、退屈しようはずもない。
「秋の海も、夏とは違った色でいいね。こういうのすき」
「へぇ、どう違うんだい」
「少し色褪せて、でも透きとおってて。なんだか、たまらない気持ちになる……」
そんな色。
隣に立つ誰かの存在で、違って見えることもあるだろう。
「ワットと一緒にドライブして、海岸で見た夕焼けの色は、もっとすき」
ふと立ち止まる。怪訝そうに振り返る彼を、青い瞳をじっと見つめた。真っすぐに。
「ねぇ、ワット。僕ね」
「うん」
「この島に来て、すきなものが増えたよ。いっぱい、いっぱい」
「いいことだね」
「まだここに来て一年くらいなのにね。これ以上、すきなものが増えちゃったら……どうなっちゃうだろうね?」
ははは、と声を上げる。生徒の充実を喜ばないのは教師ではないだろう。柚春としてはもう少し違う反応を求めてはいたが、まあ贅沢は言うまい。
このひと時こそが、まさしく柚春のすきなものだから。
「……あっ!」
「おや。会えたねぇ」
波間にぽっかり、真珠色。
「イルカ! ええと、名前はなんだったかな?」
「真珠イルカのシンちゃんだってさ。安直だよねぇ」
「まあいいじゃない。分かりやすいよ。誰かさんみたいにひねくれてなくて」
「それは誰のことかなぁ?」
今度はくくく、と柚春が笑い、白波押し寄せる際まで彼を引っ張っていく。
あ、と思ったときにはもう、彼の手を取っていた。振り返ると何も言わず、ただふわりと微笑んだ。
「シンちゃん!」
イルカの名前を呼べば嬉しそうに、くるくると回る。ヒレを器用に使って水を跳ね上げ、水面に王冠を作る。
「ほら、ワットも呼んであげて!」
「おーい、シンちゃん~」
尾びれを振り上げ、ばしゃん。二人並んで飛沫を浴び、全身びしょ濡れとなった。雫を滴らせながらぱちくりと顔を見あわせ、揃って大声を上げ笑った。
イルカと水遊び。大好きな彼と一緒に、十にも満たない少女へ戻ったように。
また寝子島にすきなものが一つ、増えたらしい。
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あとがき
担当マスター:
網 透介
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網です。
秋の寝子ヶ浜海岸のお話でした。
海岸の旬といえばやはり夏。人がたくさんの賑やかなビーチもいいですが、秋の少し寂しげな、胸が詰まるような透きとおる浜辺もいいものです。
皆さんにとっても、思い出のひと時となればよいのですが。
お楽しみいただけましたら嬉しく思います。
それでは、また次回に。
網でした。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
網 透介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
NPC交流
定員
10人
参加キャラクター数
9人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年02月27日
参加申し込みの期限
2023年03月06日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年03月06日 11時00分
参加キャラクター一覧
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