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柚春が部屋の扉を閉じたのを確認して、ウォルターは張り詰めていた緊張の糸を解いた。ずるずるとだらしなくソファへ持たれかかり、ぐったりと脱力する。
(恥ずかしくなって、途中でやめると思ってたんだけどなぁ)
久しぶりではあったけど、それなりに場を白けさせないコツは覚えているものだなぁと、ぼんやり思う。強く断りを入れるより、応じた上で「残念だったねぇ」って笑ったほうが、相手の気も損ねず楽だったのは確かだ。
唇をさすり、考える。今さら減る物でもないとはいえ、向こうからすれば大事な物だろう。あの時の事故とは違って、今回は半分承諾したような形だ。……勿論、逃げ切る前提ではあるのだけれど。
(どうしよっかなぁ……)
今さら取りやめるだなんて、言いだしにくい空気にしてしまった。けれど柚春が逃げないのであれば、このゲームに終わりは来ない。それこそ、唇を重ねて満足するまでは退かないだろう。
先に本数制限でも決めておけば良かったか、と無くなりそうにもないパッキーの山に目をやる。すると、向かいで長い足が組まれるのが見えた。
「柚春を避けるなんて、イイ身分じゃん」
神出鬼没のナイト様――なんて揶揄ったら、ただでさえ機嫌の悪そうな黒髪の少年から拳のひとつでも飛んできそうだ。
何度か顔を合わせている内に、薄々正体には気付いているけれど。だからこそ、ウォルターはворの置いてあった場所へ視線を向けなかった。
彼からは『透破』という名前しか聞いていない。語る気のない物を問いかけたとて、時間の無駄だ。
「避けてないでしょ。それともなに、してほしい? 君の目の前で?」
こっちはそれでも構わないけど、なんて肩を竦めてみせれば、灰がかった瞳は細められる。
「ふざけてんのか、そういうモンは腹決めてからにしやがれ!」
「どっちなの……」
彼が柚春至上主義なのは今に始まったことではない。彼女へ手を出すのも出さないのも、彼にとっては不都合だというのだから、まったくもって面倒くさい。
「センセーは柚春をどうしたいわけ?」
この質問も、もう何度目だろう。その度に答えていたのは『未来はわからない』というあやふやな言葉だ。
今がどうであれ、先のことなどわからない。どうしたいかと明確にしたところで、その答えは覆されるかもしれない……深い意味まで込めていたわけではないけれど、切り返しとしては妥当だろう。
(だって、現に)
今まで恋愛など、来る者拒まずの気楽な物だった。
相手が飽きるまで傍に置いて、より惚れさせたほうの勝ちで、飽きたらそこで呆気なく終わるゲーム。……少なくとも、獅子堂を喪ったあの日からは、彼以上の幸せを手に入れるなんて考えられなかったからだ。
ずっとそうやって、彼を理由に逃げてきた。自身に集まる羨望も評価も、己の物など何一つない。彼の意思を継ぐとでもいうように警察官への夢を絶ち、教師を目指したときには世界を見ることを止めてしまっていた。
全てが獅子堂の物だと言い聞かせて、本気になることを恐れていたのだ。
「考えてるよ、色々ね」
生徒からの羨望だったとしても、子供からの憧憬だとしても。向けられているのは獅子堂でなくて自分自身へだと思えるようになったから。もう、獅子堂に遠慮をするのはやめると決めたのだ。
「……逃げない、ってことか?」
「迷ってはいるけどねぇ」
再び、大事な物を失うのが怖かった。だから心もなくしてしまおうと思った。だけど、彼女が拾ってくれたあの日の忘れ物を、見なかったことにはできない。
己の中には確かに心があって、年齢どころか肩書きだって理由にはさせてくれないのだ。何を言ったってもう彼女は止まらないのだろう。
(……なんでだろうねぇ)
クスクスと笑うウォルターに、透破は怪訝な顔を見せる。柚春が幸せになるというなら、異を唱える必要も無い。その過程がどれだけ自分にとって面白くなかったとしたって、それはヒトでない自分の理解を超えていることだってあるのだろう。
だが、この浮かれている男に釘を刺す必要はある。
「弄ばれる様子を眺めるだけなんて、シュミじゃないからな」
「でも、奮闘する様子は可愛いんでしょ?」
大変だねぇと笑う顔は、今までののらりくらりとしたものでは無かった。張り付いたような、人を小馬鹿にしたような笑みでもなくて――やっと、柚春をその瞳に映す気になったのかもしれない。
「訂正しろ、柚春は何をやったってカワイイんだよ」
「はいはい、透破にとってはそうかもねぇ」
「センセーにとっては違うってのか?」
どう答えても、彼の答えは決まっている。違うと言えば反論するし、そうだと言ってもお小言が飛んでくる。どうせ納得して貰えないのがわかっていたから、ウォルターは透破の揚げ足を取った。
「センセーにとっては、可愛い生徒だよぉ?」
「てっめ……!」
殴りかからんばかりに透破が立ち上がると、その姿はかき消えた。と、同時に控えめなノックの音が響く。柚春が戻ってきたようだ。
「……タイミングがいいねぇ」
「何か用事があったんですか? 電話とか」
ちらり、とворを盗み見る。変わらずそこに座っているけれど、ギラリと睨み付けられているかのようだ。
「まあ、そんなところ~」
へらりと笑いながら、注がれた熱々の紅茶を堪能する。立ち上る香りに心を落ち着けるウォルターと反対に、柚春の緊張は解けていないのか、チラチラとこちらの様子を何度も伺っているようだ。
(これは、まだ諦めてないな……)
一度仕切り直しを提案した手前、無かったことにと言っても不満が残るだろう。最後の1回として提案するにも、言い方を気をつけなければ納得をさせるのも難しくなる。そう考え込むウォルターの袖を、柚春は軽く引っ張った。
「ねぇ、ワット」
「ん~?」
カップを置いて、さてどうしようかといった風に柚春を見た。彼女は頬を上気させ、上目使いでこちらを見ている。
……とんでもない爆弾が、今にもその口から飛び出しそうだった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
浅野 悠希
シナリオタイプ(らっポ)
プライベートシナリオS(400)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
恋愛
NPC交流
定員
1人
参加キャラクター数
1人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年02月13日
参加申し込みの期限
2023年02月20日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年02月20日 11時00分
参加キャラクター一覧
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