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ウォルターが、仕切り直しをしてくれると言った。
既に2回も挑戦することができたし、これでお終いと言われてもおかしくないのに。
(言えるわけないって思ってたんでしょ)
そうやって飲み込んで遠慮して、当たり障り無い振る舞いでその場に馴染むことは慣れっこだ。でも、そんな無色透明のような子でいることをやめた。黙って見つめていたって、何も伝わらないから。
「…………しよう?」
ゲームと言うことすら恥ずかしくなったのか、柚春は潤んだ瞳でそう告げる。
男女が二人きりの部屋で、縋るように手を伸ばし、赤らめた頬で……探せばまだ出てきそうだけど、冷静に分析できる程度には、ウォルターの動揺を誘えなかったらしい。
それはそうだ、柚春は時折こうやって、無意識に危なっかしいことを口にするのだから。
「そんなにしたい?」
パッキーを1本とって、ウォルターは柚春の口元へ近づけては遠ざける。まるで子猫が玩具にじゃれるよう、素直に追いかける柚春を見ながら、どうやってかわしきるか考えた。
もう一回と言い出せないくらいのギリギリを攻めるなら、逃げ切る方法は――。
「いじわるしないでよワット。パッキーちょうだい?」
先ほどのゲームがそうだったからか、柚春は食べさせてもらうことが開始の合図と思っているのだろう。
それはわかる。わかるけれども、思わずウォルターはパッキーを取り落とした。
「さっき、やるって言ったよね? ねぇワット、パッキーくれないの?」
「あー……待って、柚春、ちょっと、ストップ」
柚春の両肩を掴んで、少し距離を取る。それを「やっぱりゲームは中止ね」と言われるのだと思った柚春は、止まらなかった。
「僕は、ワットのパッキーがほし――」
ゴンッと大きめな音を響かせて、額と額がぶつかった。さすがに柚春も冷静になったのか、目をぱちぱちさせてからしょんぼりしている。
「いいかい柚春、パッキーは日本の商品名だ。海外では違う名前で売られている」
「……それが?」
「表向きは、日本のお菓子だとわかりやすいように、親しみやすい名前にするため」
なら、本当の理由はなんなのだろう。
無垢な瞳で続きの言葉を待つ柚春に、本当のことを説明していいものかとウォルターは逡巡した。
「ひとつは、ある病気を侮蔑する言葉に発音が近いこと。それから……うん」
「辞書で調べた方がいい?」
「ダメです。そもそも、スラングだから載ってな……あ、いや、とにかく」
大きく溜息を吐いて向き合うと、どうにか余計なことを教え込まないように注意しながら丸め込む。
「英語圏の相手に、パッキーが食べたいとか欲しいとか、言っちゃダメ。約束して?」
「ワットにも?」
「……君が言ったんでしょ? 罪にならないのは純愛までだって」
詳細を説明するのが憚られて、なんとか察してくれるように言葉を濁した。
すぐには理解が難しかったようで、柚春はぽかんとしていたけれど、何となくそれが隠語であるということまでは思い至ったらしい。
「ごめんなさい……約束、します」
「よろしい。じゃあ、このご褒美が最後ね」
パッキーを手に微笑むウォルターは、成功しないと思っているのだろう。けれど、人のやることに『絶対』などあるわけなくて、挑戦してみなければわからない。
「今度は、2人で食べてみようよ」
どちらか一方が仕掛けるのは、フェアじゃないから。引き寄せられる『運命』だってあるはずだと、そう信じて柚春は構える。
「お手柔らかにねぇ」
2人の間を、パッキーが繋ぐ。相手の動向を窺いながら、少しずつ食べ進められていく。
静かに、確実に。両端から短くなっていくパッキーに意識を取られそうになりながら、柚春はじっとウォルターを見つめた。
彼は相変わらず余裕を浮かべて微笑んでいて、その意地悪に見えるはずの笑みにドキドキさせられるのは、悔しいなぁとも思うのだけど。
(あれ、でも……)
ふと気付いてしまった。これは、失敗こそ明確だけれど成功とはどういう状態なのだろう。
そりゃあ取り落とさずに最後まで食べたなら、キスをしてしまうのはわかっている。むしろ、それが目当てのようなところのあるゲームだ、するつもりが全くないのに興じるのは難しいと思う。
だけど、そうだとすれば……ウォルターはどうして応じてくれたのだろうか。
キスをして終わるか失敗するかの二択だと思っていたけれど、違う終わり方もあるのだろうか。すれすれの所でお互いに終わりって顔でパッキーを落とさないように離れるとか?
――それとも、やっぱり彼は失敗しかしないと思って……いや、失敗する気なのだろうか。
徐々に近づく距離は許されている距離、なのだと思う。彼とはジュースやジェラートとシェアしてきて、極度の潔癖ではないと知っているけれど、ジュースの回し飲みなんかは本来好まないことも知っている。
それでも応じてくれたのは、自分だけが特別だったりするのだろうか。
(……わからない、知りたい)
残り指先数本ほどの長さになって、ウォルターは少し首を傾けた。まるでこのまま、深く口づけてしまおうとでも言うように。
さくりと囓る音が、心臓の跳ねる音にかき消されて聞こえない。あと何口囓れば届いてしまうのだろう。咀嚼する音が聞こえているのかな、汚い食べ方になっていないかな。どこか見える景色が遠い物のように、柚春の心配は少し先のキスのことではなく今でいっぱいだった。
お互いに探り合うように、囓るペースが落ちていく。もしかしたら、ウォルターはいつでも止められるように気を遣ってくれているのかもしれないし、離れるタイミングを見計らっているのかもしれない。わざとらしくならないように終わらせて、残念とおどけて見せる気かもしれないけれど。
(もう僕は……撃ち落とす覚悟はできたんだよ)
何もできない子供だと思わないでほしい。そう一口囓れば、もう触れるか触れないかの場所に唇がある。次の一口で、確実に触れてしまう――。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
浅野 悠希
シナリオタイプ(らっポ)
プライベートシナリオS(400)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
恋愛
NPC交流
定員
1人
参加キャラクター数
1人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年02月13日
参加申し込みの期限
2023年02月20日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年02月20日 11時00分
参加キャラクター一覧
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