めざせ賞品ゲット！｜リアクション

めざせ賞品ゲット！

☆お弁当チャレンジ

　鴻上彰尋はスマホでねこったーを眺めていた。
（あれ、あおいさんがお弁当の写真をあげてる）
　前に比べるとかなり上達した七夜あおいのお弁当の写真を、彰尋は微笑ましく眺めてイイネ！した。
「ハッシュタグがついてるな……『#お弁当チャレンジ』ってやつか」
　ハッシュタグを覗くと、お弁当の写真がずらりと出てきた。
　正統派のから可愛いデコ弁、中にはネタで勝負のお弁当もある。
「ねこったーを使った応募コンテストか、高校生が作ったお弁当をハッシュタグをつけて呟けばいいみたいだ」
　期間内でイイネが多い人やＲＴが多い人が最優秀賞で、中には特別賞とかもあるようだ。
　料理が得意で普段からお弁当を作っている彰尋は、ふと思う。
「俺も応募してみようかな。……何か賞に入ったら嬉しいんだけどな」

　どうせなら見た人が食べたくなるやつを作りたい、と彩りや見た目にこだわってみることにする。
「玉子焼きにプチトマトにゆで野菜……夕飯の余った唐揚げをパプリカと一緒に甘酢あんで炒めたものを入れよう」
　お弁当に定番のウインナー、そしてご飯は、どうするか。
「ウインナーももカニとかタコさんにしてみようかな？　ご飯の部分はただの白米なんだけど、せっかくならノリをパンダの顔になる様においてみようか」
　キッチンバサミを取り出し、パンダの耳と目と口元に見えるようにノリを切ってご飯においてみる。
「……うん、いいんじゃないかな」
　お弁当は完成したが、写真の撮り方も大切だ。
　何回も角度を変えたり綺麗に見えるようにとって、一番いい綺麗な写真を投稿する。
『美味しそうに見えたら嬉しいです　#お弁当チャレンジ』
　タグと一緒にコメントもつけて。

「うん、これでいいかな？」
　納得のいく写真を投稿して満足した彰尋だが。
「でもそういえば、これを俺が今日学校で食べるのか……パンダがちょっと恥ずかしいけど、まぁ、いいか」
　少し恥ずかしいが、弟妹は給食があるので自分が食べるしかないだろう。

　登校した寝子高であおいを見つけて声をかけた。
「おはよう。お弁当チャレンジに参加してたんだね。あおいさんのも見たよ」
「えっ、ありがとう！　彰尋くんも参加するの？」
「うん、実は……」
　スマホでねこったーを開いて、自分の投稿を見せる。
「すごい！　可愛いし、おいしそう！」
　あおいの心からの反応に、嬉しくなった。
「彰尋くん、優勝できるんじゃない？」
「いや、そこまでは……何か賞をもらえたら嬉しいけど」
　頭をかく彰尋。
「写真もすごく上手だね。もしかしてこれ今日のお弁当なの？」
「うん……ちょっと恥ずかしいけど」
　賞が取れなくとも、あおいと話がはずんだだけで投稿した甲斐があったなと思う。

　その後、彰尋のねこったーにDMが届いた。
『おめでとうございます、あなたのお弁当は『可愛いで賞』に選ばれました。商品としてニャオカードをお送りいたします』
　嬉しいような、恥ずかしいような。
「とにかくあおいさんに報告しよう」
　さっそくあおいへの報告の文章を考え始める彰尋だった。

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