めざせ賞品ゲット！｜リアクション

めざせ賞品ゲット！

☆MewTuberとチェキ

　真境名アリサは、最近有名ゲーム実況者の動画がお気に入りで、チャンネル登録をしていた。
　アリサはごくたまにニャンハンをする程度で、彼らのようにやりこみをするタイプでもない。
　そもそもそんな時間はなかなか取れない。
　水着ガールズバー『ジュエル』の副店長として夜は忙しいし、商売道具である美貌とスタイルを維持するには十分な睡眠やお肌の手入れが欠かせないのだ。
　そんなアリサにとって腕のいいゲーマーが実況しながらプレイする動画を見るのは、特に何も考えずに動画を見たいときにはうってつけなのだった。
「このエメラルドって人、実況トークも笑えるし、声も結構いいわね」

　そんなわけで、MewTuberエメラルドの最新動画を見ていると。
「チェキが当たるメンバーシップ企画？」
　そういう懸賞とやらが行われることになったと、エメラルドが発表している。
　それ自体は珍しくない企画だが、当選者はエメラルドと一緒にチェキを撮影でき、さらにその様子を動画に収めて公開するのだとか。
『どんどん応募して！　応募が少ないとカッチョ悪いから！』
　そう言うエメラルドの声がけっこう切実だったこともあり。
「まあ、どうせ当たらないだろうけど」
　と思いつつ、一応エメラルドのねこったーから応募した。

　それからしばらくして……というか、そんな応募をしたのも半ば忘れかけたころに、ＤＭが届いた。
「当選おめでとうございます……？」
　そういえばそんな懸賞があった、とアリサはようやく思い出す。
「番組収録に関して、都合のいい日時などを知らせてほしい……？」
　差出人はMewTuberエメラルドのマネジメントをしている事務所の担当者だった。
「マジで当たったの？」
　ようやく事情を呑み込み、少し考える。
「ありがとうございます。日曜日は仕事休みです」
　とりあえずそんな返信をすると、ほどなく返事が来た。
「今度の日曜日に収録……何着ていこうかしら」
　突然のことに驚きつつ、ワクワクした。
　　
　そして当日。
「真境名です」
「ようこそ！　エメラルドです」
　指定されたビルで、アリサは初めてMewTuberエメラルドと対面した。
（なかなかのイケメンじゃない）
　話し始めると、やっぱり動画と同じエメラルドだ、とアリサは感じた。
　店に来る客たちとは雰囲気が違い、紳士的な感じ。
「今日はよろしくお願いします。よかったらぜひ一緒にゲームをしませんか」
「……ええ」
　さっそく一緒にチェキを撮った後、一緒にゲームをしたりして楽しんだ。

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