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休日の過ごし方といえば、だいたい決まってくる。
ワンルームの部屋で何の気なしに買い集めてしまった本を読むでも、天気が良ければそれらを持って散歩に出かけてもいい。
何を読むか迷ったら、家からほど近い本屋で新書を物色しても良いし、旧市街のほうまで足を伸ばせば気に入っている古書喫茶も図書館もある。
どこに行っても本を開き、どこでものんびりマイペース。
倉前 七瀬
の日常には本が身近すぎるけれど、彼が普段から『読書』をしているかといえば、伝わりやすく明言しづらい。
彼の熱中する本の雑食さは幅広く、洋書や暗号めいた記号だらけの物で無い限り――活字で記載されてさえいるならば、ジャンルは問わない。そんな彼が1番好むのは『辞典』というのだから、一般的な読書しかイメージ出来ない人は首を傾げることになる。
書き記された『書を読む』ことは読書だろうと思う七瀬には、相手がどうして首を傾げるのかわからない。同じように傾げ返して、読書感想文にお勧めされる本たちを思い返すくらいはするだろうか。
(せっかくの読書の秋ですし、今日は物語でも読みましょうかねぇ)
書を読むことが読書であれば、辞典としてまとめられている書も立派な本であるし、強く意識をせずとも七瀬は十分に物語も実用書も問わず読んでいる。それが当たり前になっているからか、どういったものが日常ではなく『読書の秋』と呼ぶのに相応しいか……ひとまず駅の方角を目指しながら考えた。
この時期の図書館は勉強をする受験生でいっぱいだろうし、古書喫茶も最近訪れたところだ。いつもの定番になっている場所から離れないと、いつも通りの日常になってしまう。
(それ以外……何か、良さげな読書の秋は)
心当たりはひとつだけ、シーサイドタウンにあるお洒落なブックカフェだ。
少し前から噂は聞いていて、なんとなく場所も把握している。ただ、一度もそこには行ったことがない。
機会がなかった、といえばそうだ。すでに落ち着いたブックカフェは知っているし、店長とも顔なじみだ。取り扱いが古書専門ではあるが、読めれば良い七瀬にとっては大きな問題でもない。そのうち、新規開拓という気分になればと思っていたのだけど。
(どうせなら)
読書は1人でするものかもしれないが、その空間を1人で満喫するのは何かが違うなと思った。
明るすぎず暗すぎない落ち着いた照明と、耳心地の良いジャズサウンドなんかが流れていて。ゆっくりと紙を捲る音が時折聞こえて、誰かと共にいることを感じる。
一区切りついたところで顔を上げたら、相手が真剣に文字を追っている横顔を盗み見て、また本の続きに目を落とす……そんな、穏やかな時間を過ごせる場所。
思い描くだけで、心がふんわりと温かくなる気がした。やっぱり、あのブックカフェに行くなら1人ではなく
ウォルター・B
と一緒にがいい。
(……お誘いしてもいいでしょうか)
知らぬ店だ、堂々と案内出来るわけでもないし、思っているのとは違うかもしれない。
それでも気にはなっている。店によって取り扱っている本は違うだろうし、本を読むために誂えた空間がどれほど心地よいものか体験してみたい。……彼も読書が好きなら、楽しんでくれるのではないだろうか。
尻込みしたわりに、案外自分の中ではスッと答えが決まっていた。
(さて、そうと決まれば。どうお誘いしたらよかですかね)
いきなり呼びつけるように声をかけるのはどうなのか。かといって星ヶ丘のあたりを歩いて偶然を装うも、ブックカフェとは方向が逆だ。
唸るようにしてシーサイドタウン駅に繋がる交差点を眺める。そうこうしているうちに駅へついてしまった。
一緒には行きたい、でも。ぐるぐると考え込んでいる間に、信号は赤から青へ。スクランブル交差点は多くの人が行き交った。
目的地の定まらない七瀬は、人を避けながらふらふらと進む。店のあるほうへ行けばいいのか、星ヶ丘へ向かう電車に乗ればいいのか、彼が居そうな所は――。
とにかく点滅する前に渡りきり、少し道の端に寄って考えよう。駅前の広場であれば、待ち合わせをしている人もいるくらいだから、さして迷惑にならないだろう。そう思って、適当に空いているスペースを探す。あちらこちらから話し声が聞こえて、休日の駅前の混み具合に圧倒されかけた。
「……では、はい。そちらでお願いします」
だけど、その声が聞こえたとき。まるでまわりの音が小さくなった気がして、七瀬は声の主の方へ振り返る。
「こちらからも改めて……はい、すみません。出先なもので、後日」
通話を切ってひと息つき、視線を感じたのか声の主がこちらを見る。けれど七瀬はそれを待たずに、確信を持って呼んだ。
「ウォルター先生っ!」
「誰かいるなと思ったら……もしかして電話終わるの待ってたぁ?」
「いえ、いつものです。奇遇ですねぇ」
ふにゃりと微笑んでいるようで、そわそわしている。
わざわざ声をかけてきて、それじゃあ挨拶だけなんて切り上げることのほうが、この『奇遇』には少ないからか、ウォルターは続きを促すように微笑んだ。
「あの、先生に時間があったら……ブックカフェでもいかんとですか?」
「そういえば、この辺りに出来たって聞いたねぇ」
時間を確認して、ウォルターは思案顔を見せる。
先ほども友人とするような気軽な会話ではなかったし、もしかしたら忙しいのかもしれない。どこかでは遠慮をしているのに、何故か口はあれこれと紡ぎ出してしまう。
「気になってたお店なんですけど、でもどうせなら一緒にって思っちょったから」
だから、だから。
どう言えば伝わるだろうかと、思いついたままに理由を並べ立てて、お世辞にもスマートなお誘いにはならなかった。それでも『一緒に行きたい』という思いは十分に込められたようで、ウォルターは面白そうに笑う。
「それなら、お呼ばれしちゃおうかな」
「はいっ! 何があるかわからんっちゃけど、行ってみましょう!」
その店が得意とする本のジャンルや冊数、それから内装だとかカフェメニューでさえも。ただ数枚の店内写真を見ただけで何も知らないけれど、なぜか七瀬は得意げになって道案内をした。
「ブックカフェというだけあって本の多かですねぇ」
入口で受付と共にQRコードのついたカードを渡され、店内をぐるりと歩いてみる。きちんと椅子に座って読む人、クッションを抱え寝転がるようにして読む人と様々な楽しみ方ができるくらいに座席は広く、本棚も壁沿いだけに限らず通路に至るまで大小並んでいた。
ちょうど2人がゆったり寛げそうなクッションフロアに座り込める席が空いていたので、ローテーブルに置かれた端末にカードをかざす。席を確定すれば飲食のオーダーはもちろん、蔵書検索で棚の位置を調べるのも、本を購入したくなった時の在庫確認どころか取り寄せ発注まで出来てしまう。
「へぇ、検索機能が優秀だね。これなら店員の得意分野を気にせずに探せそうだ」
端末の機能を確認するように触っているウォルターは、まるで新しい玩具を手にした子供のように様々なキーワードを打ち込んでいる。もしかして、読みたい本でもあったのだろうか。
それに比べて。七瀬の手には、棚の端から適当に抜き出した数冊。どうやらここは、日本史にまつわる本があったのかと今さら気がついたくらいだ。
特別読みたい武将や偉人がいるわけでもないし、このまま手に取った物を読もう。いつもの七瀬だったら、すぐに活字の海に意識を奪われてしまうはずなのに、今日だけは勝手が違った。
「うん?」
ふと見上げた先に、ウォルターがいるから。
格好いいなと見られるだけで良かったのに、同じ場所で穏やかに過ごせるのも嬉しいのに。
ウォルターの意識を本から自分に向けたくなって、彼の本へ手を伸ばした。
「え、っと……ウォルター先生は好きな本とかありますか?」
「そうだねぇ……本を読むのは癖みたいなものだからねぇ」
気になったことは調べてしまう。そうして1冊を読み切れば、それを裏付ける物が欲しくて違う作者や出版社を読みあさる。同じ物語の翻訳が時と場所で変わってくるように、現地のニュアンスを知ると再び印象が変わるように――正しい物は何かと、ふるいにかけるように。
「癖、ですか。僕は文字さえあればいいので、好き嫌いは特になかですけど」
一度読んだ本はだいたい覚えてしまう七瀬にとって、本は固執する対象ではない。紛失したって気にならないし、母校の図書室で借りた本だって長く存在を忘れてしまうほどには、無頓着だ。
だけど、たったひとつだけ。
「先生は、白薔薇の表紙の本って知ってます?」
「特に印象深く残っているものはないねぇ。それが七瀬の好きな本?」
問われて、七瀬は「どうなんでしょう」としか答えられなかった。気にかけているくらい好きだったのかもしれないし、忘れるくらいどうでも良かったのかもしれない。でも、読んだ本なら記憶に残るはずなのに、表紙以外をまったく思い出せないなんて不自然だ。
「……見かけたら、教えてください」
白薔薇が何本あってとか、何色の表紙でとか。薄ぼんやりしている記憶の中で伝えられることは少なく、探しようもないと断られたっておかしくない頼み事だけど。
「表紙を眺めることがあったらねぇ」
そうして再び、ウォルターは本に目を落とす。
ブックカフェなのだから、本を心ゆくまで読んで欲しい。……でも。
(一緒にいるなら、お話したいな)
もう一度、彼の読んでいる本に手をかけたら気を悪くするだろうか。
七瀬は自分も読書をするぞと一旦活字に目を落とすけれど、やはりチラチラとウォルターの姿を盗み見てしまうのだった。
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担当ゲームマスター
浅野 悠希
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
NPC交流
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年01月10日
参加申し込みの期限
2023年01月17日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年01月17日 11時00分
参加キャラクター一覧
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