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いつの時代も、受験生は勉強が捗る場所を求めて部屋を飛び出す。
家だと身が入らなかったり、教本が読める場所を探していたり。理由はまあ様々だろうが、慣れた環境より違った環境のほうが適度な緊張感が持てるのも、好まれる理由だろう。
図書館に向かう
鴻上 彰尋
もまた、だいたいそんな理由だった。
休日の今日は家が賑やかで、一度馴染みの喫茶店へ向かったが、そこも予想外に賑やかで。
ある程度の音や人の気配はあるほうが集中できるタイプとはいえ、程度を越えればそちら側が気になって手が止まってしまうため、予定より短く切り上げて場所を変えてみることにしたのだ。
(コワーキングスペースみたいな所だと、静かすぎるかな)
とにかく一度、図書館に向かってみよう。そこなら教本もあるし、息抜きしたくなったら読書もできるし、勉強をする環境としては贅沢なくらいだ。
――けれど。
図書館の入口の目立つ場所。つい先日までは無かった張り紙に、自習についての注意事項が書かれていた。
(……ご協力のお願い?)
それは彰尋が知っているものが大半ではあったが、こうして改めて確認する機会を設けられるということは、何かあったのかもしれない。
注意深く読み進め、勉強用の席が決まっていることと、座席の利用が時間制になったことで、若干の制限を受けることになったが、ほぼこれまで通り利用できそうなことに胸を撫で下ろす。
(確かに、本が読みたい人が使える席がなくちゃ困るもんな)
あくまで図書館は本を読み静かに過ごす場所で、自習室ではない。この受験の追い込み時期に座席を占有しては、本来の用途で使えなくなってしまう。
最近では資格を取得するためか社会人の勉強する姿も見かけるから、ただでさえ読書の秋として本と触れあって欲しい図書館側としては、声を上げなければならなかったのだろうか。
全面禁止ではないことに感謝をしながら、勉強スペースの場所を確認する。どうやら、勉強にも使っていい座席には番号札が置かれているようだ。
空きを探すように館内を歩いていると、見知ったツインテールの少女がシャーペンを顎先にあてて思案顔をしているのが見えた。
「お隣、空いてますか?」
「はい……って、彰尋くん」
少しよそ行きの声で返事をした
七夜 あおい
は、すぐにいつもの調子で微笑みかけた。もしかしたら、実家で電話を取るときはこんな感じなのかな、なんて思いながら彰尋は席に着く。
「説明聞いた? この座席の番号の横に、使用開始時刻と終了予定時刻を書き込んで置いとくんだって」
「うん、ポスターでちょっとだけ。あおいさんは、何時まで?」
入れ違いになるのでなければいいな、と思って尋ねてみると、あおいも先ほど来たばかりのようだった。寮で昼食をとったあと、自室にいると睡魔が襲ってきそうだったので、目覚ましがてらに図書館まで来たらしい。
「自分一人で静かに勉強しているより、音があるところや誰かと一緒の場所で勉強をしているほうが、やる気や集中できることない?」
「わかる! 同じ問題を解いてなくていいんだけど、負けられないなって思っちゃう」
見張られているというわけではなくて。静かな授業中、誰かが急にペンを走らせる音が聞こえると、大事なポイントだったのかもと慌てて先生の話をノートに書き留める音が続くような。そんな連鎖反応に似ているのかもしれないねと笑うあおいの、ここ一番の頑張り時に力になれたらいいのだけれど。
彰尋はノートとペンケースを取り出し、時間を確認して座席カードに記す。終わる時間は、利用できる最大時間じゃなくて、彼女に合わせてもいいだろうか。
「ここの利用時間が終わったらさ、一度休憩に出てどこかで一緒に仕切り直さない?」
「いいね! でも、どこかあるかなぁ」
有料の自習室があることは、あおいも知っている。けれど、十分な環境が約束されている代わりに、短時間だけ借りようと思うと結構いいお値段がするものだ。
もう少し陽気が暖かな頃合いなら、公園のピクニックスペースみたいな場所でも良かったのだろうが、さすがに屋外の椅子でじっとしているには肌寒い季節になってきたので難しいだろう。
「最近厳しいよね、カフェとかもダメって言われること増えちゃった」
「場所によるのかもしれないね。ゆっくりしてほしい場所もあれば、回転率を上げたいお店もあるだろうし」
ならば最初から、のんびり出来そうな場所を選べば良い。
例えば、一杯のコーヒーが少々高いけれど打ち合わせやくつろぎタイムに使えるようなカフェとか。もう少し気楽に入れる所だと――。
「……そうだな、ブックカフェはどう? のんびり読書が出来る場所だから、長居しても大丈夫かも」
ブックカフェという形態には、いくつかある。
飲食をしながら本を読めることは変わりないが、置いてある本が試し読みをのんびりできる売り物なのか、店内で読むことだけを想定されている物なのか。新書や古書の違いもあれば、特定のジャンルだけを集めた物まで様々あり、一言にブックカフェを謳っているからといって、目当ての本があるとは限らない。
少し落とされた照明とゆったりできる席が多いから、静かな空間に浸りたいときなんかは居心地がいいだろうけれど、勉強に集中できるような座席があるかは、お店のコンセプトによるところも大きい。
「じゃあこうしない? 勉強が禁止だったりのんびりした席なら読書の秋。大丈夫なら受験の追い込み!」
「面白そうだね、行ってみるまで予定がわからないんだ」
口にだして、ふと彰尋はデジャヴを感じた。つい最近、そんなことを言ったような気がする。
いつだっけと記憶の海に潜るわけにもいかない。今日は間近に迫った戦いに備えて、英語の問題集に取りかからなくてはならないのだから。
(利用時間から挑戦できるページ数は……このくらいかな)
宣言を取り消さないという決意も込めて、ノートの最初に今日の目標を万年筆で書き留める。茶色いロップイヤーのうさぎが、応援してくれているようにも見えた。
小休憩を数度挟みつつ、じっくり3時間。利用時間を使い切って勉強をした2人は、次の勉強場所と糖分を求めてブックカフェへ移動することにした。
「ねぇ、さっきの約束覚えてる?」
薄暗いエスカレーターの上。わくわくと振り返るあおいを、やっぱりどこかで見たことがある気がする。
「どの座席が空いているかで、今日の予定が変わるんだよね……でも」
その時と同じ返答をして、彰尋は苦笑する。もう試験まであと僅かなあおいのことを思えば、勉強ができる環境が良いに決まっているけれど。それでも、今日の目標は彼女もクリアできたと喜んでいたから。
「きっと今日は、読書の秋になっちゃう気がするな」
午後3時を少しすぎた、おやつの時間。焼きたてのスフレケーキの香りに飛びつきたいのを我慢して、手近な棚から数冊本を取ってくる。
最初こそ、勉強で詰まった所をお互いに教え合ったりしていたけれど、あおいが「今日は読書の秋だよ!」なんて勉強はおしまいと言うものだから、2人でのんびりした時間を過ごしている。
「九州のタウン誌を見つけたんだけど、受験は1泊2日かな?」
「うん、そのつもり。さすがに交通事情で試験が受けられなかったら困るしね。会場の下見もあるから、観光までは出来るかわかんないけど」
今回は遊びに行くわけじゃないからと気を引き締めようとするあおいが、プレッシャーに弱いタイプではないと思っているけれど。リラックスして挑めるように、滞在中に楽しめそうなことがないかとタウン誌を捲る。
「新幹線の駅ならお土産も充実してるし、見て回るだけでも楽しいんじゃないかな」
駅ビルに百貨店、それから色々な路線の改札口を繋ぐ通路には、所狭しと九州の名店が並んでいて、食事もお土産も目移りしてしまうほどにある。それに加えて、『○○街道』だとか『○○市場』だなんてお土産を集めた通りがあるというのだ。手軽に九州を一周したような気分になれるかもしれない。
「それにほら、御利益ありそうなのもあるみたいだし」
九州で受験というならば、大宰府名物の『梅が枝餅』なんて良いのではないだろうか。参拝する時間がなくとも、いただく前に決意表明をすれば見守ってくれそうだ。それがなんと、あちらでは駅のコンビニでも買えるらしい。
「みんなはこれから受験だし、それお土産にもいいかも! そっか、駅で買えるんだ」
少しでも緊張せずに観光気分が味わえたらと提案するつもりで開いたタウン誌は、まるで一緒に旅行をするために計画しているような楽しい時間をくれる。
そんな時間が、彰尋にとっては初めてでないような気がした。
(なんだろう、こんな風にお話しする時間を前にもどこかで……? 少し前に見た夢だったかな)
その時は九州ではなく、もっと遠くの……どこだっただろう。
でも、本を開いて目を輝かせたあおいが、見たい物や食べたい物を指さしながら笑っていた気がする。
ちょうど今と、同じように。
「頑張るだけじゃなくて、ちゃんと楽しんでくるね!」
ひとつの本を一緒に覗いて話す距離に、どうしてだろう。
何故か『大丈夫』って、誰かが言っている気がした。
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担当ゲームマスター
浅野 悠希
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
NPC交流
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年01月10日
参加申し込みの期限
2023年01月17日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年01月17日 11時00分
参加キャラクター一覧
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