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ピョンっ!と跳ねて、新春☆初夢フェア2023! ~富士編~
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【フィルムメーカーの見た夢】
旅鴉 月詠
のもとを嬉野 七海が尋ねたのは、ある秋の午後だった。星ヶ丘寮の地中海風の景観や真白い並びにぽかんと口を開けた彼を、月詠は淡々として自室へ案内した。
「フォトプレイヤーね。この寝子島に、私以外でこいつに興味を抱く者がいるとは思わなかった」
「ついこの前まで、こんなもの知りもしなかったんだけどね、僕は」
七海はシーサイドタウンでひっそりと営業するシネマカフェ『クランク・イン』のアルバイト店員……とはいうが、オーナーから店内企画の立案や実施なども任されているとのことである。
彼が思いついたのは、いわゆるサイレント映画の上映会だった。
「君。こいつの知識は」
「皆目」
アトリエを兼ねる月詠の自室に、それはどっしりと佇んでいた。
一見ピアノに似ている。白黒のキーが並ぶ鍵盤もある。しかしそれらに、ひと言でなんとも表現しがたい、奇妙な部品群が付随する。白い紙ロールを収めたボックスだとか、いくつも吊り下げられた棒状の器具たち。この無数のボタンはなんだ、何に使うのだ? 横にくっついているのは楽器の収納箱? 素人が見て分かるのは、かろうじてそれが一つの楽器であろうということのみだ。
月詠は大仰な仕草で手を掲げ、語る。
「アメリカン・フォトプレイヤー。劇伴用の半自動演奏装置だね。現在のようなトーキー映画のスタイルが確立される以前、サイレント映画に劇伴を加えるべく作られた。白黒映像にピアノの演奏、奇妙で愉快な音が鳴る無声映画を見たことがあるだろう?」
「うん。『月社会旅行』とか、『純金狂時代』とか」
「そうした映画に音楽という華を添えていたのが、フォトプレイヤーというわけ。全盛期には何万台も作られたそうだが、現存しているのはわずかだ。こいつだって100年も前の代物さ」
「100年か……動くのかい、これ」
「もちろん」
「いや、なんというか。演奏できるのかい」
フォトプレイヤーが自動で奏でてくれるのは、紙ロールに記録された譜面に従って鳴らすピアノの音色。それ以外の音は、無数のボタン類や「牛の尻尾」などと呼ばれる紐を引くことで、演奏者が鳴らさなければならない。
無論のこと一朝一夕で扱えるものではないわけで、七海の懸念はそれだ。ツテをたどり情報を集め、シネマカフェの客でもある彼女がこの奇妙な装置を所持していると知りコンタクトを取ったが、鳴らすことができる者がいなければ彼の企画は成り立たない。
しかし、そこへきて月詠である。古今東西の芸術・芸事に通じ、多方面に類まれな才を発揮する、寝子島きってのアーティスト。未来の大芸術家、その卵だ。
「もちろん」
鳴らせぬ楽器などほとんどない、彼女は豪語した。
後日のシネマカフェは、サイレント映画上映会の報を聞きつけた客でごったがえしていた。多くはかつて無声映画に触れたこともあろう年配の客たち。物珍しい自動演奏装置の見物に来た、面白半分の若者が少し。近年、ニャカデミー作品賞を始め数々の受賞を果たしヒットした、サイレントからトーキーへの変遷と狭間の時代を題材とした映画を見て興味を持った、という者も少なからずあった。
稀に見る盛況にはしゃぐ妹・嬉野 エマをどうどうどう、とあやしてホールの仕事に戻すと、七海はマイクを取り、客たちへ告げた。
「シネマカフェ『クランク・イン』へお越しいただきまして、まことにありがとうございます。本日はサイレント映画の時代を彩った輝ける名作たちを上映するとともに、その劇伴を奏でる稀少な演奏機械もご覧に入れます。どうかごゆっくり、お楽しみくださいませ」
普段はこのように慇懃な態度や前口上を述べたりしない七海だが、今回は自身の企画に必要な演出らしい。無表情な彼もいささか緊張を抱いたか、マイクのスイッチをオフにし、ほうと深く息をついた。
さて、上映開始だ。無声映画の多くは古式ゆかしいフィルム媒体と思われがちだが、最近はそれらの復刻技術も進み、なんともありがたいことにディスクメディアで鑑賞することができる。
店内の大スクリーンにまず映し出されるのは件の『月社会旅行』だ。ジュール・ヴェルヌの長編小説などから着想を得た、人間が巨大な大砲に乗って月へと到達し、その住人たちと抗争を繰り広げるという史上初のSF映画である。現代にしてみればチープな映像ではあれど、演劇風の演出は特徴的であり、思いのほか緻密な時代考証とあえて意図した荒唐無稽のバランスが心地よく、色褪せない魅力がある。
その上映が始まるやいなや、なりをひそめた喧噪に代わり、店内には賑やかな音が満ちた。
月詠登場だ。
白いピアノロールはまわり、鍵盤がひとりでに叩かれる。軽やかな音色と映像に合わせ、月詠はペダルを踏んでぶかぶかぶか、ボタンを押し込み変調し、「牛の尻尾」を引いてはしゃんしゃんしゃん。ぴゅういっとひと鳴り。
スクリーンでは打ち上げられた砲弾が人の顔をした月へと突き刺さり、その瞬間にぐいと紐を引っ張れば、どがしゃららん!
月詠の手も足もめまぐるしく動き、翻り、そのたび愉快な音色が響く。自動演奏という言葉に反して忙しなく、絶え間なく、そして楽しく賑やかな月詠の演奏は、上映時間の20分弱めいっぱいまで続いた。
一つの映画が上映を終え、その時点で月詠は汗ぐっしょりとなっていた。七海は向こうでぐっと親指を立てて称賛してくれたが、
「さて。私の体力が持つかな……」
上映会はまだ、始まったばかりだ。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
5人
参加キャラクター数
5人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年01月01日
参加申し込みの期限
2023年01月08日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年01月08日 11時00分
参加キャラクター一覧
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