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ピョンっ!と跳ねて、新春☆初夢フェア2023! ~富士編~
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【夜明けの恋】
どこからやってきたのだか。彼は実につかみどころなく、飄々とした、風のごとき家庭教師だった。
「では、あおいお嬢さま。本日は教本の18ページをお開きになっていただけますか」
「も~。なに、そのしゃべりかた? 二人の時は普通に話してって言ったじゃない」
「いちおうこれでも、雇われの身なんでな。最低限の体裁は繕っておかねば」
「繕えてないよ、修くん」
週に三度やってきて、
八神 修
は
七夜 あおい
にさまざまな知識を授けてくれる。言語学を皮切りに、数学、物理学、医学、錬金学と授業のテーマは雑多で、そのどれにもあおいがのめり込むことができたのは、ひとえに修の巧みな話術や誠実な人柄あってのことだ。
本日の授業は、地理学。
「では地図を見てみよう。ここには何がある? いや、ありますかな、あおいお嬢さま」
「もー、普通にしてってば! ここは、ミケール大陸。私たちの暮らしているところだよね」
「そうだな。大陸の西、隣国のスコティッシュ王国では先日、王太子のご成婚が話題となったな。こちらはロシアンブル、雪と氷に覆われて大地は貧しいが、鉄鋼業が盛んだ。では、この国は?」
「ソマリ公国! すっごく自然が豊かなところだよね。行ってみたいなあ」
「そう、お見事。こちらは大国アビシニアンとサイベリアンに挟まれた、メインクーン国。永世中立国家を貫いているが、近年は隣国の革命家が亡命して波乱を呼んだな。そしてその北、この小さな国が」
「私たちの国、チャトーラ。へえ、こんなに小さな島国なんだ」
あおいは新しい知識を吸収するたび、へえ、ほう、ふうむと感嘆の声を漏らす。狭い国の狭い土地、外観だけは豪奢な館で籠の鳥のごとく愛で育てられてきたのだから、世の何もかもが物珍しいのだろう。
生徒がそのように賑やかな反応を返してくれるものだから、修も気をよくして、授業にも熱が入った。おかげであおいは、彼の手ほどきした中でも指折りの優秀な生徒に育っている。
「すごいね、修くん! 世界って、こんなに広いんだ!」
「ああ……そうだな。そうとも」
もっとも、熱が入るのは彼女の知識欲や真摯な授業態度によるものばかりではなかったが。
あおいは地図を眺め、ふわあ、とため息をもらす。
「いいなあ。行ってみたいなあ。この国にも、この国にも。私の見たことないものが、たくさんあるんだろうなあ」
「なら、行ってみるか?」
「えっ?」
頃合いであろう、と修は以前から算段をつけていたのだ。そう言い出すであろうことは予想できたし、館の外へ出ての課外授業も良いだろう。しかし、彼女の厳格な父母がそれを許してくれるかどうか……いや、無理だろうな。
そう考え、準備もしてきたのだ。
「出かけよう。今すぐに。新しい授業だよ、あおい」
「新しい……って、なんの? これはなに?」
修に手渡された、なにやら細長い棒きれのようなものを眺めて、あおいはぽかんと口を開ける。
家庭教師は、にやり。白い歯を見せ、言った。
「杖だよ。新しい授業へ移ろうじゃないか。魔法学だ」
その瞬間。あおいの手を取り、腰へ腕を回して、とまどい顔を赤くする彼女を連れ、修は天高く飛び立った。
「~~~~っ、なにこれ!?」
「もちろん、魔法ですとも。あおいお嬢さま」
「それやめてってば! 魔法って、あの魔法!? 物語とかに出てくる!? 修くんって、魔法使いだったの!? た、高い~~~~!!」
びゅうびゅうと吹き荒ぶ向かい風に、あおいの髪はばたばたと揺れる。
修が杖をかざし、くるりと翻すと、空に虹のかけ橋が生まれる。ふたりはそこへ降り立ち、ゆるやかな七色の曲面を滑走する。
「ほら。杖を振ってごらん」
「えっ、えっ。こ、こう?」
おっかなびっくり、あおいもくるりと杖を振ってみれば、その背中には鳶のような茶色の翼が生まれた。見ればあおいを支える修の背にも、黒い翼が生えている。
虹を蹴って飛び立つと、翼を打って空へ。
あおいの顔が、ぱあと明るく灯った。
「す、すごい……! 修くん、どうして黙ってたの? こんなにすごいことができるのに! 魔法だなんて、信じられない!」
「すごいだろう? 俺はちょっとすごすぎてね。いろんな連中に追われてるのさ」
「え、追われてる?」
誰にと聞き返す前に、まばゆい光があおいの頬をかすめた。魔法の光弾だと察することができたのは、振り向き、まさしく追手の姿を目にしたからだ。翼を生やし、ホウキに乗り、自らを竜に変え、魔法使いたちがふたりへ迫ってくる。
「サイベリアンの宮廷魔術師に、ロシアンブルの鉄の魔導士。あちらは我らがチャトーラの巫女か」
「ど、どうして追われてるの? なにか悪いことでもした?」
「自国に利するため、各国の魔術協会は常に優秀な魔法使いを求めているのさ。彼らは目ざといスカウトマンというわけだ……ま、俺はどの国にも仕えるつもりはないけどね」
そう言って、修は杖を一振り。ぎゅんとスピードアップして、あっという間に追手を引き離す。
加速の重圧に目を細めながらも、あおいは自分の腰を抱く彼を見上げる。
「それなら、どうして……私に教えてくれたの? 魔法使いだってこと。追いかけられるのは分かってたんでしょ?」
「ふむ。そうだな」
にやり。
「これが見たかったから、かな」
「これ? ……わあ!」
目の前に広がる景色は、あおいにとって忘れがたいものとなったろう。籠の鳥が初めて目にする、世界の夜明けだ。
しかし翼持つ導きの鳥、修の目は見慣れた光景になど見向きもしない。一心に目線が注がれるのは、驚きに輝く横顔だった。
「ああ。なんて綺麗だろう」
「うん! すごい、世界って、なんて美しいの……!」
多様な奇跡を行使する魔法使いにも、容易に手に入れられないものはある。修は苦笑いして、頬をかく。
「誰か俺に、恋の魔法を教えてくれ」
「え? 修くん、なんて?」
「いいや、なんでも。よし、もっと遠くへ行ってみようか。地図に夢見た、あらゆるものを見せてあげよう」
「わあ……!」
ふたりは翼をはためかせ、どこまでも昇っていった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
5人
参加キャラクター数
5人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年01月01日
参加申し込みの期限
2023年01月08日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年01月08日 11時00分
参加キャラクター一覧
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