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寝子暦1371年のハッピー・ハッピー・ハロウィン☆デイズ!
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いやあ、面白いね。
着流し姿のわらじばき、柄は紅葉の上っ張り、呉服屋の若旦那風のいでたちで、
柏村 文也
は愉快愉快といい気分、軽やかなステップで『思ひ出』に帰還した。
寝子島まるごと仮装祭、a.k.a.(またの名を)ハロウィン☆デイズ1371見物を楽しんできたのだった。どこを歩いても店をのぞいても、そこにいるのは仮装、仮装、仮装者! 浮かれている人ばかりではなく、『これが私の通勤着です』とでも言わんばかりに平然と事務仕事をしている天使と悪魔のコンビもいた。毎年ファニーな寝子島ハロウィンだが、今年はもう完全に定着しきっており、秋の風物詩のようになっている。とはいえ客観的な目で見ればやはり異次元に迷いこんだような気持ちではないか。とくに楽しかったのは『吾輩は猫である』なる札をさげた着ぐるみ猫おじさんとの遭遇だった。名前は『マダナイ』だそうである。頓知が効いている。
「やあナオ、遅くなったかな? さっきそこで漱石な猫を見てさ」
と言いながら文也が戸を開けると、
「Trick or Treat! 兄さんお帰り~」
なる上機嫌な口調が彼を迎えた。
文也の眉間にはクレバスが、口元にも亀裂が生じた。
「えっ? シュウ?」
「可愛いほうの甥っ子ご来店ですよ~」
いけしゃあしゃあと言いのけたのは修一、すなわち直治の兄である。
見るなり文也の気分は、バケツ一杯の氷水を浴びせられたようになった。
「……暇なのか大学生」
「暇ですとも」
文也にとっては腹立たしいことに、修一はウインクを返すのである。こういう仕草を意図せず自然に、しかもドラマの登場人物よろしくばっちりのタイミングで繰り出せるのが修一であり、それだけに文也はますます腹立たしく思う。
修一の手にはコーヒーカップがあった。しかも文也にとって、店で一番お気に入りのカップではないか。特別な機会に特別な客にしか提供しないカップである。文也自身が使う場合も、祝い事があったときに限っていた。
それ――と文也が切り出すよりさきに直治が告げた。
「兄様がご自身で淹れました」
「ああ」
だろうね。文也はたちどころに理解した。
店主の俺がいない間にカウンターに入って珈琲を淹れたな。
しかもたまたま手に取ったのが、セレブレイトなカップとはね。
なんの意図もなく選んだものが当たり前のように最上で、当たり前のように自分をいらだたせる。やはり天才だこの男、との思いをあらたにする文也である。
だが指摘しておかねばなるまい。大人として声に怒気をにじませないよう苦心しつつ文也は言った。
「そのカップはね、特別なときにだけ出すとっておきなんだ。だから普段使いは避けてほしいなぁ」
わかってくれるかと文也は期待したが、自分が馬鹿だったとすぐに悟った。なぜって、
「いいじゃないですか。家族なんだから」
なんの悪気もなく平然と修一が言ったのだから。父親に『赤ちゃんってどうやってできるの?』と質問する少女のような目だ。反論する気は失せてしまった。
「あと、勝手に店のものさわらないようにね。まあ気をつけてよ」
ため息まじりに告げるのが関の山だ。修一は「はぁい」とにこやかに返事したのだけれど、たぶん次来たときもやるだろうなと文也は直感した。
「で、今日来たのはお前だけかい」
「うん!」
なぜだか嬉しそうに告げる修一である。
「……なんでいつもお前だけくるんだ。どうせなら恭子ちゃん連れて来いよ」頬がこけそうな思いの文也だ。「ハロウィンなんだし、可愛い魔女の仮装とかして……」
「兄さん、それはオヤジ臭いよ」
「えっ」
文也は口をつぐんだ。
たしかに、自分でもどうかと思った。まだ青年のつもりだが、指摘されると歯痛なみに染(し)みる。
いかん。
文也は直治に目を向けた。
妹のことを話題にしたせいだろうか、それとも、たちまちこの場の主役に躍り出た修一への引け目だろうか、直治はうつむいているのだった。
実家のことでも思い出したのかな。あまりいい精神状態じゃないだろうね。
文也は頭を抱えたい気分だ。
修一は万能の天才だ。天真爛漫を絵に書いたような人間だ。
それゆえに、始末が悪い。
修一の空間に引き込まれるのを避けるべく、文也は無言で冷蔵庫にむかった。
まもなく戻ってくる。左右の手にはひとつずつ皿があった。皿には一切れずつ、オレンジ色のケーキが乗っていた。
「どうぞ。『Trick or Treat』の合言葉を言ったお客にだけ出す南瓜のケーキだよ」
直治にさしだすも、彼はとまどったような顔をするばかりだ。
「でも俺、客じゃ……それに、トリックオアトリートって言ってない」
「いいんだよ。食べたがってたし、特別」
直治の口元がほころんだ。
けれど気持ちがゆるんだのはわずかな間だった。修一が騒ぎ出したのである。
「兄さん僕には? 僕、言いましたよ? 言いましたよね?」
目をキラキラさせている。ダンボール箱を目にした猫みたいだ。
「わかってるよ。はいどうぞ」
文也は渋面で皿を出すも、修一はまるで頓着せず、"Thanks a lot"と完璧に近い発音とともに受け取った。同時にフォークを手にしている。
「おいしいね」
修一が直治に笑いかけたとき、すでに彼のケーキは四分の三が消失していた。
「そうですね。南瓜の味がします」
甘いもののおかげか、直治もくつろいだ表情だった。
文也としては、ホッとしたというのが正直なところだ。
ほんと、仲はいいんだよなぁ。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
恋愛
オールジャンル
定員
1000人
参加キャラクター数
61人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年01月15日
参加申し込みの期限
2023年01月22日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年01月22日 11時00分
参加キャラクター一覧
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